超光戦士シャンゼリオン 最終話「時を越えて…」についての考察
一見、夢オチ+人類完全敗北ように見える衝撃の最終回。
しかし、もしこれまでの38話のエピソードが人類の敗北が濃厚な戦局の中で現実逃避している暁の夢だとすると、作劇として非常にお粗末なものではないか。
今までの世界、もうひとつの世界。どちらの世界が現実なのか?その答えは放送から30年近く経った今でも定かではない。
なので公式書籍でのメインライターの井上敏樹が唯一残した「夢は美しいから夢なんだよ」という抽象的な発言が大きな手がかりになる。
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美しいのはどちらか
これは個人の感覚の問題であるが、真理でもある。シャンゼリオンって作品はただかっこいいだけのヒーロー番組とは違い、暁のようなノーテンキラキラなド畜生がいざと言う時に見せる正義感やドライさの「ギャップ萌え」にあると思う。
これって「美しい」か?むしろこの歪さが心地よいと君たちは感じたはず。というかどう考えても「もうひとつの世界」の方が美しい。
本当に苦しい世界はどちらなのか
観る人の主観に委ねられる美しさとは違い、こちらはドラマ内の「描写」である。簡単に比較してみよう。
「もうひとつの世界」の特徴
サイドックが地球防衛軍のような公的組織
暁がサイドック隊員
速水が意識を保ったままブレイダーに変身可能
エリはダークザイド「最後の幹部」エリーザ。つまりエリーザとザンダーを倒せば恐らく戦いは終わる
更に補足すると速水の「道連れ」発言に対しザンダーの「そっくりそのままお返しする」という発言からダークザイドの幹部もザンダー、エリーザ、ザファイアしか残っておらずザファイアは作中で撃破される。
ここまでの好条件を満たしながらも人類の敗色が濃厚
決着が描かれていない
「いつもの世界」の特徴
サイドックは常に資金難に苦しんでいる
暁が私立探偵
パワーストーンが犬に食べれられてしまった
闇の種を速水が全て食べてしまった
ブレイダーの力を速水は使いこなせていない
ダークザイドが社会進出しつつある
ダークザイドが一時的に独裁国家を築いた実績がある
決着は描かれていない
あれ?「いつもの世界」の方が絶望的じゃね?
夢は美しいから夢(=しんどい方が現実)と考え方から導かれる結論は「いつもの世界」こそ現実世界という事である。
最後に
「慌てるなって、どうせ俺が勝つに決まってるからな!」
「誰に向かって物を言っている!俺は選ばれた戦士、超光戦士シャンゼリオンだぞ!」
正義は、必ず勝つ。
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