「怖い」という感覚。
就職活動が解禁されて1ヵ月が過ぎた。
必死に眠気と戦いながら会社説明会に参加した3月1日。スーツで走り回った日々から1か月が過ぎた。時間はあっという間に過ぎる。
なんとか毎日頑張っている。
SNSではES・面接・自己分析の対策がひたすら流れる。たくさんの22卒が発信していて、就活アカウントも毎日発信してそれを少しだけ見る生活。いつの間にかSNSが友人との共有・連絡を取る・楽しい場面を残す場所から、学び・勉強の場へと僕の中で変わっていっていた。
自分がエントリーする会社の中から、行く会社が決める。
少し自信が持てない。本当にここでいいのだろうか。もっと良い会社はないだろうか。僕に合っているだろうか。やりたいことはできるのだろうか。エントリーシート、面接は通るだろうか。そんな先の見えない不安を少し抱く。考えてなくていいことまで、考えてしまう。いまだに治らない悪い癖。
少しずつ1次面接や最終面接などにも進む。
スーツを着て、ベルトもしめて、靴下も履いて外出できる格好に着替えても外出はしない。スーツを着て外に出ることも、移動することもない。自宅でパソコンに向かって話をして、笑顔を見せる。何も飾らずにいつも通りの普通の自分でパソコンに向かって話す。胸元から上しか映らず、僕も相手もどんな格好をしてどんな環境で話しているのかすらわからない。
自分が志望する・入社したい会社に行く事すらない。
人事・社員さんとの話がそれてしまって雑談することもほとんどない。その人の雰囲気・癖や感じることもオンラインという環境で制限される。最終面接に行こうと、内々定を頂こうと会社に行くことがないまま就職活動を終える。そんなことが怖いと僕は感じた。
雰囲気は僕に合っているのか。
社員さんはどんな人がいるのか。
実際の仕事場はどんな感じなのか。
そんなことすらわからない。
画面に映る面接官の顔・発する言葉がすべての情報になる。
とある面接官に言われた。
「イメージはあくまで、イメージでしかないんだ。」
この言葉が僕の中でいまだに消えない。
この人がいなければ、今の僕はいなかった。すごく感謝している。だから永遠と僕の中で言葉が残る。僕がHPを見て、話を聞いて、頭の中で考えて、想像して、、、でもそんなものはイメージでしかないんだ。あくまで僕が考えるものであって、その人が発する言葉であって、それが現実なのかはわからない。現場で姿を見て、複数の人から話を聞いて、立証することすらできない。そんなことを考えてしまうと僕は「怖い」という感覚に襲われる。そんな中で自分の人生をスタートさせる会社を選ぶのだ。僕は一体どんな人生をスタートさせるだろうか。
3月1日に僕が見た景色。
長い人生を過ごそうと、ここがスタート地点であることに変わりはない。