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電脳堺における”灼銀の機竜”の役割・採用について ─トレミスと灼銀に違いはあるのか─
今回は電脳堺におけるカードの採用の話です。
最初から最後まで電脳堺における話しかしません。電脳堺を使っている・使おうと考えている人は是非見ていってください。
電脳堺を知らない人にとっては何言ってんだこいつ?ぐらいの怪文章にNARUTO思うので時間のある方以外は絶対に見ないでください。
・・・・・・・この続きを見るには・・・・・・・・・
という冗談はさておき
「灼銀の機竜」
前期までは100%に近い割合で採用されていたこのカードですが、VFDが禁止になってからほとんど採用されているのを見かけません。
その理由として考えられるのが
このカードを素材に出すVFDが消えたため用途が後手にしかない
と考える人が多いと思われるからです。
このカードを採用することでしか事故を回避できないパターンが無数に存在するため
採用しないのはあり得ない
と思っています。電脳がもっと安定して展開できるデッキだったら採用しなくてもいいのですが。。。
効果がフィールドのカードを破壊する効果なので一見後手で相手の盤面にさわって妨害を踏むカードだと思われがちですが、電脳におけるこいつの役割はチューナーのサーチです。
サーチする効果なんてどこにもかいていないのでこいつは何を言ってるんだ?と思われた方もいるでしょう。
まず前提の知識として、電脳にはカードをサーチする効果を持つカードがルウルウと青龍の2種類しかありません。
しかもルウルウはモンスター以外のカードを対象にしないとモンスターをサーチできずモンスターと魔法の比率が15:5のこのデッキにおいてはほぼモンスターをサーチすることはできません。
となると基本的に展開は手札の電脳+1種類のみで行わなければならないということになります。つまり2枚展開では1枚は対象とするために召喚しなければならないため1+1で2種類の電脳の効果しか使うことができないと言うことです。
電脳は4種類の共通効果をもったモンスターが存在するのでその半分しか使わない展開というのは本来の半分のスペックしか使いこなせていないこととなります。
前置きが長くなりましたがそういった2枚展開で電脳を2種類しか使えない時にこのカードは役に立ちます。
例としてルウルウ+ジイジイという手札で考えてみましょう。
択は2つ。まずは灼銀無しで考えます。
1.ルウルウを召喚してジイジイ効果発動。
2.ジイジイを召喚してルウルウ効果発動。
先ほどの話を踏まえるとカードをサーチできる効果を持つルウルウの効果を発動がマストとなります。
ジイジイを対象に効果を使うと青龍を落としつつ朱雀を持ってこれるため後続確保と妨害のサーチを行え強力です。さらには青龍でサーチした電脳の効果を使うことでさらに展開を伸ばすことができます。ここからサーチする電脳は3択なのでそれぞれ考えてみます。
ジイジイサーチ→ベアト+朱雀セット+1ドロー+ルウルウ回収
リイリイサーチ→ベアト+朱雀セット+1ドロー+墓地玄武青龍
ラオラオサーチ→ベアト+朱雀セット+墓地仙々
展開は割愛しますが最終的にはこうなります。ベアトがでているので自ターンに水遣い、相手ターンにシラユキを落とすコトで2妨害増えます。
ちなみにルウルウを召喚した場合ですが
ジイジイの効果を使った後青龍でルウルウをサーチしないと朱雀をサーチできなく、展開がとても貧弱になるのでルウルウをサーチするのがマストです。この場合ルウルウ効果で青龍を落とす必要がないため朱雀か玄武を落として九竜をサーチすることでデッキから直接朱雀を場に置くことができます。つまり
ルウルウサーチ→ベアト+朱雀(表)+1ドロー+ルウルウ回収
となります。
1ドローでもしラオラオを引いた場合娘々を落としジイジイを蘇生とすることでモンスターが3体増えます。これは朱雀をルウルウで直接サーチする展開にはないメリット(バジリスクタイム)です。
このボーナスで具体的に何が起きるかというと、
ベアト+グリフォン+朱雀+1ドロー+シラユキ (3妨害)
の展開が
ベアト+バロネス+ショウエイ+朱雀+2ドロー+シラユキ(4妨害)
の展開になります。電脳を1種類引くだけでこんなにもリターンは大きいのです。
この4択を比べた際に全て1ドローはできるため上から新しい電脳を引く可能性があり展開の伸びしろがあります。
この際朱雀を盤面に置いた場合のみラオラオのボーナスが入るためルウルウを召喚からジイジイの効果を使うのがもっとも伸びる可能性がある展開といえます。
ここまで説明したところで灼銀があるパターンの説明をしていきます。
ジイジイを召喚した場合は特に展開は変わりません。
ルウルウを召喚した場合はジイジイ効果から青龍効果、先程はここでルウルウをサーチしました。今回はリイリイをサーチし効果を発動します。青龍の2枚目と玄武を落とし、ルウルウとリイリイの2体で灼銀をシンクロ。効果によりルウルウを除外し自身を破壊、墓地効果によりルウルウを回収。効果で朱雀を落とし九竜をサーチから効果により朱雀を発動。
こうして召喚したため本来は効果の使えなかったルウルウをサーチすることができました。さらに先ほどの展開と比べた際にデッキを薄くした上でドローすることができるためラオラオを引く確率が上がっています。
このパターンのように召喚したルウルウを回収する他、場の魔法罠を対象として電脳を発動しラオラオを落として灼銀を出すことで疑似サーチといった役割もあります。この疑似サーチは今期サイド後によくとんでくるドロールを発動された際に使うことが多いです。
以上が灼銀を採用することで発生するメリットです。
サーチができるのはわかったけれど、破壊した灼銀を浮鵺城により蘇生していた前期と違い墓地へ行った灼銀を利用することがない今期に9シンクロを破壊してまでラオラオをサーチする意味はあるのだろうか?疑似サーチなんてしなくても初めから青龍のサーチをラオラオにすればいいんじゃないの?トレミスでも回収はできるし盤面に残るそっちの方がよくない?
