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ANZEN漫才あらぽんの「コショコショ話」 2023年3月号 / どこにも話してないココだけの話<芸人>シリーズ
@daikanyamabooks ANZEN漫才あらぽんさんにインタビュー! The INTERVIEW 改め、コショコショ話〈芸人〉シリーズーーどこにも話してないココだけの話 近日公開! #ANZEN漫才 #あらぽん #みやぞん #コショコショ #浅井企画
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「コショコショ話」とは――
「どこにも話してないココだけの話」をコンセプトにしたインタビューシリーズ。
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――あらぽんさん、はじめまして。本日はお時間いただきましてありがとうございます。
こちらこそです!
――この企画は「どこにも話してないココだけの話、コショコショ話」なので、他ではまだ話してない「初出し」の話をメインにお願いできるとうれしいです。
めっちゃプレッシャーですね。了解しました!
2歳の娘「べびぽん」。女の子のパパあるある
――あらぽんさんのブログを拝見すると、「べびぽん」こと2歳の娘さんが体調を崩したり、ご家族でコロナになったりと、大変だったみたいですね。
そうなんですよ。めっちゃきつかったですね。べびぽんが去年末に風邪を引いたんですよ。39度ぐらいの熱が出たんですけどコロナの検査をしても陰性で。それで年明けてやっと治ったと思ったら、今度は胃腸炎になって上からどんどん出てしまって。
僕が抱っこするたびに出るんですよ。もうマーライオン状態で。何か背中にスイッチあるのかなぐらいに。それでまた病院に行ったんですけど、胃腸炎って特効薬がないんですよね、これだけ医療が発達してるのに。で、胃腸炎はうつるから奥さんと警戒しようと言っていたら、次の日に奥さんが急に高熱を出したんです。
検査をしたらコロナ陽性。娘にうつすわけにはいかないから奥さんは2階で隔離させて、僕は胃腸炎のべびぽんをワンオペ状態で見ることになって。家の中で胃腸炎とコロナのダブルのウイルスから板挟みですよ。
――その状態は本当に厳しいですね。僕も5歳の息子がいるからわかります。
本当にきつくて。娘の面倒を見ていたら、今度は僕が胃腸炎になってしまってトイレから出られなくなってしまったんです。それでも陽性の奥さんがべびぽんの面倒を見るわけにはいかないから、なんとか耐えて……。
本当に地獄でしたね。
ワンオペ2日目の夜中に僕は弱音を吐いてしまって。べびぽんは「なぜ大好きなママと一緒に暮らせないのか」を理解できないからギャーギャー泣き叫んで発狂したんです。これは本当にやばいと思ってYouTubeを見せて何とか少し落ち着いたときに娘の目を見てちゃんと話すことにしました。
「べびぽん、ママはコロナで大変だから、パパとしばらく2人で生活するんだよ。もうちょっとだからがんばって、お願い」
と伝えたら、「うん」って小さく頷いて。
そこからもう本当におとなしくなったんですよ。
――べびぽん偉いですね。泣けます……。
本当に凄いなと思って。あれができなかったらもう無理だったかもしれないぐらいに追い詰められてましたね。今は家族みんなが快復して元気になってありがたいです。
いろいろと大変なこともありますけど、子どもって面白いですよね。べびぽんは保育園に通っていて、園で人気のある男の子の名前なのか、その子の名前を家でずっと言ってるんですよ。それが凄い複雑で……。
――女の子のパパあるあるですね(笑)。
そうなんですよ。
あと、面白いのが教えてない言葉を勝手にどんどん覚えて言うようになるとこ。僕らが家で夫婦喧嘩をしているときもべびぽんはもちろん見ていて、そのときに僕が「おまえ」とか言ったりすると、すぐに真似しちゃって。ああいうの見るとドキッとしますよね。
いろいろな言葉を取り入れたい時期なんだなって。だからなるべくポジティブな言葉を使うように意識しています。僕自身が幼少期はイタズラ坊主みたいなやつだったので、これはミスったら繰り返しになるなって。
ただ……、そうはわかってるんですけど、やっぱり好きな男の子の名前を連発されるのは複雑で、僕がべびぽんについ「えー、また〇〇くんの話?」って言ってしまったんです。そうしたら家でそれも真似するようになってしまって、保育園で言ったらまずいなと焦って。
とにかくそういう言葉をべびぽんの前で言わないように気を付けていますね。まぁ育児はいろいろあってすげえ大変ですけど、今のところは結構楽しいです。
「よめぽん」に関するWikipediaの誤情報
――奥さまも働かれていて共働きでしたよね。ANZEN漫才のスタイリストさんをされているという情報をWikipediaで見ました。
あ、それは違うんです。奥さんは一般の会社で働く会社員なので、スタイリストではないんです。
この話は「じゃないほう芸人」の宿命そのものと直結しているんですけど、基本、僕はテレビやイベントなどの衣装は全部“自前”なんですよ。奥さんはもともと洋服屋さんだったので、僕の衣装を全部考えてくれていて。
PON!の隔週レギュラーとか、めちゃくちゃテレビに出ていたときは、スーツみたいなセットアップをつくることにして、その生地も一緒に選びに行ってもらったりしていました。
だからANZEN漫才のというよりも僕の個人的なスタイリスト的なことをしてくれています。
――奥さまは一般企業の会社員なんですね。めちゃくちゃ忙しいんじゃないですか?
