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NFT×リアルの落とし穴~二重消費問題とその解決策を徹底解説~

こんにちは!
日本最大のNFTチケット販売プラットフォーム「TicketMe」を提供する、チケミーのチケ男です。

先日、メルカリがNFTマーケットプレイスの提供を始めたこともあり、NFTが再び注目を集めていますね。
一般的にはアートやコレクション、ゲームアイテムなどのイメージが強いNFTですが、実は現実世界の“モノ”や“サービス”と組み合わせた活用法も急速に増えています。

たとえば、価値の高いスニーカーをNFT化して販売したり、ライブチケットをNFTで管理して不正転売を防いだりと、幅広いジャンルで可能性が広がっているんです。
メルカリNFTの説明にも関係する記載がありました。

現物償還(メルカリNFT)の説明

こういった新しい使い方は「NFT×リアル」の融合と言われ、注目を集めています。

本記事では、その中でもよく耳にする「現物償還型NFT」と「権利行使型NFT」について、なるべくやさしく解説していきます。
また、これらを運用する際に必ず関係してくる「二重消費問題」についても詳しく触れますので、最後までぜひご覧ください!



1. そもそもNFTってなに? 簡単におさらい

まずは念のため、「NFTとは何か」をざっくりおさらいしましょう。

  • NFT(Non-Fungible Token)
    直訳すると「代替不可能なトークン」。ブロックチェーン技術を使って、デジタルデータに唯一無二の証明書を付けられる仕組みです。

  • デジタル上で“本物”を証明
    従来のデジタルデータは簡単にコピーできるのが当たり前でしたが、NFTによって「これはオリジナルだよ」「この人が持ち主だよ」という証明が可能になりました。

  • アートや音楽だけじゃない
    NFTは当初アートやコレクションアイテムが話題になりましたが、今ではゲームアイテム、チケット、会員証など多彩な分野で活用が進んでいます。

こうした背景から、実体のあるモノやサービスとNFTを組み合わせる動きが登場してきた、というわけです。


2. 現物償還型NFTとは? ~物理的なモノと交換できるNFT~

2-1. 具体的にどんなもの?

現物償還型NFTは、読んで字のごとく「現物(実際のモノ)と引き換えができるNFT」のことです。

  • 例:高級スニーカーのNFT
    まずはデジタル上でスニーカーをNFTとして販売します。購入者はそのNFTを一定期間、自由に売買できます。そして最終的に「現物と交換したい!」というタイミングで、NFTを発行元に提出(いわゆる償還)することで、本物のスニーカーを受け取れる仕組みです。

  • 例:限定ワインやお酒のNFT
    限定醸造のお酒をNFTとして販売し、交換期限内に償還した人だけが実際にボトルを受け取れる形式。コレクターズアイテムとしての価値も期待できます。

2-2. メリットたくさん!

  • グローバルな取引が広がる
    NFTを介して取引されるので、国内にとどまらず世界中のマーケットプレイスで売買が可能になります。思わぬ国から“超ファン”が現れるかも!

  • 在庫を抱えない受注生産が可能
    「NFTが売れてから商品を作る」流れにすれば、大量の在庫を抱えるリスクを減らし、キャッシュフローを健全化できます。

  • ブランド認知度アップ
    世界中のユーザーに「NFT付きの限定商品」として見てもらえるため、新しいファン層の獲得が期待できます。

  • 顧客とのタッチポイントの指数関数的な増加
    これまでは販売事業者:購入者での販売であったものが、事業者:卸売事業者A:卸売事業者B・・・:購入者となることで指数関数的に顧客とのタッチポイントが増加します。


3. 権利行使型NFTとは? ~チケットやサービス利用権をNFTで管理~

3-1. 具体的にどんなもの?

