マンゴーと抱擁/0801時任
私が初めてパートナーの実家にお邪魔した時、近くに住むパートナーのおばあちゃんが訪ねてきて、玄関で迎え入れたパートナーとハグをしているところを見た。10秒ほど続くハグを見て美しい光景だな。と見惚れて、日本人の多くがそうだと思うけど、自分自身、家族とそういう関わり方をしてこなかったので羨ましく思った。
さて、私が夏を感じることといえばマンゴーだ。沖縄の親戚から毎年夏になるとマンゴーが送られてくる。大学生になり、実家を出てから始まった嬉しい習慣。
今年はパートナーの母とおばあちゃんの分も送られてきた。その時は緊急事態宣言が解除されたあとだったので、直接渡しに行く事にした。
折角なので、パートナーと私とパートナーの母、おばあちゃんの4人で出かけて、昼食を取ることにした。
おいしいハンバーグを食べ、久しぶりに話をして楽しい時間を過ごした。そういう時間はやはりあっという間に過ぎて、私とパートナーは帰る時間になった。
レストランを出て帰ることを伝えると、おばあちゃんが、「そんな悲しいこと言わないで」と私にハグをした。
憧れていたあの光景を思い出し、また家族の一員として認められたような気がしてとても幸せな気持ちになった。
また来年の夏、マンゴーを届けに行くのが既に楽しみだ。
余談
この記事のタイトルは岸政彦さんの「マンゴーと手榴弾」という書籍を意識してつけました。「マンゴーと手榴弾」は、ある女性が沖縄戦で日本兵から自死を強要されて渡された手榴弾を握ったその手で、今の時代に取材に来た若者にマンゴーを手渡したことから付けられた書籍名です。
私の沖縄のおばあちゃんから渡されたマンゴーをきっかけに、パートナーのおばあちゃんとハグを交わせたことと何だか重なりました。
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お知らせ
私とパートナーの2人で活動しているアートチーム「海と梨」がrooms41の大規模展示に向けたクラウドファンディングを行っています。原画作品やLeon art jewelryのアクセサリーを特別価格にてご用意しております。またZINEや詩集、ポストカードなど豊富なリターンをお楽しみ頂けるようになっております。8月31日まで支援を募集しておりますので、宜しくお願いします。
またコロナウイルスの影響でrooms41の会期が9月から10月15日〜17日へ変更となりました。会場で制作する絵のポストカードや当日展示する予定の原画がリターンにありますが、お渡しが会期に合わせて後ろ倒しとなりますのでご了承下さい。
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