と思う方がいるかもしれないのでその辺について解説を加えておきます。
・9シンクロを破壊してラオラオをサーチする意味はあるの?
9シンクロをラオラオに変換する意味は大きくあります。
ラオラオは先ほど述べたような娘々を落とした3体蘇生や、リイリイ蘇生を行うことができるため1体でのレベル換算は基本的に12です。
このデッキにおけるレベル換算の9と12では天地の差があり、12に到達すると6エクが成立します。元が9で換算している場合ラオラオの代わりに朱雀を落とすことで12に到達することができます。しかしそれはラオラオにもいえることで朱雀を落としながらリイリイを蘇生した場合ラオラオ1体のレベル換算は15にまで至ります。
といった風に基本的には灼銀に行く方が場のレベルが大きくなるため9シンクロである灼銀を破壊してラオラオをサーチする意味はあります。
・青龍のサーチをラオラオにすればいいんじゃないの?
これは簡単で、電脳は展開に絡む種類が増えれば増えるほど墓地のリソースが増えるテーマなので、絡められる手段があるのであれば絡め得です。
・トレミスでも回収はできるし盤面に残るそっちの方がよくない?
次にトレミスで回収することについてです。
これは完全に時と場合によります。
トレミスで回収した方がいいこともあれば灼銀で回収した方がいいこともあります。
わかりやすい例を挙げると場にルウルウジイジイリイリイがいて朱雀が表であるとします。このときの場のレベルは12です。
まずはトレミスをつかった場合から
ルウルウジイジイで6シンクロからリイリイとトレミスをエクシーズ、ラオラオを回収して効果を使い、この場合のレベルの最大値はリイリイを蘇生or娘々を落としてジイジイを蘇生。の二つで、これにより場のレベルは12に戻りました。なのでレベル換算の概念的にはレベルを維持したまま場にトレミスが増えたこととなります。盤面的にはベアトトレミスになります
次は灼銀を使った場合
ルウルウリイリイで灼銀。効果でラオラオ回収。ラオラオ効果で朱雀を落としてリイリイ蘇生。これにより場のレベルは18まで伸びます。玄武を落とした場合21まで伸びます。この6、9という数値は非常に大きくトレミスよりもレベルを優先する場面というのは非常に多く存在します。
この二つは場面に応じて使い分けるのですが、なんとトレミスを出す方が安定という場面が存在します。それは先ほど述べた展開に娘々がついているときです。先行でこのパターンになった際はトレミスを出します。
というのも先ほど娘々無しでトレミスを出した場合は場に電脳モンスターがいなくなってしまったためラオラオの対象を朱雀にせざるを得なくどうやっても場のレベルの最大値は12にしかなりませんでした。しかし娘々がいる場合はモンスターを対象に効果を使えるためそのレベルを18or21に換算することができます。これは灼銀を使った場合と同値となります。その上でトレミスが場に増えているので娘々がいる場合は基本的にトレミスを出します。
話をまとめると
・必ずしも灼銀の効果でサーチを行うわけではない
・トレミスの回収の方がいい場面はある
・場のレベルという概念を考えて展開する
・娘々がいる場合はトレミスを出す
以上が灼銀とトレミスとの比較になります。ちなみにこれは完全に先行における思考のため後攻はまた違った思考を用います。
後攻の場合、灼銀でセットカードを破壊した後に自分の朱雀により灼銀を破壊してラオラオを回収といったような動きや、灼銀で相手の盤面を破壊しつつブレイクソードで灼銀と相手の盤面を破壊し回収効果の発動、など灼銀にしかできずトレミスにはできないアドバンテージの獲得方法もあります。
電脳堺の難しさの片鱗が垣間見えました。
最後に冒頭の画像に着地します。
同じ回収という役割でも違いはあるよ。