伊藤詩織氏が、はすみとしこなどをネット上の誹謗中傷で提訴
ジャーナリスト・伊藤詩織さんが、ツイッターに投稿されたイラストなどが名誉毀損にあたるとして漫画家のはすみとしこ氏らを提訴した。伊藤さんは、安倍首相と昵懇の元TBS記者・山口敬之氏から意識がないなかで性行為を強要されたとして1100万円の損害賠償を求めた民事訴訟で、2019年12月に勝訴。その際の会見でも、伊藤さんが被害を実名顔出しで告発して以降、自身に向けられた「セカンドレイプ」の誹謗中傷について、今後の法的措置を検討すると明言していた。
日本では、女性が性被害やセクハラ被害を訴えると、必ずと言っていいほど、SNSなどで「ハニートラップだ」とか「売名行為」などというレッテル貼りが行われる。「そんな服を着ているからレイプされてもしかたない」というような、愕然とする言葉すらまかり通るほどだ。そうした「セカンドレイプ」の暴力によって、被害者は傷つき、沈黙を強いられ、社会も性被害の問題をタブー化してしまう。だからこそ、伊藤さんの告発は、この現状に一石を投じ、社会を改善へと向かわせるものになるはずだ。
一方、はすみ氏は、一連のイラストについて「風刺画はフィクション」「伊藤さんとは無関係」などと主張しているという。しかし、はすみ氏のイラストは明らかに、伊藤さんを誹謗中傷したものだ。しかも、そこに書かれた文言は山口敬之氏が「Hanada」(飛鳥新社)2017年12月号で展開した伊藤さんへの悪意ある攻撃を下敷きにしていた。はすみ氏は、Twitterでも伊藤氏に「枕営業に失敗して腹いせに山口氏を訴えた偽被害者」などと誹謗中傷し、2018年2月には「日本の病巣を斬る!」なるネット番組で自民党の長尾敏衆院議員や杉田水脈議員らと共に出演して問題のイラストを提示しながら「ああいう人がいるから本当の被害者が疎かになるからやめてほしい」などと誹謗中傷し、杉田水脈議員は「女として落ち度がある」などと伊藤氏に対するセカンドレイプに加担したのに、訴えられそうになると「フィクション」「風刺」などと抗弁し、自らが提訴された日には「伊藤詩織さんよ、550万欲しかったら、誹謗中傷が原因で亡くなった木村花さんのように私がならないよう最新(誤字ではありません原文のままです(笑い)の注意を払ってね」などと被害者ぶる作品に対するプライドのなさは、漫画家手塚治虫に怒られる悪質さ。
そもそも、はすみとしこは、国際慈善団体セーブ・ザ・チルドレンUKの写真家ジョナサン・ハイアム氏を無断で加工した「そうだ!難民しよう」というイラストが物議を醸し悪名を轟かしたのを皮切りに、「従軍慰安婦」「帰化した外国人」「在日コリアン」らを誹謗中傷するイラストを書き散らし、安倍政権を支持するネトウヨに支持されてFacebookでは「安倍晋三を応援する会」の管理人をしている筋金入りの炎上商法ヘイトイラストレーター。
しかもそんなヘイトイラストの内容を鵜呑みにして、伊藤氏が被害を公にした2017年5月からネット上で誹謗中傷され家族や友人にまで加害予告する悪質な誹謗中傷に命の危険を感じイギリスに移住するまで追い込まれたし、未だにプライベートまであげつらわれ誹謗中傷するブログまで登場したが、伊藤氏の支持者や有志の方が誹謗中傷するはすみとしこなど問題のアカウントを度々通報したが誹謗中傷アカウントをツイッタージャパンは放置した。
性被害を公にすると「ハニートラップ」「お前が誘ったんだろ」「賠償金目当て」などと被害者を誹謗中傷されて、性被害を訴えようとする人に沈黙を強いたり、誹謗中傷を名誉毀損で提訴しようとすると膨大な時間と労力がかかる状況を変えるネットでの署名活動や作家雨宮処凛が中心に「社会活動家への誹謗中傷を救済するネットワーク」を立ち上げネット上の誹謗中傷から被害者を救済する動きもあり、伊藤詩織氏のはすみとしこを提訴する裁判が、悪質なネット上の誹謗中傷を許さない社会作りのきっかけとなるようこれからの展開を注視して伊藤詩織氏を支持していきたい。
トップ画は、Twitterのハッシュタグ#わたしは伊藤詩織氏を支持しますで支持を表明した「ちはやふる」の作者末次由紀さんが描いた伊藤詩織氏の似顔絵。