はい、バリバリ仕事をして、育児して、最近は「よめぽん」で育児ブログもやっていて、僕のブログより全然流行っている状態で。
ずっとランキング上位にいて、収益化もされているんです。それもがんばってくれてて、本当にこうどっかで何か恩返ししなきゃいけないですね。
今は声をかけられるのも奥さんのほうが多くて、家でも「じゃないほう」になるっていう……。
奥さんは朝8時ぐらいに家を出て、フルタイムで働いて、保育園のお迎えが18時なのでギリギリでお迎えに行って。めちゃくちゃ働いてるんですよ。その状態で子育てもしてるから、めっちゃ大変ですね。
だから僕はなるべくご飯とかつくるようにしています。夜ごはんは確実に僕で、朝、昼もだいたい。土日はもう全部つくって。もともと料理が好きだったんで。
――家事の分担はあるんですか?
分担はなかなかうまくいかなくて、僕はやれると思ったらやってますね。「これをやって」とか言うと喧嘩になるじゃないですか。だからもう洗濯物がたまってるなと思ったらやろうとか、目についたほうがどんどんやっていくという感じにしています。
前は変なこだわりがあって、料理をつくっていない人がお皿洗うみたいなルールにしていたんですが、今は「皿洗いまでが料理」と考えるようにして、そこまでやっちゃうようにしています。食べた後に皿がたまってるのってなんか嫌じゃないですか。
やっぱり奥さんの機嫌が良くあってほしいじゃないですか。全てが乱れる大元はたぶんそこだと思うので、そこを重視して、うまくいけばいいなという感じでやってますね。
――そうするとケンカはあまりないですか?
ありますよ、たまにですけどね。
たとえば、家族で出かけるって決まっていたのに、だんどり悪くて僕が洗濯機を回してしまっていてあと5分残っているというときに、奥さんから「もう出かける時間だよ。なんで出かけるってわかってるのに回すの。これからまた干さないといけないでしょ」と言われたり。
ただ、もう僕を相手にしてない感じですね。
洗濯のときも一言言われたら、その後は2人でサッと干して出かけて。もう奥さんに育ててもらっている感じです。
ANZEN漫才のギャラ分配と、あらぽんの苦悩
――あらぽんさんは現在のお仕事はどういう状況なんでしょうか?
今はめちゃくちゃ不安定なんで、正直めっちゃきついですね。普通に1か月ない時もあります。
その間は個人のTikTokを撮ってアップしたり、ANZEN漫才のネタづくりをしています。
――ANZEN漫才のネタづくりはあらぽんさんが担当されてるんですよね?
基本はそうですね。
大きな外枠とかを作って、中の大喜利とかを2人で考えるんですけど、こうなったら面白いよねというところは僕が考えておきます。
――今は定期的にANZEN漫才の2人で舞台に立つことは?
