研究レポート ”全盛期マラドーナ擁するアルゼンチンvs西ドイツ" 1986W杯決勝 【90分動画あり】

マラドーナ2度目のW杯となる1986年大会の決勝アルゼンチンvs西ドイツのカード。アルゼンチンは2大会ぶり2度目の優勝を、西ドイツは2大会連続の決勝進出で3度目の優勝を狙う対戦となった。

○アルゼンチン (3-2) 西ドイツ●

得点者:

23分 ブラウン [ARG] Assist ブルチャガ

55分 バルダーノ [ARG] Assist エンリケ

74分 KH.ルンメニゲ [BRD]

80分 フェラー [BRD]

83分 ブルチャガ [ARG] Assist マラドーナ

┃スタメン┃ 黒文字:西ドイツ 白文字:アルゼンチン

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西ドイツは決勝に至るまでは、8マテウスと6エデルが逆のポジションであり、監督ベッケンバウアーの奇襲か否か、8マテウスを10マラドーナのマークに当ててきた。

11バルダーノは、メッシのいるチームにおけるスアレスやイグアインのような、C.ロナウドのいるチームにおけるベンゼマのようなタイプに近く、守備もしっかりこなしマラドーナの守備負担軽減となる。しかしマラドーナは、時代性もあるのか負けず嫌いなのか、メッシやC.ロナウドほど守備をしないわけではないように見える。

【フルマッチの動画】

<FIFA公式 WorldCupAtHome>

マンツーマンディフェンスのやり方、もしくはオフェンスのポジションに特徴が出ていて、これよりも過去のマンツーマンよりも、個別の追尾マークに合わせて相互負担のカバーの風合いが強くなっている。

西ドイツを見ると、10マラドーナと11バルダーノに8マテウスと4K.フェルスターがっちり追尾マークにつく。10マガトと6エデルが14ジュスティと12エンリケにつく。10マガトはプレーメーカーのやや攻撃残り意識高め、エデルは守備比重が強い。

そこに3人のフルバック、2ブリーゲル、17ヤコブス、3ブレーメが加わり、遠隔的に見る形。主に7ブルチャガが上がってくるのを食い止めるパターン。14ジュスティと16オラルティコエチェアがフリーになって上がってきたパターン、10マラドーナと11バルダーノのマーク補助や加勢も増える。

一方のアルゼンチンは、3段構えのような形で遠隔的な補佐をする選手を置く。7ブルチャガは基本は攻撃のために残るポジションを取る、2バティスタと5ブラウンは守備バランスに重きを取ったタイプ。

両チーム互いにダブルストライカー式で、そこにはハードにマーカーがつけられている。そこにアルゼンチンは、7ブルチャガが空いたスペースを取りチャンス演出を狙う。西ドイツは、ダブルストライカーに加え右サイドに本来ストッパーの14ベルトルトを置き、アップダウンで対面の16オラルティコエチェアを抑える。

┃62分+?以降の布陣┃ 

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0-1の後半となった西ドイツはK.アロフスを下げ9フェラーを投入。0-2と点差を広げられた直後から、10マラドーナのマークを4K.フェルスターに変更する。62分にはマガトに変え、FWの20D.ヘーネスを投入。残り25分程度となった時間帯からは上記図のような布陣となり、11ルンメニゲが低い位置やサイドに動いてボールを引き出す役目を担った。

アルゼンチンは9クチューフォと19ルジェリのマーク対象はしっかり決まっているが、他は受け渡しをしつつといった守り方に見える。

ここから、不屈の粘り強さのゲルマン魂か、西ドイツが同点まで追いつく。しかし、攻撃比重もあり集中力と攻守のバランスを欠き、マラドーナのラストパスにブルチャガが抜け出し決勝点を決めた。

┃補足(選手特徴)┃

FKCKキッカー: 7ブルチャガ、10マラドーナ (ARG) 10マガト、3ブレーメ (BRD)

左利き: 10マラドーナ (ARG) 2ブリーゲル、10マガト、19K.アロフス (BRD)

手にテーピング: 14ベルトルト

┃スカッド (所属/年齢/キャップ数)┃

<アルゼンチン>

監督: C. ビラルド / 前任 C.L.メノッティ

11 バルダーノ (R.Madrid/30)
10 マラドーナ (Napoli/25/cap47)
7 ブルチャガ (C.A.Indp/Nantes/23/cap33)
12 エンリケ (RP/24)
2 バティスタ (Arg.Jr/23)
14 ジュスティ (C.A.Indp/29)
9 クチューフォ (CAVS/25)
19 ルジェリ (BJ/RP/24/cap19)
16 オラルティコエチェア (RP/BJ/27)
5 ブラウン (C.D.Esp/29)
18 プンピード (RP/27)

<西ドイツ>

監督: ベッケンバウアー

11 KH.ルンメニゲ (Bayern/Inter/30/cap88)
19 K.アロフス (Koln/29/cap40)
10 マガト (HamburgerSV/32/cap37)
8 マテウス (M'gladbach/Bayern/25/cap41)
14 ベルトルト (E.Frankfurt/21/cap12)
6 エデル (Bayern/30/cap2)
4 K-フェルスター (Stuttgart/27/cap74)
3 ブレーメ (Kaiserslautern/25/cap23)
2 ブリーゲル (Kaiserslautern/Verona/30/cap66)
17 ヤコブス (HamburgerSV/32/cap14)
1 シューマッハー (Koln/32/cap67)
15 アウゲンターラー (Bayern/28/cap11)
21 ロルフ (HamburgerSV/26/cap17)
7 リトバルスキ (Koln/26/cap40)
9 フェラー (Bremen/26/cap31)

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