Google Cloud Next Tokyo’24まとめ
MC領域ソリューション戦略1部統合データ&プライバシーグループ
シニアコンサルタント/Google Cloud Evangelist福島ゆかり
※この記事は約5分で読めます
こんにちは、ソリューション戦略1部Google Cloud エバンジェリストの福島です。
2024年8月1日~2日に開催されたGoogle Cloud Next Tokyo '24へGoogle Cloud Champion InnovatorとしてChampion Lightning Talkへ登壇とInnovator Hiveエリアの「Ask the Expert」のサポートをしてきました。キーノートで発表された重要なアップデートとともにレポートさせて頂きます。
Google Cloud Next Tokyo '24 とは
Google Cloud NextはGoogleCloudJapan合同会社が主催する年一回の旗艦イベントです。
今年は、神奈川県みなとみらいエリアにあるパシフィコ横浜ノースを会場として、100以上のセッション数と過去最多のブース数で実施されました。
生成AIやデータ分析をはじめ、最新のテクノロジートレンドに熱い視線が注がれ、数多くのIT関係者やエンジニア、デジタルマーケティングに携わるビジネスユーザーや学生の方もが集まり、盛況のうちに幕を閉じました。
現地ではカフェスペースやハンズオンブース、ネイルブースなど参加者同士の交流に最適なコンテンツが用意され、セッションのみならず参加者同士でのネットワーキングや熱心に議論を交わしている様子も見かけました。
導入から「活用」フェーズに移行した生成AIとクラウドに向き合うユーザー達がGoogle Cloudを通して仮想的に一つのチームであろうとするような進化の瞬間を肌で感じる機会になりました。
Geminiは日本語との相性◎
生成AIは「試す」から「使う」へ
キーノート(基調講演)とは、カンファレンスのメイントピックや開催時点で最新のリリース情報が発信されるセッションです。Google Cloud Next Tokyoでは先行して開催された本国での情報の他に、日本独自のアップデートが発信される為、非常に注目されるコンテンツの一つとなっています。
概要とアップデート:Google Cloud Japan 代表平手智行氏、Google DeepMind社Seshu Ajjarapu氏、Google Cloud社 Erwan Menard氏、Kristina Behr氏
活用事例紹介:LINEヤフー株式会社、株式会社星野リゾート、東日本旅客鉄道株式会社、日本テレビ放送網株式会社,ヤマト運輸株式会社,トヨタ自動車株式会社,株式会社三井住友フィナンシャルグループ
この記事ではおもにキーノートからピックアップさせて頂きます。各社様の生成AIご活用事例も本当に学びと驚きがありますので是非動画で彼らのプレゼンをご覧ください。※オンデマンドはこちらDAY1,DAY2
2023年に発表されたGeminiはLMSYS Chatbot Arenaにおいて日本語カテゴリでリーダーボードのNo.1だった事、またこの8/1にOverallでも日本語カテゴリ一位になったという事です。大手ベンダーの中では一番日本語と相性がいいじゃないかという事が徐々に浸透してきているようです!Chatbot Arenaは大雑把に表現するというと世界規模の生成AI総選挙だとお考えいただけるとイメージがしやすいかと思います。 エンジニア以外の方には馴染みがないかもしれないので、詳細はまた別のブログでご紹介します。(参考:https://chat.lmsys.org/)
急拡大するGeminiの導入と利活用を支える「生成AIエコパートナー」についてもご紹介いただきました。
この取り組みはGoogleCloudの認定パートナーの中から、高いレベルで生成AIでの支援実績を上げているパートナーを6つのカテゴリ毎にわけ認定を行うプログラムです。電通デジタルは、企業のデジタルマーケティング活動における生成 AI 利活用支援と生成 AI の活用によるウェブサイトのモダナイズを支援した実績から、「マーケティング向け生成AI」「ウェブサイトのモダナイズ」の2つの認定を持ち、支援しております。(参考 https://cloud.google.com/partners/ai?hl=ja)
この他、日本はGeminiのグローバル展開に向けても重要なハブとしての位置づけであることや“大胆かつ責任ある AI”の理念のもと安心して利用できるプラットフォームであることを強調。まもなく日本語の性能が高い
Preferred Elements社のモデルPLaMo-100BがGoogle Cloudのマーケットプレイス経由で利用可能になる等の発表がありました。
安心して使えるAI環境へ: LLM処理プロセスが日本国内で完結(今年後半)
生成AIに挑戦したい、業務に生かしたい、さりとて、お客様の大事なデータが一時的にでも外に出ることは社として許可しがたい…弊社にも多くお寄せいただくお悩みの一つです。しかし今回のアップデートは朗報と言っていいでしょう。
アーワン氏の発表によると、この2024年後半にかけて、これまでのプロンプト、モデル回答、学習データに加え、大規模言語モデルの解析プロセスも日本国内で完結して実施できるようになるという事です。これにより、Gemini はSLA(Service Level Agreement)に対応可能となります。これまで安全性の面でクリアできなかった多くの企業でも安心してご利用いただける環境が整うことになります。
正式リリース時にはまたこちらのブログで詳細を発信させていただきますので今しばらくお待ちください。
Champions Lightning TalkとAsk the Expertお手伝いしてきた話
筆者は2024年8月1日現在社内唯一のGoogle Cloud Champion Innovatorとして認定されています。
その為、企業ブースやセッションの行われるEXPOエリアの他、資格取得や新機能のデモ機や搭載したガジェットなどをお試しできるInnovator HiveエリアにあるInnovators StageでのLightning Talk(短時間プレゼン)に登壇機会を頂きました。
高度な技術的な内容ではなくGeminiを組み込んだ独自製品のデモをお見せしたり、どのビジネスシーンで生成AIとクラウドが必要となるのかを図解したりしました。「試す」は出来ているが「使い方がわからない」方へ向け、一緒に考える機会を作るワークショップのご紹介をさせていただきました。
多くの方にお立ち寄り頂き、本当にありがたい限りでした。また、登壇後のAsk the Expertブースへ詳細をお伺いに来てくださったユーザー様もいてカンファレンスならではの交流の機会となりました。
まとめ
昨年から続く、「生成AI」トレンド。この一年で多くの方が学びを得て、エンジニアのみならず、管理職や意思決定ラインの方からも「LLMってなんですか?」やクラウドエンジニアによる機能相談といった用語に関するご質問は少なかったように思います。Google Cloudは特にドキュメントを詳細に豊富に配布していますし、安価に試すことができますので自発的に勉強を進めることができるのが推進を後押しする理由でしょう。
また、お手伝いさせていただいたAsk the Expertで頂いたご質問傾向からすると「データはある。がどう使えばいいのか」「生成AIの環境はできている。どうやって他の施策ツールにつなぐのか」など生成AIの利活用に向けた相談が散見されました。さらに、Google解析ツールや広告との連携などGoogle Cloudを超えたご相談もいただくことができました。
生成AIで事業成果向上を実現していきたいというお悩みに弊社が長年取り組んでいるお客様の事業成果に寄り添ったスキームやソリューションがあてはまるタイミングが来たように感じ、多くのお悩みに安心してお応えできるよう日々進化を怠らないよう尽力していこうと気持ちを新たにしました。
今後も各種セミナーやイベントと並行して、気になる情報をこれから生成AIはじめデータとクラウドをビジネスに活かしていきたい皆様へ最新情報を発信してまいります。ぜひお気軽にお立ち寄りください。
※掲載されている写真は筆者撮影です。
※OneGoogleチームが提供する「ワークショップ」の詳細は弊社HPお問合せフォームよりご依頼下さい。