権利行使型NFTは、コンサートチケットやホテル宿泊券、各種イベントの参加権など、「権利そのもの」をNFT化したイメージです。

  • 例:ライブチケットをNFT化
    チケットをNFTにすることで、偽造や重複販売を防ぎながら、必要に応じて二次流通(転売)が可能。アーティストや主催者にもロイヤリティが入る仕組みが作れます。

  • 例:ホテルの宿泊権をNFT化
    一定期間内に使える宿泊権をNFTで発行し、都合が合わなければ別の人に譲ることもスムーズ。旅行好きのコミュニティで人気が高まりそうです。

3-2. どんなメリットがある?

  • 不正転売や偽造リスクを低減
    ブロックチェーンに記録されるので、誰がいつ持っていたかが明確に。かつて問題になったダフ屋的な不正転売や偽造チケットを防ぎやすくなります。

  • ファン体験をアップグレード
    NFTオーナー限定のデジタルグッズを用意したり、会場で特別なサービスを受けられるようにしたり。新しいファンコミュニティが育ちやすくなります。

  • 転売時のロイヤリティ
    いままでの転売は、主催者・アーティスト側にお金が回らないケースがほとんどでしたが、NFTなら売買毎にロイヤリティを設定することも可能に。

  • 共通在庫化したうえで顧客とのタッチポイントの指数関数的な増加
    これまでは販売事業者:購入者での販売であったものが、事業者:卸売事業者A:卸売事業者B・・・:購入者となることで指数関数的に顧客とのタッチポイントが増加します。
    また、その際の在庫はすべて共通化されています。


4. 二重消費問題ってなに? ~リアルとデジタルを繋ぐ時の落とし穴~

さて、リアル×NFTの実際の事例を整理したところで大切になってくるのが「二重消費問題」です。これは簡単に言うと、

  • 「1つのモノを何度も引き換えられてしまうリスク」

  • 「1度しか使えない権利を複数回使われてしまうリスク」

です。

NFTはデジタルの世界では譲渡・リセールが簡単にできる反面、現実世界で提供される“実物”や“サービス”などの消費財は1回しか使えないのが通常。
そこにズレが生じるとトラブルが起きてしまいます。

4-1. たとえばこんなケース

  • 現物償還型NFT
    Aさんが高級バッグのNFTを買って、Bさんにリセールした後、本来もうAさんの手元には権利がないはずです。でももしAさんがリセールの前に偽造してバッグを受け取っていたら? さらにBさんも同じバッグを受け取ろうとしたら?

  • 権利行使型NFT
    イベントチケットをNFT化して、すでに入場に使われたはずのNFTがまた別の人に転売され、会場に入ろうとするかもしれません。

こうした事態を防ぐには「1度権利が行使されたら、そのNFTは流通できないようにする or 使えない状態にする」仕組みが必須になります。


5. 二重消費問題の3つの解決策

5-1. バーンする(消去)

権利を使い終わったNFTを、所有するウォレットから完全削除する方法です。

  • メリット: そのNFTは完全に存在しなくなるので、確実に再流通しません。

  • デメリット: 所有していたNFTがウォレットから消えてしまうので、「NFTならではの購入の履歴が残せる」というメリットが失われてしまう恐れがあります。

5-2. ロック(SBT化)する

バーンせずに、NFTを「移転不可状態」にするやり方です。これをSBT(ソウルバウンドトークン)化と呼びます。

  • メリット: 一度SBTにすればそれ以上リセールできませんが、NFT自体は消えないので、過去の取引履歴やメタデータをそのまま参照できます。

  • デメリット: 一度ロックされたNFTは移転が不可能なので、使い終わった後でもウォレットに残り続けます。設計次第では、「使い終わったものをウォレットにため込む」のが煩わしく感じる人もいるかもしれません。

このNFTをSBTに転換して二重消費を防ぐという手法は、株式会社チケミーが特許(特許第7372712号)を取得していて、すでにサービスに活用しています。
この仕組みを使うことで、チケットNFTなどにおける二重消費問題を解決しながら、NFTの履歴を消さずに残すことができます。

実際の活用画面

5-3. データベースで管理する

独自のサーバー(データベース)を用意して、「どのNFTが使われたか」を記録し、重複利用を防ぐ方法です。

  • メリット: 既存システムに組み込みやすく、慣れた方法で管理しやすい。

  • デメリット: 他のマーケットプレイスと連携した取引が難しく、「自社DB上では償還済みだけど、ブロックチェーン上では取引されてる」という状況が起きると二重消費や詐欺の温床になりがち。


6. 今後、主流になるのはロック(SBT化)かも?

