アルくナマポ 〜1〜
人は同じ過ちを何度も、
本当に何度も繰り返すものだ
殊に、なにかの依存症はタチが悪い
何度も愚かなことを繰り返してしまう
モンゴル獄長は若い頃から何度も何度も
酒に溺れて
痛い目を見てきた
仕事も失ったし、友達も失ったし
身体的に痛い目を見たことも
数え切れないほどあるだろう
だが、彼はめげなかった
痛い目にあっても
仕事や友達を失っても
酒を飲むことだけはやめなかった
なぜか?愉しいからである
日々、飲むことによって
明日への活力としている、と自分に言い聞かせ
酒を飲むことを肯定し
どんなに失敗しても
めげなかったのだ
少しはめげろよ、と他者からの進言も
意を介さず
ただただ飲み続けた
この話は
そんな酒飲みの成れの果て、の
話である