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新聞記者 Netflixドラマ版 今回のテーマは、森友学園問題と公文書改竄

藤井道人監督×制作プロダクションのスターサンズ×企画・プロデュースの河村光庸のチームはそのままに、米倉涼子・綾野剛・横浜流星といった新たなキャストを迎えたNetflixシリーズ『新聞記者』(全6話)。 

あらすじ

元内閣参与の豊田(ユースケ・サンタマリア)が、関わった疑惑があるAI助成金詐欺を調査している記者の松田杏奈(米倉涼子)は、東都新聞のデスク北村(吹越満)から総理夫人の口利きによる国有地払い下げと値引きと栄新学園建設に関する疑惑を調べ始めるよう指示される。
近畿財務局に移動してきた官僚の鈴木和也(吉岡秀隆)は、上司の黒崎(田口トモロヲ)から「栄進学園問題についての総理大臣の国会答弁と整合性があるように書類の改竄をしてもらいたい」と指示された。
国会で栄新学園問題が取り上げられて、総理大臣にまで影響があることを恐れた官邸は、総理夫人付き秘書官の村上(綾野剛)を、内閣情報調査室に移動させる。
「官僚は国民に仕えるのが仕事」という公務員の倫理と「上の命令は絶対」という組織の論理の板挟みになる鈴木和也と村上真一、かつて内閣官房の官僚だった兄が組織の論理に踏みにじられた松田杏奈記者、公務員の組織の論理に傷つけられる鈴木和也の妻・真弓、政治に無関心な新聞奨学金学生で就活生の亮(横浜流星)、多視点で栄新学園問題に関わるヒューマンドラマが、描かれていく。
このドラマシリーズのベースになっているのは、森友学園問題と書類改竄疑惑。

感想

オリンピック招致に関する内閣参与の豊田の疑惑を、告発しようとした兄が組織の論理に踏みにじられた東都新聞の松田杏奈記者が、「組織内の忖度に踏みにじられた声なき声を拾って伝える」という信念に基づき、栄新学園問題関連の書類改竄に関わった鈴木和也たち官僚の声なき声を拾い、闇に沈みかけた栄新学園問題の真相を官邸の圧力に負けず明らかにしようとする新聞記者の戦い。
「国民に仕えるのが官僚」という公務員の倫理と「上の命令は絶対」という組織の論理の板挟みになり、心ならずも改竄などの不正に手を染める鈴木和也や村上真一の苦悩。
政治に無関心だったが、叔父の鈴木和也が栄新学園問題関連の書類改竄に関わって組織内の論理に踏みにじられたことから、次第に世界に目をひらいていく亮の成長。
特に、森友学園問題関連の書類改竄の犠牲になった赤木氏の事実を元にしてるだけに、鈴木和也と村上真一が「国民に仕えるのが官僚」という公務員の倫理と「上の命令は絶対」という組織内の論理の板挟みになり、告発しようにも出来ず追い詰められる苦悩が、綾野剛と吉岡秀隆のリアルな演技もあり痛切に描かれていて、観ていて苦しくなった。
「これからの政治はパフォーマンスです」などと、国民を内閣情報調査室などの情報操作やマスコミを懐柔しての情報工作や世論操作を、政治家や大企業の利益誘導と権力を強化するためだけに駆使する官邸や内閣情報調査室などの悪辣さが、ドラマシリーズで丁寧に描かれているだけに、権力に忖度せずに真実を粘り強く追求する松田杏奈記者が鈴木真弓たちの協力で権力者に挑む時の静かな闘志を秘めた強い目力と抑えた演技が印象的。
松田杏奈記者の不屈な信念などに刺激され、世の中の動きに関心を持つようになっていく亮の成長が、横浜流星の等身大の演技でリアルに描かれている。
映画版を、遥かに超えた感動と興奮を約束するポリティカル・ヒューマンサスペンスドラマ。
Netflixで、配信中。
「この国は、変わらなきゃならないんです」

#新聞記者 #Netflixドラマ #森友学園問題 #公文書改竄

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