仄暗い水の底から 母の日に見たい映画 その2
あらすじ
家庭を顧みない母親に育てられ淋しい少女時代を過ごした淑美(黒木瞳)には、自分の家庭を大切にし子供を愛す親になろうという強い想いが人一倍強かった。
しかし、現実には夫・浜田との生活はうまく行かず、家庭裁判所で離婚調停中の身の上。
それでも、彼女は一人娘である5歳の郁子の親権を勝ち取るべく自立を目指し、マンションへの入居と就職を決めた。
ところが、ふたりが暮らし始めた部屋はひどい湿気と雨漏り、水道水も不味く、更にそこには何かの存在が感じられた。まもなくして恐るべき怪奇現象の数々が、じわじわと母子に襲いかかっていく。
そしてそれらを暗示するかのように、郁子に奇行が見られ始める。屋上で見つけた赤いバッグへの固執、姿の見えない友達との会話。
そんな中、淑美は2年前に行方不明となった郁子と同じ幼稚園に通っていた女の子・美津子が、実はマンションの屋上の貯水槽に落ちて死んでいたことを知り、淋しい想いをしている彼女の霊が郁子を連れ去ろうとしているのではないかと思うようになる。
果たして、郁子を連れ去ろうと美津子がふたりの前に姿を現した。
『リング』で日本中を世紀末ホラー・ブームへ巻き込ませた中田秀夫監督が、再び鈴木光司・原作に挑戦したホラー作品。
感想など
離婚調停と娘の郁子の子育てを背負うシングルマザー淑美がマンションに潜む怪異から娘を守るべく奮闘する熱い母性愛のドラマ、じめじめした古いマンションに潜む怪異の裏にある悲しい真相、日常に潜む怪異のじめっとした恐さ、恐い泣ける傑作ホラー映画です。
「いつまでも一緒だよ」