チョコレートドーナツ
あらすじ
1979年、カリフォルニア。ゲイであることを隠しながら生きる弁護士のポール(ギャレット・ディラハント)と、シンガーを夢見ながらショーダンサーとして働いているルディ(アラン・カミング)が出会う。2人はすぐ惹かれ合い、恋に落ちた。
ルディが暮らすアパートの隣に、ダウン症の子ども・マルコ(アイザック・レイヴァ)と薬物依存症の母親が住んでいた。
ある夜、マルコの母親は大音量の音楽をかけたまま男といなくなってしまう。
翌朝、ルディが騒音を注意しに隣に乗り込むと、小さくうずくまって母親の帰りを待つマルコがいた。
ルディは助言を求めてポールが働く検事局に行くが、ポールは家庭局に連絡してマルコを施設に預けろと言い捨てる。
失望したルディがアパートに戻ると、マルコの母親は薬物所持で逮捕され、マルコはお気に入りの人形アシュリーを抱いたまま、強制的に施設に連れて行かれる。
翌日、ポールはルディに昨日の言葉を詫びる。
2人はお互いが歩んできた人生をそれぞれ打ち明け、さらに深い結びつきを確信する。
その帰り道、家に帰ろうと施設を抜け出したマルコが夜の街を1人で歩いていた。
ポールとルディはいとこと関係を偽り、マルコと一緒に暮らし始める。
マルコは初めて学校に通い、ポールはマルコの宿題を手伝い、ルディは毎朝朝食を作り、眠る前にはハッピーエンドの話を聞かせて眠らせる。
2人はまるで本当の親子のようにマルコを愛し、大切に育てた。
ルディは、ポールから贈られたテープレコーダーでデモテープを作り、そのテープがクラブオーナーの目にとまってシンガーの夢を掴む。
3人で暮らし始めて約1年が経ったある日、ポールとルディがゲイのカップルであることが周囲にバレてしまう。
関係を偽ったことが原因でマルコは家庭局に連れて行かれ、ポールは仕事を解雇される。
今こそ法律で世界を変えるチャンスだというルディの言葉に、ポールは法を学んでいたときの情熱を取り戻す。
そして、マルコを取り戻すための裁判に挑む……。
実話から生まれた魂を震わす物語。
感想
冒頭のアラン・カミングのパフォーマンスから、アラン・カミングが演じるルディのゲイであることに誇りを持っていて、情に篤い生き方に惹き込まれます。
ゲイであることに誇りを持ってルディを愛し始めるポールの変化、ルディとポールのマルコを守るために緊急監護権を法廷に申し立てる奮闘、ルディとポールがダウン症のマルコと暮らす困難、アラン・カミングが熱唱する「Come To Me」「I Shall Be Released」などの名パフォーマンス、マルコと暮らすためにゲイであることを隠さなければならないルディとポールの苦闘と葛藤、自分らしく生きることの困難や尊さと法や偏見を超えた本当の愛をメッセージする傑作映画です。
ただラストは、あまりに辛い。
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