理解してほしい人

記者時代、いろんな取材をしました。館内の事件事故、議会、行政、街だね、災害、ほんとうに色々です。
行政取材が好きだったので、首長とはよく話をしました。コーヒーが冷めるまで、地域の課題についてああでもないこうでもないと言い合ったり、手ぶらで日本や世界の時局的なことを語ったり。

たった1年でしたが終盤にはすっかり仲良く?なっていました。「これは書いておきたいな」と思っていた特定の課題の解決の目処がたったころ、退職のことを伝えました。すると「もったいない」「どうにか続けられないの」とありがたい言葉。といえ、長らく考えてきたことなのでそうするつもりはなく、夫が転勤族なので仕事も当面はできそうにないという旨を伝えると、頼んでもいないのに専業主婦を褒め始めました。
主婦は子どもの教育もしなきゃいけない、家事もしなければならない。はたまた家計管理も。何役もこなしていて大変だよね、すごいよね。これを聞いた人は「専業主婦に何役も押し付けたいのか」って思うんでしょうか。

首長がいいたいのは、これだけ多くの仕事があるんだから仕事をしてなくても褒められるべきだよね、ということだったようです。いつも優しく穏やかな首長(詳しくは町長)らしい言葉をかけられたのだなと思うのですが、捻くれ者の私は違和感を感じていました。

「別に、世間に承認されたいと思っている訳じゃないんです。私は、私の選んだ人が、それを理解してくれればそれでいいです」と答えていました。ぺーぺーのくせに生意気言ったかなと考えましたが、そうじゃないですか。最近、ツイッターで旦那の悪口とかしてほしいこととかを言ってる人いますが、パートナーに直接言えばいいのにと不思議に思います。だから、今言われても同じこと言っただろうなと思います。

ちなみに、当の夫は理解してくれる人であるなと思うときもあり、そうでないときもあります。めちゃくちゃやらかすこともあって離婚も何度かよぎりました。それでも、仕事を辞めてついていくことに不安になるたびに、辛抱強く安心する言葉をかけてくれた夫がいなければいまに至ることもなかったなと思います。

いまは仕事はせず、家事と育児だけですが、この毎日が生産性が低いと感じるとか自分の価値を見失うことはないです。専業主婦は虚しいと思われ、心配されたようで悲しい。

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