知識の記録方式(22) 座標
弊社の特徴点記述法は空間座標にデータを記録する方法である。写真や文書などの用紙サイズの中での座標値は例えば、用紙の左上の角をx,yの座標原点としている。これは、その用紙におけるローカル座標である。この紙が一旦、部屋の中のどこかに貼られた場合は、その部屋の座標空間内にの空間座標として紙の位置関係はワールド座標として決定されることになる。
私達の居る場所もGPSから緯度経度をもって特定できるように、ものについても例えばRFIDタグが付いていれば位置情報を取得できるようになってきた。ものの存在位置が地図の上で表示できるようになると、次に期待できることが増えてくる。
それは、ものともの、ものと人との複数の組み合わせが、ある座標にある時刻に存在したことから、何が起こっているのか、起ころうとしているのかの予測ができるようになる。ものや人のそれぞれは、計画をもって移動するのであるならば、その状態が計画通りであるのか、遅れや進み具合の状態判別も行うことができるようになる。もの存在が得られると、次に、そのもの自身から情報を得たくなる。ものを見ると、それに関する情報がどこにいても取得できるようになる。
ものづくりにおいて、在庫管理は大事な業務である。ものは、人の手がなければ絶対に移動することはない。しかし、材料や仕掛品は、どんなに置場を定めても、置き場に標準在庫以上に置かれてしまうことがある。在庫数は見れば分かるのであるが、知りたいことは何故、この置き場にこれだけの在庫が置かれているかの理由である。置かれている理由には、今日中に次の加工に運搬される予定、材料欠品で仕掛品のまま、1日以上放置されているもの、加工不良で手直しを必要とするもの、などである。この理由毎の数の推移がわかれば、今、生産工程はどのようになっているかをネットワークを介して知ることができる。ものは、自ら、理由を語らないので、現場がこれらの情報をRFIDへ記録をすることで、加工の流れの中の状態が、人に聞くことなく把握できるようにできる。これは、ものの位置情報がものの固有番号単位に把握でき、そのものの計画情報と比較することで、更に、今後の計画を再編成することができる。
生産管理は、ものと人の位置座標と時刻を用いることで、計画と実績と予定を掴めることができる。
空間座標にある文書や仮想モデル(3次元モデル)も、ものとして扱うことで、目で見ている空間内にある文書やものや人から、名前だけではなく、欲しい情報が取得できるようになる。ものと同じく、座標と作成時刻によって文書内の情報は、より細かく、経過的な背景思考を取得できるようになる。
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