今はもうないですね。営業がコロナでほとんどなくなっちゃったんで。
だから2人でネタも最近は一切やってなくて。ただ、みやぞんがずっとテレビの子ども番組に出てくれていたおかげで、僕も呼ばれて、子ども用のネタをつくるみたいな機会が増えてきたんです。それが子育て中の僕とリンクしているので、そういうのはどんどんやっていきたいですね。
あと、TikTokも育児ネタをやっていて、それを2人でできるようにもつくっていたり。
ただ、やっぱりネタに関しては営業がないと厳しいですね。僕らはもうお笑い芸人さんっていう立ち位置じゃないというか、がっつりネタをする芸人というイメージはもう世間の人にはないと思うんですよ。歌ネタとかのイメージはあると思いますけど。
なんていうかコミックソングライターみたいな雰囲気になってる感じがして。もちろんお笑い芸人的なネタをつくってくださいと言われたらつくるんですけどね。
――ちょっと込み入った話でNGでしたらもちろん大丈夫なんですけど、コンビによってはギャラが折半だったり、個別だったりするじゃないですか。お二人はどうされてるんですか?
うちは完全に個人別ですね。
最初は折半だったんですけど、途中からなんかもうそれはよくないよねという話になって。それで事務所とも話して、別々でいきましょうと。
――そうなんですね。今はもうだいぶコロナが落ち着いてきているので、2人での営業も戻ってくるかもしれませんね。
そうですね。増えていくといいんですけど、今はイベント自体がなくなっちゃっている感じがあって。
コロナって「あれ、これって必要なんだっけ?」って見直すきっかけになっている気がして。それでやっぱり営業はいらないと減ってしまっている部分があると思うんですよね。
僕はがっつりとした漫才じゃなくていいんですけど、ANZEN漫才が2人いたら面白いというものを何か見せ続けたいとは思ってます。たくさんの人に、いろいろな人に見てもらいたいというよりも、僕らのことを好きでいてくれているファンの方達に「この2人が話してるとなんか面白いよね」と思ってもらえるようなものができるといいなって。
――そういう場となると、やっぱりライブですかね?
僕らはもう単独ライブとかもずいぶんやっていないので、ライブってなるとまた難しいかもしれないので、ショッピングモールでの営業イベントとかがそれをわかりやすく見せられる場所なのかなと思います。
――今は正直、みやぞんさん1人で戦っていくんだみたいな感じになっている状況ですか?
うーん、2人でできる場がないし、僕はテレビも出てないから、仮に頼ろうとしても僕は隣にいないですからね……。
そういう時代じゃないですか。切り売り時代みたいになっていて。僕らに限らずそれはそうなんで、しょうがないし。
自分がテレビに出てなくて、みやぞんも出なければANZEN漫才というコンビ自体も死ぬし、という。それも背負ってくれていると思いますね。
一番最悪なのはどっちも出なくなって、どっちも、コンビも死ぬっていうことなんで、そこは凄くがんばってくれていると思います。
――あらぽんさんとみやぞんさん、2人でコミュニケーションを取られることは定期的にはあったりするんですか?
今はなくなっちゃいましたね。みやぞんは日本にいないんで(笑)。半月ぐらいいないんですよね。
他愛もない会話っていうのはなんかもうあんまりなくなっちゃいましたね。とにかく時間がないんですよ、みやぞんに。久しぶりに会うと普通の感じなんですけど、昔と違って深いことは聞かなくなっちゃいました。彼女いるのとか、最近どうなのとかは。
業務的というか、そういうところがやっぱメインになっちゃいます。時間がないなかで会っているぶん、仕事のことで話さなきゃいけないことも多くて。
明日も子ども番組の打合せで2時間ぐらい会う予定なんですけど、ネタ合わせして、曲1個つくって、とやっていると話す時間がないんですよね。まぁ寂しいですけどね。
あらぽんとみやぞんの〇〇な関係性
――そういう関係の変化でいうと、あらぽんさんは保育園のときからみやぞんさんを間近で見ていて、みやぞんさんは変わったと感じますか?
35年近く一緒にいるので難しいですけど、本人自体はそんなに変わってないと思います。やっぱり関係性のところで「友達」という感覚が薄れたなっていうのはなんかありますね。だから僕は寂しいです。
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