研究レポート ”1990W杯決勝 西ドイツvsアルゼンチン" 1990.7.8 【90分動画あり】

1990W杯決勝。1986W杯決勝の再戦となるカード。

┃スタメン┃

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イタリア開催大会ということもあり、西ドイツにはクリンスマン、マテウス、ブレーメのインテル所属の3人が揃う。

3度目のW杯となり、1986大会ではMVPに輝いたマラドーナも、今大会では無得点に終わった。

【フルマッチの動画】

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戦術的に見えてくるものとしては、マンツーマンディフェンスと、それに伴うポジションの可変。もっと古い時代の、リベロ以外が特定のマーク対象を持つガチガチのものとは異なって見える。

数的な配置としては、1-5-4のフォーメーション。2枚のFWに特定のマーカーをつけている。18クリンスマンと9フェラーに対し、18セリスエラと19ルジェリ。10マラドーナと9デソッティに対し、4コーラーと6ブッフバルト。

残りの4人のディフェンスプレーヤーが、スペースを利用したディフェンス(プレッシング)および、マンマークの追尾+カバーで補う形。

よりグループでスペース管理を付け加えているように見える。

特定対象のマンツーマンで対応する2人のストッパーは、マイボールになり落ち着いたポゼッションに入ると、ハーフウェーライン付近までポジションを上げ、両端のフルバックやマテウスやJ.バスアルドらがボールを引き出し、率先してボールを運ぶ役割を見せる。

これは現代的な3バックや5バックと形こそ似ていても、動き方や役割が異なっている。

1990当時では、まだマンツーマン主流。ベスト4のイタリアもまだマンツーマンを採用、同じくベスト4のイングランドは長らくゾーンディフェンスが主流であったのに1990大会ではマンツーマン&リベロ採用の試合が増えた。躍進したユーゴスラビア、チェコスロバキア等もマンツーマン。ずっとゾーンディフェンス採用のブラジルが再びの黄金期を迎えるのは1994大会からとなる。

◆"逆V"フォーメーションから"X"フォーメーションへ(?)

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1-5-4の数的配置、または1-4-1-4の数的配置としたときに、ハーフウェーを折り目とするような感じに、バスケットのような反転。"逆V"とはいっても当然オフサイドラインは意識しなければいけない。

現代サッカーに通ずるものとしては、現代では最後尾に独立して構えるディフェンダーはほぼほぼいないが、オフェンスとディフェンスの切り替わりのセットでサイドが高い位置に入ったり、低い位置を取ったりという、ハーフウェー折り目の反転の特徴は現代にもある。

◆ スターティング11 背番号とポジション

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W杯予選やフレンドリーマッチでは試合ごとにスタメンが1番-11番をつけることが多かった時代。アルゼンチンの背番号はややオーソドックスなつけ方からズレているが、西ドイツの背番号はオーソドックスにかなり近いつけ方。

2-6番がディフェンスサイドのセットポジション、7-11番がオフェンスサイド。マテウスは当時のインテルでも10番、代表でも86年の8番から10番へ変更された。オフェンスセット5枚が基本の時代もあったが、そこから1枚削減した攻守のエキストラポジションのような趣となっている。

ナンバリングで特徴が見えるのもオールドサッカー的であるが、情報戦なのかあえてそれをハズすような背番号の付け方もある。

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