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グループ会社の若手から見た、クリエーティブ・プロダクションの現場(後篇) #出向者インタビュー
電通クリエーティブX 広報チームです!
(社名の「X」は「クロス」と読みます。以下、クロス)
今回は、先日公開した出向者インタビュー記事「グループ会社の若手から見た、クリエーティブ・プロダクションの現場」の後編です。制作現場でのエピソードや出会い、フォースに持ち帰れそうな経験を語っていただきました。
前編はこちら
悔し泣きもした制作現場での6ヵ月間
- クリエーティブコンテンツ制作に携わった率直な印象を教えてください
尾島:クロスの作業はチームで動くのが楽しかったです! フォースの場合、大きなクライアント作業をブランドを分けて2~3人で担当することはありますが、CPは1人で電通チームに入ることが多いので、家族というか、仲間に入れてもらえてるっていう感じで!
橋本:「すごい」の一言に尽きます。自分なりにいろいろとイメージをしていたのですが、当たり前ではあるんですけど、想像できていない部分や想像を超えることがたくさんありました。
CPをしているだけでは分からなかった心づかいというか、「こんな範囲までケアしてもらっているんだ」「こんなところまで考えてくれていたんだ」ということが知れたのは大きな収穫でした。それと広告会社側と制作会社側で、お互いの仕事の中身や大変な部分が伝わり合っているチームはめちゃめちゃ強いだろうなとも感じました。
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- 記憶に残っているエピソードはありますか?
橋本:楽しかったのは、岡山の企業や観光地でのロケ撮影を行った案件ですね。プロデューサー、チーフPM、僕の3人で、岡山のいろいろな観光地を3日間で巡る撮影でした。現地のコーディネーターを入れずに、自分でロケ地に電話をしてアポイントを取ったり、ロケバス会社に電話して手配したり、道路使用許可を申請したり。これは出向しないと経験できないことだなって。
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最初のころは、資料探しの作業が多かったんです。どこまで頼んでいいのか、どこまでやっていいのか、お互いが微妙な気を遣い合っていたんですけど(笑)。この案件は人数が少なかったこともあって、頼まざるを得ない、やらざるを得ない状況になって、はじめてPMとして動くことができました。
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過去に岡山でロケしたことのある子に、美味しいお弁当屋さんを聞いたり、お弁当をどこでピックアップするかを考えたり。それこそ、制作部として新幹線のチケットを取ったり、ホテルを予約したり、関西から西側にロケに行くのも初めてだったので、新しいことばかりで楽しかったですね。
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- 岡山ロケは出向して何ヵ月目くらいでしたか。
橋本:2ヵ月半が経ったころですかね。ちょうどターニングポイントになったというか、こういう時はこうするんだ? とか、前にこういうことをやってたなみたいな、いろいろと自分で手足を動かせるようになりました。12月に都内ロケで道路使用許可を取るタイミングがあったので、「僕やりますよ、大丈夫です」って言えるようになっていましたね。
- 尾島さんはいかがでしたか。
尾島:私は、悔し泣きした思い出がいちばん記憶に残っています(笑)。
9月にかなり大規模な案件につかせてもらったんですが、フリーランスの優秀な方々も集まっているような環境で、終始緊張して当時不安だったのを覚えています。
「少しでも役に立ちたい!」という思いだけで、なんとか頑張ってはいましたが、慣れないプロダクションワークだったこともあり、少しの認識のすれ違いで怒られることもあったりしました。その度に、「私の考えていることや感じていることを全て知っているわけではないのに悔しい!!」と泣いたこともあったなと。
今考えると、体力だけじゃなくて、出向中にメンタルまで鍛えていただいて感謝しかないですね。おかげさまで、帰任後たくましくなったと言われることが多くなりました!
