ボルテスV:レガシーを観てきたよ
特に言うことはない。
「宇宙からの侵略者」「苦闘への前進」というボルテスVのプロローグを100分に引き伸ばしただけ。 息付く暇もないほどに緊迫したあの初回2話の良さがまるでない。
早い話が劣化版である。
終わり
…というわけにはいかないのでもう少しだけ。
ボルテスVがダサい
今作のボルテスVはかなりアレンジの入ったデザインになっている。パネルだらけスジだらけになるのはもう平成以降のロボット全体の悪い病気なのでしょうがないとしても、手足の形状がまるっきり違うのは如何なものかと思う。
いや〜酷い。レガシー版は本当に酷い。肩と二の腕と太腿が特に酷い。ビシッと直線的な箱型で美しいボルテスVの手足が筋肉のように丸みを帯びた形状に変更され良さを失っている。ボルトマシン形態のシーンが長尺なのだが筋肉質にしたせいでボルトマシンが全く「乗り物」に見えない。
ここまでデザインを変えたとなると相応の理由があると思うのだが、これについては監督が語っていた。
はぁぁ〜〜〜〜〜〜ッ!?!!??
同じ程度のアレンジのドクガガとバイザンガは「変えた」判定で、ボルテスVは「変えてない」判定なのか?
フィリピン人のボルテス愛って、この程度の安いもんなの?
ぶっちゃけ実写化って時点で…
百歩譲って「ボルテスV」へのリスペクトがあったとしよう。でも再アニメ化ではなく実写化なんて手段を選んだ時点でロボットアニメの歴史、もっと言うとジャパニメーションへのリスペクトは皆無であるとすら思える。さっき引用した動画で監督が「獣士のデザインは実写では通用しないから大きなアレンジを加えた」と言っていたが、だったら最初からアニメで作ればいいだけの話である。
アニメという媒体を見下し逆張りで実写化したせいで不必要な工夫までする事になって、正直バカなんじゃないかって思いました。ボルテスV以外のアニメもたくさん観ましょう。
既視感
この映画を見た人、既視感はないだろうか?
そう!
これだ。TVシリーズの既存の傑作エピソード「ククルス・ドアンの島」を映画の尺にまで引き伸ばしたリブートである。主役ロボットが酷いアレンジがなされたという点まで同じ。
もっとも映画ドアンは安彦の独自解釈が入りまくりなのでほぼそのまま再現した今作よりずっとタチが悪いのだが。
まとめ
大筋の流れは原作の1話2話と全く同じなため意外性やサプライズなどは皆無。アクションもモッサリとしていて原典の殺陣の力強さや間などが全くない。これなら普通に1話と2話を大スクリーンで上映した方が絶対にいい。
しかしデザイン面以外に特に改悪された点はほとんどないので原作ファンでも安心して観られる事は間違いない。
そういえば日本でも「ゲッターロボ」の実写映画の企画が進んでいるそうだが… 色々難航しているようだ。