前述の3つの方法のうち、今後最も有効な方法がロック(SBT化)です。

  1. 履歴が消えない=NFTの良さを活かせる
    バーンしてしまうと取引履歴がなくなりますが、SBTなら「どのウォレットがいつ所有したか」がブロックチェーン上に残り続けます。

  2. 分散型エコシステムとの相性が良い
    データベース管理は1つのシステムに依存しがちなので、複数プラットフォーム間の取引に弱い面があります。しかしSBT化はブロックチェーンの仕組みを活かしながら二重消費を防げます。

  3. 実績としてのNFTをコレクション
    使い終わったNFTチケットがウォレットに残るのは一見“ゴミ”のように思えるかもしれませんが、「どのライブに参加したか」がデジタル履歴として残るのはファンにとって嬉しい要素。ファンコミュニティやリピーターを育む仕掛けになり得ます。


7. まとめ:NFT×リアルの広がりはこれからが本番!

7-1. 現物償還型NFTと権利行使型NFT、それぞれの魅力

  • 現物償還型NFT

    • 物理商品をグローバルに売買できる

    • 在庫を抱えるリスクを減らせる

    • ブランド拡大にも期待大

    • 圧倒的な販売力

  • 権利行使型NFT

    • チケットや宿泊権などを安全&便利に管理

    • 偽造・不正転売を防ぎつつ転売も容認できる

    • 付加価値を追加しやすい(NFT限定特典など)

    • 圧倒的な販売力

7-2. 二重消費問題の解決策を忘れずに

  • バーン:シンプルだけど履歴消滅の懸念あり

  • ロック(SBT化):二重消費防止&履歴保持の両立

    • 今ある解決策では最良の方法

  • データベース管理:既存システムと相性良いが、詐欺リスクあり

7-3. これからの展望

今後、モノやサービスをNFTと組み合わせるケースはますます増えそうです。特に、メタバースやオンラインコミュニティとの連携が進んだり、「過去にどんなNFTを持っていたか」が個人のステータスになるなど、ユニークな将来像も描かれています。
そんなときに欠かせないのが、やはり「安全性」と「透明性」
NFTの魅力を最大限に活かしながら二重消費を防ぐ技術は必須になります。ロック(SBT化)や特許技術の実用化がさらに進めば、多くの企業・プロジェクトが導入しやすくなるでしょう。


8. 特許の活用・導入について相談したい方へ

もし、今回ご紹介した「NFTをSBT化する特許技術」に興味がある事業者の方がいらっしゃいましたら、ぜひ以下のフォームからお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせフォームはこちら
https://ticketme.co.jp/contact


9. さいごに

NFTはアートやコレクションだけでなく、リアルな商品やサービスと組み合わせることで、まだまだ大きな可能性を秘めています。その一方で、「二重消費問題」のような新たな課題も生じるため、しっかりとした対策が欠かせません。

  • 現物償還型NFT権利行使型NFTをうまく利用することで、これまでになかったビジネスモデルやファン体験を生み出せる

  • ロック(SBT化)や特許技術を使ったトークン管理で、安全かつ円滑に運用が可能

「うちの商品をNFT化してみたい」「今のチケット販売にブロックチェーンを導入してみたい」という方は、ぜひ具体的な導入方法を検討してみてくださいね。新しい時代のビジネスモデルにチャレンジするきっかけになれば幸いです。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!
あなたのビジネスやアイデアがNFTによってより輝くことを願っています。

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