フィルムカメラのある日常。#1
梅雨の6月下旬。
学生の間はずっと使い捨てフィルムカメラを使っていたが、自由な時間が少なくなりお金に少し余裕のある社会人になってそろそろ自分のカメラが欲しいと思っていた。
でも、フィルムカメラについて何も知らないし、わからない事が多すぎた。購入意欲はあっても、買うことに1歩踏み出せない自分がいた。たまたま同期と飲み会前にカメラ屋に行った。色んなカメラを見るうちに、再びフィルムカメラの購入意欲が出てきた。
シルバー色のカメラを買うつもりが、黒ベースのKONICA C35EFのカッコ良さに惚れ込んで半ば一目惚れのような感じで買ってしまった。
フィルムカメラを買って。
カメラを持っていても撮る事を忘れたり、カメラを持っていることすら忘れそうになる時もあったけど、6月下旬から約1ヵ月半かかってKONICAC35で写真を撮り続けて、初めて現像した。
どんな写真をいつ撮ったか忘れるほど写真同士の感覚が空いたので、現像がワクワクして楽しみだった。(最終的には23年間愛用していたカメラ屋さんが閉店する事と、いつもの3倍も金額がかかった悲しみの方が大きかった)
現像してみて。
現像してみると初心者の割には、想像よりもうまく撮れていた。
「この瞬間懐かしい」「こんな写真撮ったっけ」「この時すごく楽しかったなぁ」と色んな思い出の感情が混ざりながら、1枚1枚写真を眺めていた。
普通に撮るカメラと違って、フィルムは1発撮り。修正も加工も、編集もできない。撮ってもすぐに写真を見れるわけじゃない。失敗しても失敗のまま残る。それがまた良いなと感じた今回。
撮った日と写真を初めて見た日の間が長い分だけ、撮った写真の思い出が濃くなると感じた。写真を見たことで過去を振り返る機会ができて、過去の思い出や楽しかった出来事にも浸れて、また頑張ろうって元気をもらえるなって。
フィルムカメラで写真を撮る側になる事で、写真に自分は映らなくなりフォルダに自分の写真が減ったけど、これからも色んな瞬間や時間をフィルムで撮り続けたいなと思った。