アキレスの弱点を亀は狙った。 なぬ
亀売り
韋駄天が下駄を履いて、小学校の前を通りかかった。
晩夏の午後4時の散歩であった。
ツェノンの場
と書いた立て札が立っている、
っほう、哲学者ですか、
すると、亀が歩いて向こうに這っている。
おや、お客さんですね、と横合いから
爺さんが出てきた。翁の能面の人。
お若いのさん、亀に追いつき追い越すことは出来ないのですよ。なぜかならば、ゼノンの逆理と言って、・・・・
なるほど、そう言われてみるとそうかも知れませんねえ。、と韋駄天はあっさり降参した。
では お若いのさん、この亀を特別価格の百円でお譲りしましょう。
いえいえ、お金はありませんから。
韋駄天は、亀とは逆に歩って行った。
向こうから亀が歩いてくる。
韋駄天は、小学校を一周して、ツェノンの通りに逆の方から戻っていたから。
亀と韋駄天は、正面衝突しそうになり、亀は気絶し、韋駄天は、亀を飛び越した。
お見事、ゼノンの術は敗れました、さあ、亀に追いつき付き追い越してください。
亀は止まったので、韋駄天が前進することに いちゃもんは付かないのだった。
この亀は、無料です。
かくして、韋駄天は、助けてやった亀に連れられ、沖縄竜宮場に行き、台湾を経て大陸に渡った。 しかし、ヨーロッパで、奴隷になったと伝えられる。。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?