ディザスター・アーティスト 最悪の映画を撮った男
あらすじ
1998年のサンフランシスコ。俳優になるために演技学校に通っていたグレッグ・セステロ(デイヴ・フランコ)は、そこでトミー・ウィソー(ジェームズ・フランコ)という一風変わった男性と知り合いになった。
当初、ウィソーのオーバーな演技に唖然としていたセステロであったが、彼の独特な風貌とアクセント、エキセントリックな振る舞い、自分の過去を決して語らないというスタンスに好印象を持つようになっていった。
その一方、演技指導を担当していたジーン・シェルトン(メラニー・グリフィス)はウィソーの演技を厳しく批判した。「ここで燻っていても道は開けない」と考えたウィソーの薦めで、セステロはロスアンジェルスに引っ越すことになった。
それが功を奏したのか、セステロは芸能事務所と契約することができた上に、恋人(アンバー)を見つけることもできた。
一方のウィソーはオーディションに落ち続けていた。親友が公私ともに順調なのを見て、ウィソーはグレッグに嫉妬心を燃やし始めた。
しかし、セステロも映画出演には至れず、徐々に苛立ちが募っていった。そんなある日、セステロは冗談のつもりで「自分たちで映画を作ってしまえば良い」と言ったところ、ウィソーはそれを本気にしてしまった。彼は何かにとりつかれたように『The Room』の脚本を書き上げていった。
ウィソーの行動力は並外れたもので、資金や機材、スタッフを次々に調達してきた。
しかし、彼には映画製作に関する知識も経験もなかった。当然、そんなウィソーが指揮を執る撮影現場は大混乱に陥ることとなった。
「キング・オブ・クソ映画」または「カルトの中のカルト映画」と謎な人気を誇る映画「ザ・ルーム」の制作秘話を元にした映画。
感想
この映画の面白さは、「ザ・ルーム」の監督主演を務めたトミー・ウィソーのキャラクターにある。長髪でエキゾチックな東欧訛りで話し、演技に対する情熱はあるけど実力が伴っていなくて、生い立ちや資産が全く不明な胡散臭い怪しさはあるけど、どこか不思議な魅力がある。
無謀にもフィルムとデジタルのカメラを買い撮影、セリフはその場で演技指導、何故かオールスタジオ撮影、矛盾だらけの設定とストーリーに、無駄に長期化する撮影。おまけに空調や水分補給もケチったせいで、お婆さんの俳優が疲労で倒れたり、トミーなど素人同然な俳優がワンシーンに何テイクもかかってOKテイクを出し、ますます長期化する撮影。
この場当たり的な撮影風景が笑えるし、同時に映画作りの剥き出しな情熱がほっこりする。
「カメラを止めるな!」と比べても楽しめるコメディ映画。
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