ドッジボール☆戦略的選手交代ルールについて考察してみた
現在、ドッジボールにおいて試合中の選手交代はケガや体調不良によるものだけ認められており、それ以外の理由による交代はできません。よって戦略的選手交代はできないのが既存のルールということになります。
野球、サッカー、バスケ、バレー、ハンド、ラグビー…およそほとんどの競技にいて途中交代が認められています。回数制限や制約のあるスポーツもあれば、無限に交代を行えるスポーツまであります。にもかかわらずドッジボールには認められていない。おそらくはドッジボールが5分間しかない競技というのが一番の理由だと考えられそうです。5分間で体力切れにはならないだろうという考えや、たった5分間で戦略性も関係ないだろうという事で、あまり深く考えられてないかもしれないですね。小学生12人、中学生以上は8人の中での交代なので人数的には全然あってもよいと思います。
そこで競技ドッジボールにおける戦略的交代ルールを考えてみました。
ルール案
1チーム1試合に●度の戦略的選手交代を認める(1〜3回が妥当)
ボールデッド時、またはオフィシャルタイムアウト時にベンチから申請を行い速やかに交代を申し出る<パターン①>
プレイ中、事前にオフィシャルに交代を申請しておき、次回ボールデッド時、またはオフィシャルタイムアウト時に交代を行う<パターン②>
外野から内野に戻る選手の場合に限りボールデッド時以外でも交代可能、ただし②の手続きを踏み交代に入る選手を待機させておく(待機ゾーンのようなエリアを設けてもよいかもしれない)<パターン③>①②は必ずオフィシャルタイムアウトを介し選手交代の旨を主審が全体に伝える。負傷交代時と同じ手順。③の場合、選手交代は相手にわかりやすく伝わるようにする(挙手して入るなどのルールがあってもよい)
あっ、えーっと、やっぱり③は混乱を招きそうだから無しの方向で(笑)
交代方法や手順はバスケやバレー、サッカーなども参考になりそうです。
メリット
戦略性が加わることにより監督の采配力が今より勝敗に影響しやすくなる
思い切った起用、思い切ったスタメンを組むことができる
ベンチ選手たちの出場機会を増やすことができる
ベンチ選手に事前準備を促すことで参加意識を高めることができる
野球でいう<守備固め><クローザー>など局所特化の選手に役割を与えることでスポットライトを当てることができる
体力温存などでケガや疲労のリスクを分散し回避しやすくできる
エース温存の副産物としてチーム全体の底上げや次世代選手の育成につながる
感情の乱れた選手やマナーの悪い選手を監督判断でベンチに下げることができる
試合に出る子が増えて保護者も幸せ(運用を間違えなければ)
監督も気を使うんです!上手に運用すれば実力に応じて満遍なく出場チャンスを与えられる(極端に言えば今はゼロか10なので)
デメリット
スムーズな試合の流れを断ち切ってしまうおそれがある
悪い監督の場合、懲罰交代などハラスメントに利用されるおそれがある
作戦いろいろ
ケース1
トーナメント進出は確定したのでエースを温存しリーグ最終戦を戦うことにした。ところが試合に出たアタッカーが全員当たってしまい、どうしても内野アタッカーが必要になって、結局は内野の選手として途中出場した。
ケース2
主役は遅れて登場!と言わんばかりに塾のテストが終わって会場入り。ところがまさに大事なトーナメント準決勝が始まるところ。アップの時間がない。なんとか2分間アップを済ませ、交代申請をし途中出場を果たした。
ケース3
背の高い期待の新人!しかしターンも遅いしキャッチもビビってなかなか捕れない。ルールもまだ微妙な感じで、安心して試合に出せるほどの準備はもう少しかかりそう。だけど!練習の時からジャンプボールだけは異常に強い。さぁVポイント。本来のジャンパーも二番手も外野にいる。そこでピンチジャンパーとしての起用。ジャンプに勝ってマイボールを手中にしたチームは勝利を収めた。
ケース4
エースが感情を制御できなくなって攻撃のリズムが崩れ、明らかにチームに悪い影響が出始めている。流れを変えるために思い切ってエースを下げ、ベンチで一番声の出ていたムードメーカーを起用。見事期待に応え、好キャッチ連発でチームを盛り上げ、勝利に貢献した。エースも応援を頑張ることと試合後にしっかり話ができたおかげで冷静さを取り戻し、残りの試合で復調を果たした。
ケース5
元外野は攻撃力を買われてのポジション。ところがキャッチが超苦手。いつも、えっ?というところで当たってしまう。そんなお方に朗報!キャッチ自慢のスーパーサブがお助け。残り30秒でブレイクショット(※アタックを決めボールデッドとなりマイボールとすること)を決めて外野から戻ってきました。2点リードを逃げ切りたい。監督は守りの切り札を投入!見事相手アタッカーにプレッシャーを与え続けリードを守った。
ケース6
練習試合。エース格2枚をベンチ、いわゆる飛車角落ち、舐めプと言われてもおかしくないメンバーでのスタート。ところが監督には一つの思惑があった。課題は守備力強化。なんとか残り2分で3点差と食い下がる。ここで監督が動きエース格2枚を外野に同時起用。戻れる可能性の低い選手がエース級に交代した。試合は監督の目論見通り、途中出場の2選手が当てて帰って逆転勝ちとなった。
ケース7
コート上の貴公子と呼ばれる彼は、全国レベルのテクニックを持つにもかかわらず、重要な試合以外はいつもベンチからのスタート。背番号も大きめの14番。そこのマネージャーから一方的に秘密を打ち明けられたが、どうやら彼は心臓病を患っており長い時間の激しいプレーができないらしい。だから途中大事なところで出てくるんだとさ。お大事に。
冒頭で、5分間の試合の中での交代、というのが戦略的交代の導入を阻んでいるのでは?という疑念がありましたが、そもそもドッジボールって短いでしょうか?そりゃ他のスポーツと比較すると短いかもしれませんが、選手たち、経験者、関係者は少なくともそうは感じてないと思います。そしてたった5分間の中に流れやドラマがあることも知っています。私は、その5分間の中で戦略性を持たせるという事に意味があるか、という点では上記のメリットのような理由や想定できるシーンからも、とても意味があると考えております。
個人的には、もう一歩ドッジボールに深みを持たせる意味でベンチワークに幅を広げるのは、とても面白い試みではないかと考えてます。
まずは練習試合の時にローカルルールとしての試験的導入からでもよいかもしれませんね。大多数の監督さんは賛成されると思ってますので。近い将来、このルールの導入が議題に上がることを夢見ております。ドドドドドラマチックドッジ!イェーイ!
コメント欄にご意見くださいますと嬉しいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?