スカーフェイス 私が偏愛するギャング映画 その2
あらすじ
80年5月、キューバは反カストロ主義者をアメリカに追放した。その中には政治犯の他にトニー・モンタナ(アル・パチーノ)、マニー・リベラ(スティーヴン・バウアー)のような前科者もいた。
彼らはマイアミの高速道路下にもうけられた移民キャンプに送られた。
3カ月後、キャンプ生活に飽きて来たトニーは、政治犯レベンガの殺しを頼まれて実行する。
数週間後、トニーとマニーはマイアミで皿洗いをしていた。そこにレベンガ殺しを依頼したフランク(ロバート・ロッジア)の部下オマーが、仕事を持って来た。
あるモーテルに行き、コカインの取引きをしてこいというものだったが、相手は金を横取りしようとした。一瞬の隙をついてトニーは、敵を皆殺しにする。
フランクの豪邸を訪れたトニーは、彼の知己を得て部下になった。
フランクの情婦エルヴィラ(ミシェル・ファイファー)にひかれていくトニー。
ある夜、トニーは自分より先に渡米した母親(M・コロン)と妹ジーナ(M・E・マストラントニオ)に会いに行った。
母は息子のヤクザな生き方を嫌うが、妹は兄の派手な世界に関心を持つ。
数カ月後、トニーとオマーはボリヴィアのコチャバンバに行き、黒幕のソーサと会い、トニーは独断で高額の取引きに同意した。そんなトニーをフランクは邪魔者と思うようになる。
悪徳刑事バーンスタインが賄賂を要求するし、ジーナは屑野郎と付き合っているしで、放心したようにクラブでうなだれているトニー。トニーを暗殺者の銃弾が襲う。
あやうく難を逃れたトニーは、マニーらをつれて、フランクの事務所へ行き、フランクと居合わせたバーンスタインを射殺。
こうして、トニーはマイアミのボスの座につき、エルヴィラと結婚する。
だが、彼の栄光の日々も長くは続かなかった。脱税が摘発されたのだ。
一方、ソーサの方も麻薬取締りが厳しくなり、困っていた。
ソーサは取締り委員会の最高顧問暗殺を手伝えば、トニーの脱税問題に手を廻すという。
トニーはニューヨークに行き、ソーサの殺し屋の仕事を手伝う。
しかし、顧問が家族と一緒なのを見て、爆殺に反対し、殺し屋を射殺してマイアミにもどる。エルヴィラの姿が消え、ジーナの行方も知れない。
とある家に行ったトニーは、ドアを開けたマニーを射殺。「昨日、彼と結婚したの…」と、泣くジーナ。邸にソーサ一味が襲撃して来て、壮絶な銃撃戦が展開された。
そして、ついにトニーは銃弾を何発もぶち込まれて死亡する。
ブライアン・デ・パルマが、「暗黒街の顔役」をオリバー・ストーン脚本で過激に再映画化。
感想など
若かりし頃のギラギラしたアル・パチーノが、コカインビジネスで命懸けのシノギを重ねながらのし上がっていく過程を、長回しや短いショットを組み合わせた流れるようなカメラワークとチェンソーで拷問したりなどの過激なバイオレンス満載で描ききっていて、太く短く生きて命知らずな「俺の武器はガッツと信頼」というトニー・モンタナは、黒人の間でカリスマ的なキャラクターになりました。
ミシェル・ファイファーの妖艶な魅力やギャングのルール2箇条など、ギャング映画の古典として古くならない名作です。
特にラストのトニーの屋敷にメキシコギャングが押し寄せ、ガンガンにキメたトニーが何発弾を食らっても、「俺の友達に挨拶しな!」とグレネードランチャーやライフルを乱射して、血だるまになって散っていくアル・パチーノは、アウトローとしての究極の死に様でした。
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