
完全ワイヤレスイヤホンの奇跡と軌跡について考えてみる|新年最初に読んだネット記事より
現代のオーディオの世界で主流となった「完全ワイヤレスイヤホン」ですが、私のような昭和世代のオーディオファンから観ると「奇跡」とも思える「軌跡」を感じるので、個人的な独断と偏見で紹介します。
以下が、今年最初に読んだネット記事ですが・・・
ルナティカをワイヤレスデバイスで演奏?
デジタルリコーダー「ルナティカ」をBluetooth MIDIでAndroidスマホに繋いで、ワイヤレスデバイスで練習する実用性については、以下の記事で紹介しています。
現状では、楽器の演奏ではワイヤレスデバイスの音の遅延を多少感じるので適さないとは思いますが、動画の視聴やゲームなどでは、昔のような音の遅延はほとんど感じないレベルになっていると思います。
汎用性から専用設計へ
中学生の頃、今から57年前に廃棄寸前の白黒テレビが玄関横に置いてあったので、裏を覗くと真空管とスピーカーが見えました。
それらの部品を取り出して、「ラジオ技術」という雑誌を参考にしながら組み立てたオーディオセットが「手づくりオーディオ」の始まりでした。
最初はオーディオ機材の試聴で始めた音楽鑑賞でしたが、そのうちに音楽自体が好きになり、高校生になってから初めて買ったレコードが「カーペンターズ」でした。
それからは毎日カーペンターズを聴くようになり、ついに「カーペンターズ専用スピーカー」を作ることに・・・これが最初の「専用設計」オーディオ機材となりました。
スピーカーユニットはフォステクス「FE103」、エンクロージャーは手づくりの「TQWT」方式でした。
当時は16cmフルレンジスピーカーから、20cm以上のウーファーとホーン/ドーム型ツイーターを組み合わせた2ウェイスピーカーに主流が移行していた時期でした。
少口径シングルフルレンジスピーカーユニットと、共鳴型エンクロージャーを組み合わせたのは、カレンの美しい女性ボーカルを再現するためでした。
完全ワイヤレスイヤホンの奇跡
奇跡とは?
「大きくて重いことは良いことだ」と思っていた私を含む昔のオーディオマニアが、今の完全ワイヤレスイヤホンの音の世界を想像できたのか?と言うと、おそらくは無理だったと思います。
スマホ側にDACとオーディオアンプを内蔵していた時代では、有線イヤホンを自分の好みに応じて買い替えても、同じスマホに繋いで楽しめます。
コスパが高く、アナログケーブルでどんなアナログ機材にも繋いで鳴らすことができる汎用性がありました。
一方で、完全ワイヤレスイヤホンは、Bluetooth無線通信/バッテリー/DAC/アンプや、最近ではアクティブノイズキャンセリングのためのマイク/DSP、タッチ操作やアプリ機能などの操作性に関する部品が、有線イヤホンの部品にプラスして、あの小さな筐体の中に収まっています。これが「奇跡」。
専用設計
これらの各部品は、ワイヤレスイヤホンを実現するために「専用設計」されたものです。あの小さな筐体内に収めるには、汎用品では無理。
ところが、とても無理だと思われていた課題を次々と克服し実現していく過程で、「専用設計」だから可能になるメリットが生まれました。
例えば、新製品の企画に応じた音作りを、イヤホン部分に最適化したアンプの設計ができるようになったり、それに合わせたDACやデジタル処理などなど・・・
アメリカ人が得意な「足し算の発想」なので、日本人が得意な「引き算の発想」とは真逆なのですが、精密で高度な部品づくりが得意な日本企業の腕の見せ所にも繋がっている・・・
海外ブランドの影に
今回読んだネット記事に出てくるメーカーは、「Apple」「Bose」「JBL」「B&W」と、どれも海外メーカー・・・
しかし、私が思い出すのは、カーペンターズ専用のスピーカーづくりで選んだフォステクスのスピーカーユニット。「フォステクス」は「フォスター電機」のブランド名ですが、iPodやiPhoneに付属のイヤホンもフォスター電機がAppleにOEM供給していました。
あまり聞き慣れない日本のメーカーが、海外の有名メーカーを影で支えているという事例が数知れずあることを知るにつれ、複雑な気持ちに・・・
まとめ
新年最初に読んだネット記事から、現代のオーディオの世界で主流となった「完全ワイヤレスイヤホン」の「奇跡」とも思える「軌跡」を、個人的な独断と偏見で紹介しています。
今後は、iPad miniとルナティカを繋いで、できればワイヤレスデバイスで遅延なく練習ができればと、いろいろな試みと検証をして記事にしていきたいと思います。