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めざしたいと思ったプロデューサーとの出会い
ー せっかくなので、楽しいエピソードも教えてください(笑)
尾島:ちゃんとあります(笑)。出向生活の最後2週間は、中目黒オフィスから汐留にある本社オフィスに戻ってきて、五郡由賀さんの部署にお世話になりました。女性プロデューサーのもとで動くのが初めてだったこともあり、仕事をかっこよくこなす五郡さんの姿はとても刺激になりました。
男性スタッフが多い案件から、女性だらけの案件に入るようになって、私が女子校育ちっていうのもあると思うんですけど、チームの雰囲気が自分にフィットして心地いいというか、懐かしく感じました。最後は撮影が連続で続いて大変でしたが、全部楽しかったな~という思い出になっています。
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ー 素敵な出会いがあったようで安心しました(笑)
橋本:僕は、鈴木剛さんというプロデューサーと一緒にいる時間が長かったのもあるんですけど、とにかく大好きです! たくさんの仕事を動かしているのに、いつも気丈に振る舞っていて、剛さんの周りにいる人はみんな楽しそうに作業していました。
力の入れ具合、抜き具合が絶妙というか。もちろんビシッと締めるところは締めているんですけど、いい意味で真面目になりすぎない雰囲気をチームに感じて、その空気感づくりは見習いたいです。プレイヤーとしても、マネージメントとしてもすごいなって思っています。
だからこそ、PMの人たちが頼りにしていて、いるだけで安心感があるってこういうことかって感じました。撮影や編集の現場に後から来てくれて、何か問題が起こっても安心、大丈夫と思わせてくれる存在です。予算やスケジュールで困っていたら解決に向けて一緒に動いてくれますし、クリエーティブとの関係性もすごく良くて、いろいろな仕事を頼まれているし。良いところを挙げたらキリがありません。本人には伝えたことはないですけど(笑)。
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それぞれがフォースに持ち帰ったもの
ー 最後に、今回の出向でフォースに戻っても役立つ経験はできましたか?
尾島:これはいっぱいあるよね!
橋本:うんうん。実務的な話で言うと、クロスに来るまでは「今回の撮影はどこのスタジオでやるんですか?」とBPに聞かれても、調整中でっていう話をしながらも、実際にどんな調整をしているのか説明することができませんでした。
でも今回の出向で、自分自身でスタジオの手配やスケジュール調整をしてみて、そんなにすぐ手配できるわけじゃないことを実感しました。いろいろなスタジオに調整をかけつつ、キャンセル待ちの連絡を待ってという状況が日常茶飯事なんです。
これまでは、「調整中なのでお待ちください」という言葉で逃げていたんですけど、自分でスタジオ手配を体験したことで、今後クライアントやBPに説明するときに裏側も含めて、自分の言葉で伝えられるようになったのは、僕の中では大きいですね。
尾島:私、出向前は安定志向が強くて、大きな案件をやりたいと思ったことがなかったんですね。小さな案件でいいから楽しくやりたくて、大きな案件はやりたくないって言っていたんです。
ただ、出向中に悔しい思いをしたからこそ、フォースに戻ったら自分の力を試したいって思えるようになって、周りの人に言えるようになったんです。これは、まず一つ成長できたポイントだなって思います。
実際、少し前の自分だったら「えっ、いや」と思うものも、クロスでの経験を経て、「やってみたい」という思いを持てるようになり、帰任後、希望どおり大きな案件をいくつか担当しています。半年前には、こんな風に自分が変化するなんて思っていませんでした(笑)。
あと、プロダクションの皆さんとの関係性を改めて考えさせられました。
ある案件で、資料を準備しておくべきかどうか分からないことがあって、念のために資料を作ったのですが、結局使わないことがありました。私たちCPに聞いていただければ、資料が必要かどうかすぐに確認しますし、不要であれば他の作業に時間を割いたり、皆さんのプライベート時間も確保できるので、些細なことでも確認の連絡をもらえるといいなと思いました。とはいえ、連絡しにくいとは思うので、気軽にやり取りできる関係性を意識的に作りたいですね。
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「グループ会社の若手から見た、クリエーティブ・プロダクションの現場」はいかがでしたでしょうか。クロスとフォース、それぞれの仕事内容や雰囲気を知っていただけたかと思います。
尾島さん、橋本さんともに、クロスへの出向で得た経験がフォースに戻っても役立っていることに安心しました。これからの活躍を期待しております!