歯を同時に5本抜いた女の話④
前回のお話はこちらから↑
いよいよやってまいりました入院当日。
この日を迎える為に実は少し無理をして、入院の5日前に推しから勇気をもらうべく仙台のイベントに行っていた事は口が裂けても病院の人には言えない。
※本当は手術が決まった段階から風邪や流行り病等に罹ってしまうと手術が延期になってしまう為、人混みなどは避けてくださいというお知らせの書類をいただいていたのですが…ごめんなさい。今年最後になるかもと推しに会いに行ってしまいました。皆さんはちゃんと守って下さいね。
それはさておきまして。
11時に病院入りから歯科専用の病棟が無いため、産婦人科の病棟へ案内される。詰所の近くの4人部屋で3日間過ごす事に。当初は3人いたが途中で色々あり、ふたりになった。
人生初の入院ではないが最後に入院したのが3歳の時で一切記憶にないためほぼ初めてに等しく、何をどうしていいのやら全く分からず…案内してくれた看護師さんも後で説明に来ますと言ってから30分以上経っても来ない。着替えて良いものなのか荷物を片付けて良いものなのか、診察があるって聞いてるから先に診察なのか…。というかもうすぐお昼ご飯の時間になるのでは?と頭が爆発しそうになったので詰所へ行き、すみません…あのこれからどういう感じで今日過ごすかって説明に来てくれるって言われたんですけど…。と声をかけると、ん?みたいな顔をされたが、病室へ来てくれてテレビの使い方など諸々の説明してくれた。
…絶対に忘れてただろ。顔がそういう顔だったと思ったけど仏のほのちゃんなのでそういう事は言わないで我慢した。偉い!大人になったね☆
色々あったもののとりあえず説明は終わり、お昼ご飯を食べてから診察です。と言われたのでお昼ご飯を待つ…が、診察が何時からなのかが分からない。それに診察は普通に歯科の診察室へ行くから寝間着では行けない。
私は昔から外出時に着た服でベッドに上がるのが無理でベッドに入るときは必ず着替えないと気持ち悪いという変なところ潔癖の持ち主なため、この問題はかなり自分の中では深刻だった。
自分の部屋のベッドではないが、ベッドはベッド。うーーーーん。と考えながらここは致し方ないとそのままベッドへ。
うげ、やっぱり気持ち悪い。そして病室が暑すぎて暑がりの私には一刻も早く寝間着に着替えたかった。
そうこうしている間にお昼ご飯がやってきた。
抜歯手術の為、夜の20時以降は絶食だがそれまではお菓子でも何を食べても良いと言われていたのでとりあえず病院食どんな感じなのかなとお品書きを見てみると、何故か塩分制限食の表記が。
塩分制限しないと手術に支障が出るのかなと悩む。別に血圧は高くない…むしろ低いくらいだしなあ。となんの躊躇いもなく持参した柚子胡椒ふりかけをご飯にかけて食べる。
やはり持ってきて正解だった。ふりかけくんありがとう。
塩分制限食となると多分1日の摂取する塩分5〜6gくらいで計算しているだろうと予想して食べたら個人的にはそこまで味は薄く感じなかったが、やはりふりかけくんは偉大だった。
なのでもし、皆さんも何食べても大丈夫ですよと言われたらふりかけ持って行きましょう!かなりオススメです!そして手術前日しか暫くがっつり食事摂れなくなるのでなるべくお口に合わなくても病院食は食べましょう!
こうして昼ごはんを平らげた暑がり女はいつ診察に呼ばれても良いようにすぐに歯を磨き、呼ばれるのを待つ…が一向に呼ばれない。
遂に暑さの限界が来て下だけデニムからハーフパンツに着替えた。もうなんか待つのもだるいし、少し寝ちゃおうかなとベッドを倒し横になった途端に、食事どれだけ摂れたか記入してくださいと紙とペンを持ってくる看護師さん。
私、このあとに歯科で診察なのですがいつ呼ばれますか?と聞くけれど夕方ですねと言われてそそくさと居なくなってしまう。くノ一かよ。
そんなあ…じゃあ、11時から来た意味…としょんぼりしながら時計を見たらまだ14時。
…夕方の定義って何時から?
暇すぎるけどかと言ってうろうろもしたくなかったのでひたすらベッドの上で横になり、ぼーっとする。なんか上も着替えたいなとTシャツに着替えいよいよ寝間着に。こういう時の時間って本当過ぎるの遅くてなあ…とぼんやりしていたら、歯科の看護師さん登場!
うわーー!あなたに会いたかったんです!的な顔で看護師さんの顔を見たら、これから診察しても大丈夫ですか?と聞かれたので今、着替えたら行けます!と先程着ていたトレーナーとデニムに早着替えして歯科へ。
そしてまたお久しぶりの鈴木先生。今日も相変わらず素敵ですねと心の中でご挨拶をして、口の中を見てもらう。
あの快便サービス付きの抗生物質のおかげか歯茎の腫れは良くなっていて、これなら手術大丈夫だねとOKをもらった。いやはや頑張って飲んだ甲斐がありましたよわたくし。
そして移植なんだけど…どこの親知らず使おうかな〜と3本の親知らずを吟味する先生。暫く見ていたが、明日抜いてからきーめよ!と言われたので思わず可愛いって言いそうになった。なんでそんなに無邪気なんだよ。なので、親知らずはどこのを使うかはまた明日決める事となり、最後に手術についての詳細を改めて聞く。
私の親知らずは上の両方が副鼻腔のかなり近いところまで根が張っており、抜いた後副鼻腔に穴が開くと思うと言われた。小さい穴なら少し時間が経てばに塞がるがあまり大きいと周囲の肉を集めて塞ぐ手術をしないとならない為、どちらにせよもしかしたら飲み物などが暫く副鼻腔に入るかもと言われ…え、そしたら副鼻腔に入った飲み物鼻くそだらけになるの?とか意味の分からない事を考えていた。(汚い表現失礼致しました。あとそうはなりません)
それから左下の歯茎に埋まっている親知らずは歯茎を切開し、歯を割りながら抜く…というより取り除く手術になると思うと言われ、神経に近い部分に生えているというのもあり手術後に一時的に唇や舌が痺れやすくなるかもしれないと。また右下は歯の根がかなり太くて形が歪な為、こっちは顎の骨を削って抜かなくてはならないし、神経にも近いため左下が上手くいってもこっちの手術次第ではやはり暫く唇や舌が痺れるかもと。
そして歯の移植に関してはやってみないとちゃんとハマって適応してくれるか分からないのとハマってもその後、暫くは様子を見て骨がしっかりくっつくまでに時間がかかる為、成功したかどうかは術後に定期的に観察をしなければ分からないとの事だった。
うむ…ただ歯を抜けば終わりという訳では無いんだなあと思いながら診察は終わり。何か不安とかありますか?と聞かれたけれど私が頑張るというよりは先生達が頑張ってくれるし、何せ手術の間は麻酔で記憶ないからなあと思い、特に無いです!明日はよろしくお願いしますと言って病室へ戻った。
その後、晩御飯まで仙台でお会いしたティモ友さんからいただいたお菓子をもさもさ食べて勝手にパワーを貰い、晩御飯もふりかけくんをかけてもさもさ食べて20時ギリギリまで食べに食べ、絶食開始。
飲み物は翌朝8時までは飲めるのでまだありがたし。寝る準備をして普段は絶対に寝ない21時ちょっとには明日に備えようと目を瞑った。
…この3時間後、別の戦いが先に始まる事を私はまだ知らない。