見出し画像

Bluetooth MIDIとBluetooth Audioの併用が楽器音の遅延の原因かも?という仮説|ルナティカ x Androidスマホ

ルナティカをBluetooth MIDIでAndroidスマホの低遅延シンセアプリに繋ぎ、Bluetooth Audioの低遅延コーデックでワイヤレスイヤホン / ヘッドフォンに繋いでも楽器音の遅延が発生することがわかったので紹介します。


遅延の原因を調べる

機材

電子楽器:ルナティカ
Androidスマホ:Sony Xperia 10 iii、Leica Leitz Phone 1(AQUOS R6)
アプリ:専用アプリ(re.corder)、SynprezFM II
ワイヤレスデバイス:Sony LinkBuds S、JBL Tune 770NC、HIFIMAN Deva Pro、FiiO BTR3K
コーデック:SBC、AAC、apt X、apt X HD、LDAC(LC3はLinkBuds Sが対応しているはずだが設定できない)

調査結果

・専用アプリ(re.corder)は低遅延に対応していないので除外。SynprezFM IIなどの多くのシンセアプリは低遅延に対応
・手持ちのAndroidスマホのうち、Xperia 10 iiiはAndroid 12、Leitz Phone 1はAndroid 13だが、LE Audioに対応しているのはAndroid 13以降なので、Xperia 10 iiiは除外
・手持ちのワイヤレスデバイスのうち、多くのコーデックに対応しているFiiO BTR3K(Bluetooth Headphone Amp)で最終的に検証

  1. アプリの鍵盤をタッチして弾くと、Bluetooth Audioの遅延が、低遅延コーデック(apt X、apt X HD、LDAC)ではほとんど気にならない

  2. Bluetooth MIDIでSynprezFM IIなどの低遅延シンセアプリに繋いでルナティカを弾くと、ワイヤレスデバイスでは楽器音の遅延が発生し楽器の演奏には向かない

  3. 内蔵スピーカーや有線接続のスピーカー / イヤホン / ヘッドフォンでは、ほとんど遅延を感じることなく演奏が可能

原因の仮説

以上の調査結果から言えることは、AndroidスマホにBluetooth Audioで繋いだワイヤレスデバイスの遅延は、低遅延コーデックで使えば楽器の演奏が可能なレベルにあると判断できました。

なぜなら、シンセアプリの鍵盤をタッチして弾くと遅延がほとんど気にならないレベルだからですが・・・

Bluetooth MIDIによるルナティカとAndroidシンセアプリの接続は、内蔵スピーカーや有線接続のオーディオデバイスでは気にならないレベルの遅延なので、単独では問題ないと言えます。

これらの事実から総合的に考えると、Bluetooth MIDIとBluetooth AudioをひとつのAndroidスマホ内で同時に併用している時に限り、ルナティカとワイヤレスデバイス間に許容できない楽器音の遅延が発生しているという仮説が成り立ちます。

当面の対応

・内蔵スピーカー、または有線接続のスピーカー / イヤホン / ヘッドフォンを使って練習する

・この場合のAndroidスマホは、Android 12のXperia 10 iiiなどの一般的な現役スマホで問題ない

・ルナティカ専用アプリ(re.corder)で問題ない
・ほとんどのAndroid版シンセアプリや音楽制作アプリなどで問題ない

★ ただし、ルナティカとシンセアプリや音楽制作アプリをBluetooth MIDIで接続すると、時々問題が発生することが確認された(Bluetooth MIDIに対応していない、接続がアプリを終了しても切れない、再接続で繋がらないなど・・・)

★ Bluetooth MIDIに対応していないシンセアプリなどは、以下のAndroidアプリでルナティカと接続すれば、アプリ側ではUSBデバイスとして認識されるので間接的に接続が可能(Mac版やiOS版はKORGが出している)

https://play.google.com/store/apps/details?id=bluetooth.midi.connect&hl=ja

★ Bluetooth MIDI Connectアプリの製造元のROCKRELAYから、以下のAndroid版の複数のシンセアプリが出ているので、Bluetooth MIDI Connectアプリを介してルナティカで使用できる

https://play.google.com/store/apps/dev?id=4697413859674685772&hl=ja
ROCKRELAY APPS

まとめ

ルナティカをBluetooth MIDIでAndroidスマホの低遅延シンセアプリに繋ぎ、Bluetooth Audioの低遅延コーデックでワイヤレスイヤホン / ヘッドフォンに繋いでも楽器音の遅延が発生することがわかったので、その原因調査と原因の仮説について紹介しています。

今後は、有線のUSB MIDI機能を備えている手持ちの電子楽器(エアロフォン、Uno Synth Pro Desktop、MIDIキーボードなど)をAndroidスマホのUSB端子にUSBハブなどを介して接続し、遅延が発生するか?などを検証してみたいと思います。

場合によっては、2台のスマホを使い、1台はBluetooth MIDIでルナティカに接続し、もう1台はBluetooth Audioでワイヤレスデバイスに接続し、その間を有線のUSBでUSBハブなどを介して接続する、などを試したいですが・・・

関連リンク


いいなと思ったら応援しよう!