皐月⑤物語の創り方をちょっとだけ公開
中学二年生の頃から、物語を書いていました。
頭の中に、いろんな世界が広がっています。
映画のワンシーンのような美しい情景が脳裏をかすめます。
表現したいなぁ、と思います。
僕は絵は書けないので、表現するとしたら、文章。
言葉の無限の可能性を信じて、僕は物語を紡いでいます。
とか言っちゃって。
最初は誰もがよちよち歩き。
前進しているのか後退しているのかわからないまま、目の前にあることをひたすら取り組んでいく。
物語を創るのも、最初は思いついた順番に書いてました。
そんな物語の書き方を、当時学生の頃やっていたことから、今も引き継がれていることまで記します。
完全な独学。
ちゃんとプロから教わった方がいいです。
身も蓋もない……。
当時の僕の創作方法を楽しんで見てもらえればと思います。
まず決めること
タイトル、ではありません。
タイトルを決めるのめっちゃ苦手なんです。
ちなみに僕が一番大好きな作家さんからは、タイトルは気合いで決めているよ、とアドバイスなのかどうかわからない言葉をいただいたことがあります。
気合い……再現性はないですね。
さて気を取り直して。
僕が最初に決めているのは当時も今も変わらず"書きたいシーン"です。
ふと、頭に思い浮かびます。
アニメや映画のようなワンシーン。
かっこいいな、映えるだろうな、そんな一場面が急に思い浮かぶ。
そんなところから、だいたい創作はスタートします。
え?再現性?気合いで何とかしてください。
まあ、物語書いたことある人ならわかるかもしれません。
ふとシーンが思い浮かんで、そこから広げてジャンルやテーマを決めていくか、
ジャンルやテーマが先にあって、どんなシーンを繰り広げたいかを構成立てていくか、
他にもあるでしょうけど、僕はそんな感じ。
書きたいシーンがいくつも思い浮かんで、それならこうしようああしようとまたシーンが増えていって、最後にその間をつなぐストーリーを創ればいいや、という半分こじつけみたいな方法。
拙著『小夏のブルペン』では、こんな野球シーンで終わればカッコいいな、こんなシーンあったらちょっとはキュンとするかな、そんなある意味僕の願望シーンから始まりました。
大枠の流れが決まったら、今度はシーンを並べ替えたりして区切りをつけます。
「章」と言われる部分を創るのです。
効果的な物語の区切り
章のタイトルは、なんかイケてる感じがいい。
内容も包括したい。意味深な感じにしたい。
こだわりポイントなんです。
『小夏のブルペン』では、こんな感じ。
一 世界で一番
二 決意は花火のように
三 終わった夏に告げる
全部、その章を読み終えた後に意味がわかるような言葉を選びました。
なので、章のタイトルはその章が終わってから最終的にチェックします。
ただ、大枠はできているので先に章のタイトルは仮にでも付けられるのです。
いかに綺麗に区切りを迎えられるか。
次への勢いにつながっていくか。
章のラストという一つのシーンに向けて、紆余曲折ありながら突き進んでいるのです。
④で書いた60,000PV達した小説は高校一年生〜三年生のときに創った物語ですが、先にこんなタイトルをつけました。(途中から)
六 ため息の数だけ
七 戦慄のカウントダウン
八 善と悪の決定権
九 死者からの着信
十 夜明けの雷撃
十一 求めるものは足元に
十二 終止符は思いを乗せて
十三 真実を胸の奥へ
終 永久に続く空の色
いい感じのタイトルになったぜ、と当時この並びを気に入っていました。
各章で締めのシーンがあって、それがタイトルとリンクしていて、だからこのタイトルか、ってなってくれたらちょっと嬉しい。
あとはそのシーンに向けて辻褄合わせながらストーリーを展開させるだけです。
これで、登場人物が勝手に動き出しても大丈夫。(ほんとにあります。)
脱線してもどうにかして大筋に戻ってこられる。(だいたい脱線します。)
これは今でも同じようなやり方で創っています。
最後まで書ききれないな〜、途中で頓挫するな〜、という人はぜひ。
ブログを書くときにも、まず構成案からと言いますよね。
同じ感じかもしれません。
キャラクターについて
物語の創り方ではないですが最後に参考程度に。
これは、大好きな作家さんから学んだことです。
「思考プロセスを創る」
キャラクターづくりはこれです。
口癖とか髪型とかそういう表面的なものに加え、内面は性格と、この思考プロセスにあるなと、なるほどなと、初めて聞いた大学四年生の頃感じました。
こういう出来事が起きたらどう考えるか、こう言われたらどう考えるか。
その脳内では、そのときどんな思考が渦巻いているのか。
頭の中の”動き”を創るのです。
こうすると、キャラ作りも面白いかもしれません。
神になったつもりで、たくさん創ってみるといいかなと思います。
物語を創るということ
あなたはその世界の神なのです。
ルールもないし、自由に羽ばたけばいいのです。
神といえど、たくさん書くことは大事。書き切ることもめっちゃ大事。
神も楽ではないのです。
そんな感じ。今もやっている創作方法の一つでした。
また他の方法的なのも公開しようかな。我流ですが。
そんなクリエイティブっぽさを出している中高生でした。
次は、物語を書き始めて6年、僕の人生において最も大きな転機となった大学二年生の頃の読書体験を。
最も大好きで、最も影響を受けている作家さん。
中村航さんの作品との出逢いです。