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Project Management Professional 合格体験記

電通デジタルの中野です。
先日、「Project Management Professional(以降PMP)」という資格に合格しました。
同じ時期にPMPに合格した2名(原、堀尾)の体験記もまとめ、合格を目指す方向けに勉強方法や参考情報をお伝えします。
今回は、3名それぞれの学習スタイル、苦労した点などを共有することで、皆様にとってより有益な情報をお届けできるのではないかと考えています。


1.PMPとは

PMPは、PMI(Project Management Institute:プロジェクトマネジメント協会)が認定する、プロジェクトマネジメントに関する国際的な資格です。プロジェクトマネジメントの知識、経験、スキルを証明するもので、世界中で広く認知されています。
PMP資格の主なメリットは以下の通りです。

  • プロジェクトマネジメントの知識体系の網羅的な理解

    • PMBOK(Project Management Body of Knowledge)ガイドに準拠した学習を通じて、プロジェクトマネジメントの基礎から応用まで、体系的に学ぶことができます。

  • 国際的に認められる資格

    • PMPはグローバルスタンダードな資格であるため、海外でもそのスキルを証明することができます。

  • キャリアアップへの貢献

    • プロジェクトマネージャーとしての能力を客観的に示すことができ、キャリアアップや転職に有利に働く可能性があります。

  • プロジェクト成功率の向上

    • 体系的な知識を身につけることで、プロジェクトをより効率的に、確実に成功に導くことができるようになります。

なお、PMBOKで想定されている「プロジェクト」は幅広いです。電通デジタルとしては身近なデジタルマーケティングやDXに関わるプロジェクトだけではありません。
元々は軍事や宇宙開発分野で使われていた手法です。PMPで求められる知識やスキルを、そのまま普段の業務に使えるわけではありませんが、応用できるエッセンスは随所にあります。

2. 試験概要について

PMPの概要がわかったところで試験勉強の話に進みます。受験するためには2つの要件を満たす必要があります。

  • プロジェクトマネジメントの実務経験

    • 大学卒業(またはそれに相当する資格)の場合:過去8年以内に36ヶ月以上のプロジェクトマネジメント経験(重複しない期間)。

    • 高校卒業(またはそれに相当する資格)の場合:過去8年以内に60ヶ月以上のプロジェクトマネジメント経験(重複しない期間)。

  • 35時間の公式なプロジェクトマネジメント研修の受講

    • PMIが認定する研修機関などで、35時間以上のプロジェクトマネジメントに関する研修を受講している必要があります。この研修では、PMBOKガイドの内容に基づいた知識やスキルを学びます。

これらの要件を満たしていない場合、PMP試験を受験することができません。中々にハードルの高い要件です。
プロジェクトマネジメント経験は、PMIのウェブサイトでどんな役割でどんな予算規模のプロジェクトに参加したか、を記載して提出する必要があります。全て英語で記載しなければなりません。

※生成AIや翻訳ツールが多数あるため、英語での提出ハードル自体は低いです。

3. 勉強方法について

PMP試験は、プロジェクトマネジメントに関する知識と実務経験を問う内容となっています。試験はコンピュータベースで行われ

  • 多肢選択式

  • 複数選択式

  • マッチング

  • ドラッグ&ドロップ

など、様々な形式の問題が出題されます。
試験の問題数は180問(うちダミーが5問)で試験時間は3時間50分です。長い!
なお、60問ごとに10分の休憩が取れます。それでも体力勝負ですので、試験日は他の予定は入れないようにしましょう。

35時間の公式研修以外の学習方法としては以下のようなものがあります。

  • PMBOKガイドの学習

    • プロジェクトマネジメントの知識体系が網羅的に記述されているPMBOKガイドは、試験対策の基本となります。ただし、情報量が多いため、効率的な学習が求められます。

  • 参考書や問題集の活用

    • 市販の参考書や問題集を活用することで、PMBOKガイドの内容を補強し、試験対策の演習を行うことができます。

  • オンラインコースや研修の受講

    • 体系的に学習を進めたい場合は、オンラインコースや研修を受講するのも有効です。

  • 模擬試験の受験

    • 試験本番の形式に慣れるために、模擬試験を受験することをおすすめします。

電通デジタルでは、資格取得支援制度が整備されています。35時間の研修受講費用、試験受験費用が全額支給されます。そのため資格取得のハードルがかなり下がります。

4. 実施した勉強方法と苦戦したポイント

ここからは、実際にPMPに合格した3名が実施した勉強方法と苦戦ポイントをご紹介します。

中野編

  • 実施した勉強

    • PMI認定の35時間研修

    • Udemyでの模擬試験の受験2回分

  • 苦戦したポイント

    • 実際に試験で登場する問題は知識を問われるものは少なく、応用問題がほとんどでした。

      • 例:製品リリースに伴い政府機関の認可が必要だが、認可には6ヶ月を要する。製品リリースは3ヶ月後を予定している。まず何をすべきか

    • PMIが考える PM とはこうあるべき、という美学や行動原理を知ることが重要です。

    • この行動原理は35時間の研修で教えてくれるので、研修をしっかり聞いておけば概ね大丈夫でした。

    • また、問題の大半はアジャイルに関係する問題です。アジャイルの知識や雰囲気は知っておく必要があります。

      • イテレーション、スプリント、スクラム、レトロスペクティブ、スタンドアップミーティング、などアジャイル開発に関わる特有の用語が出てきます。

原編

  • 実施した勉強

    • Udemyの35時間研修

    • PMI Study Hall(アプリ・ブラウザで利用可能な公式問題集・模擬試験)

    • PMBOKガイド

    • 市販の参考書

  • 苦戦したポイント

    • 35時間の動画を見るのは大変。業務調整して研修(7時間×5日間)に参加するほうが結果的に効率的な学習ができただろうと感じます。

    • 質問に対する選択肢はどれも正解に見える内容ばかりで、学習を進めても最後の2択で迷うことが多いです。問題をたくさん解いてPMIイズムを身に着けることが大事なので、PMI Study Hallはとても役に立ちました。

    • PMBOKガイドも手に取りましたが、PMBOKの内容を嚙み砕いた市販の参考書から学習すると理解が深まると思います。

堀尾編

  • 実施した勉強

    • PMI認定の35時間研修

    • 研修機関元が提供しているEラーニング(演習・模擬試験)

    • 用語まとめ・プロセスのフロー図作成

  • 苦戦したポイント

    • PMIイズムを体に染み込ませること。PMIならどう考えるか?がパッと浮かばないと試験問題は解けません。日々練習問題を通して PMIの考え方を習得するのに時間がかかりました。

    • 用語やプロセスの上辺ではなく細かい点を問われます。最初は用語の意味から調べ、どういったシチュエーションで使われるのかまでを自分なりにまとめて理解を深めました。

    • 勉強法ではありませんが、受験申込手続きやプロジェクト経験の書き方の情報が少ない点に難儀しました。幸い同時期に受験を志すメンバーがおり適宜情報交換できたことでスムーズに進められました。

5.まとめ

今回の記事では、3名それぞれのPMP合格体験記を通して、勉強方法や苦戦したポイント、役立った情報などを共有しました。
PMP試験は決して簡単な試験ではありませんが、適切な準備と対策を行うことで、合格を掴み取ることができます。この記事が、これからPMP取得を目指す皆様にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。