知識の記録方式(21) データの粒度
情報システムを開発していると、そのシステムで利用されるデータの項目名称は重要となる。データの項目名称について、データのタイプや桁数などを定義することになる。そしてデータの項目名称同士の関係性を決めることが必要になる。多くの情報システムは、ある特定の分野を対象とする機能として開発され利用されている。その結果、企業内には、多くのシステムが構築され、今日まで、システム間のデータ連携をいかにして実現するかに大変な苦労をしている。
さて、このようなシステム連携は基本的に可能なのであろうか?実際には、連携と言っても、どうしても自動処理ができずに、人の判断で処理を加えてから、別なシステムにデータをインポートするようなことが行われているのではないだろうか。例えば、間にEXCELのマクロなどが介在したりしていないだろうか?。そして、このマクロ担当者が異動して困った事はないだろうか?
決まりきった仕事の処理をシステム化したものから、徐々に、新しい着眼点を得るために人の判断が行われる事を前提としたシステムの構築に進展してきたからである。当初の機能では不十分で、機能を追加して改造を行ったシステムもある。
本来、私達の仕事は非定型である。定型であるというものであっても、多くにバリエーションを保有した集合体になっているはずだ。非定型の仕事を自動化するとした場合には、どんな事を考えなければならないだろうか?いきなりAIでとはならない。
データの粒度は管理を強められるならば詳細化するだろう。専門と一般では、分野の多さも異なるだろう。多くの分野を扱う企業では分野の階層も独自の体系になる。より緻密な改善を継続する企業のデータ項目は、他社とは異なるだろう。このような異なることが当然な場合に情報システムは一般化した仕様にての開発が困難で、市場にて販売される事は少ない。結局は、企業独自の開発にならざるを得なかった。
帳票、フォーマット、形式ということを考えないことが必要だ。人の思考に元々は存在しないことであり、創造性の邪魔になるように思えてならない。紙に自由記述しながら、仕事ができるようにならないものかと考えたのである。
・QPPモデル
・課題ー知識ー判断の関係
・SQCD
・特徴点記述法
を用いて思考や議論のプロセスをデジタル化できると考えて研究を行なっている。
異なる事業を行う企業間でのクリエイティブな連携をするにしても、既存のデータは当然連携ができない。自由な活動をIT技術で行うならば、何らかのルールは必要であるが、そのルールは、今までにはないものである。ものづくりの隆盛は今後ますます極端な状況になるだろう。その転換に向けて、人の仕事の記録をいかに実現するかを考えてたい。
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