歯を同時に5本抜いた女の話
虫歯だと思って約10年振りに駆け込んだ歯科でまさか歯を5本も抜くことになるとは、2024年7月の私には知る由もなかった。
今年の夏、晩御飯をむしゃむしゃ食べていた時だった。献立は何か忘れた。
突然、左の奥歯が痛くなりこれは…もしや虫歯?と苦手な歯科に行く自分を想像しながら洗面所の鏡の前で口の中をこれでもかと懐中電灯を当てて確認。
うん。ちょっと虫歯っぽいかも。あはーん、まじかよと軽く絶望。そりゃ学生時代…約10年も歯科に行ってなかったらそりゃ虫歯の1本や2本くらい出来ますわなと覚悟を決めて翌日、職場近くの歯科に予約の電話をする。まあ虫歯なら何回か通院して後は定期検診くらいで終わるだろう。
それに8月は推しのイベントで愛媛県に行くことが決まっていたため、今しっかり治療しておけば口腔関連は無敵だぜと予約当日、覚悟を決めて歯科へと向かった。
結論から言うと虫歯じゃなかった。
まず初診ということでレントゲンや写真などありとあらゆる角度から口腔内の検査をしたのだが虫歯じゃないですねと一言。
いや…奥歯が黒いのは虫歯じゃないんですかと私は担当の歯科助手さんに聞く。あ、これは色素沈着で黒くなってるだけで虫歯じゃないですと言われた。…ただの歯が黒ずんでる汚い女ということか。
恥ずかしい聞かなきゃ良かったと後悔。よもや、穴があったら入りたいということはこういうことか。奥歯なので色素沈着していても他の人には見えないんで大丈夫ですよとフォローされたが、余計虚しくなる一方だよそれ。
その後先生が来て、先ほど撮った口腔内の写真を見ながら
「これね、上の親知らずが少し他の歯より長いせいで咀嚼時に下の親知らずの生えていない歯茎の部分を噛んで痛くなってると思うので他もそうなると困るからここ以外にも今生えている親知らず、全部抜きましょう」と。
現在、生えているの親知らずは3本。左下はまだ歯茎の下に埋まっているが中で見事なくらい真横に生えていた。多分これは一生、生えてこないからもし何か炎症起こしたら抜きましょうという話になり、おーう。こりゃなかなか大変な事になりそうとふむふむと話を聞いていた。
そして、親知らずの他にも軽く虫歯になっているところや歯垢などのクリーニングもした方が良いですねと言われ、ああよくある毎回歯科に来るたびに虫歯があるとかなんとかだからって治療されるパターンのやつね。
お金かかるなあとちょっと嫌な顔をして話を聞いていたかもしれない(全国の歯科で働く皆様すみません)
そして親知らず、いつ頃抜きます?という話になり私は精神疾患があり毎日飲まなくてはならない薬や薬疹が出てしまう薬、アレルギーがある事など実はこう見えて(?)結構な生きむず体質である事を話すと、じゃあここで抜くのは設備的にも厳しいので大きい病院に紹介状出しますのでそちらで精密検査して抜いてもらってくださいと言われた。
その病院…隣町…通うのか…まじか…ここで抜いてくれよと思いながらもそこの大きな病院は歯科がかなり有名で混んでいる為、早めに予約して診てもらってくださいと紹介状を受け付けでもらいその日は歯科を後にする。
んー、やだなあ。やだなあ。と思いながらも愛媛に間に合わないのはもっと嫌だしと翌日、その紹介された病院へ連絡した。紹介状の話や行った歯科では手術出来ないなど諸々の説明をすると歯科の受付のお姉さんがとりあえずこちらでしっかり検査してからですね。えーと、予約ですが今ですと1ヶ月後になりますが希望日はありますか?と電話越しから聞こえた。
ん?1ヶ月後??そんなに歯科って混んでるの?愛媛間に合う?ねぇ、愛媛間に合う?と私の第一優先はとにかく推しのイベントだったので部屋の壁掛けカレンダーを睨み付けながら予約日を決めた。
…愛媛にかぶらないナイスな日があった。ありがとうお姉さん。
ここから私の親知らず抜歯の第2シリーズが始まる。