『60年代ポップ少年』を読んで
Hello, culture!
9月のヤミ市場の露店で、古本として売られているのが目について即購入。
古本とは言え、2016年10月に発行された、わりと新しい本でした。
カバーのイラストがとてもいい。
ポップな絵柄の美少女の頭には「反戦高協」と書かれたヘルメット。
これはいわゆる学生運動的なやつなんだろう。
そしてタイトルは『60年代ポップ少年』ときた。
バイオレンスな香り漂う「学生運動」のイメージとは真逆を行くポップなイラストとタイトル。
帯には「そして、僕はヘルメットをかぶった美少女に恋をした」とある。
さらには、「ジャズもマンガも、全共闘もSFも 俺たちには 全部ポップ文化だった。」と。
これはもう読むしかないだろうと思った。
思えば60年代は何かと縁遠く、当時のカルチャーの知識は全くと言っていいほどなかった。
この本は、著者である亀和田武さんの回顧録になっていて、60年代の10年間(著者の12〜22歳の時期)のカルチャーについて、著者自身の体験談を元に、たっぷりと綴られている。
12歳にしてアメリカン・ポップスに始まり、マンガやジャズ、SFなどのサブカルチャーと出会い、深く傾倒していく過程、そしてその後、学生運動にのめり込み、冷めていくところまで。
特にいいのが、60年代を代表するトピックであるビートルズや、東京オリンピックにはガッツリ背を向けているところ。
こじらせ野郎の高瀬としては、そのマイナー志向には共感せずにはいられないわけでして。
また、学生運動に加わっていたものの、政治的な思想や信念を持っていたわけではなく、カルチャーとして関わっていたにすぎない感もいい。
ポップでサブストリーム的なカルチャーを好む感性に、深く共感してしまう。
60年代のサブカルチャーや、学生運動というカウンターカルチャーの一面を、当時の空気感とともに識れる良書でした。
<!-- サムネが表示されないよどうなってんだTwitterさん(Facebookでは表示される)。いけてない...! -->
えんいー
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