犯人は今の時代の申し子に違いないとやっぱり思う

▲安倍氏による閉塞感のある世の中作り(という見方として)の犠牲者、という見立ては外れ、結局、統一教会に対する恨みによる犯行というあたりに落ち着くことにされそうな世の中だが、そういうカルト宗教を、取り締まれなかった政治の責任はあるのではないか。

▲取り締まれなかったというより、身内なんだから取り締まるわけない、ということになるのだが、そのあたりの関係性を知っている人があまりに少ないのにはちょっと驚いた。統一教会と自民党、岸信介の関係とか、もちろん安倍氏との関係とか、今回、びっくりするほど知らない人が多いことを思い知った。公明党と創価学会の関係とかも、もしかして知らない人が多いんじゃないか、という気すらしてきた。

▲まあ、知られないような対策を政府もこれまでしてきたのだろう。統一教会の捜査も結局「政治的圧力」でやめになったとか、公安が監視対象から外したとか。別に直接圧力が加わらなくても、空気が読める役人(警察官僚)なら、これは無理筋、と手をひくはず。そうした結果、被害はどんどん増えて、犯人のような人が出てきた、ともいえる。

▲その意味ではやはり犯人もこれまでの政治によって作られてきた世の中の犠牲者、と言えるのではないか。貧乏人の反乱のひとつであることは間違いないと思う。途上国を搾取して先進国が反映しているというのが世界の構造だと思うのだが、不幸な人たちを搾取して権力基盤を固めるという構造の政治が行われてきたことは、今回の事件で明らかになったのだ。

▲いや、なってないか。ここまで来てもそのあたりを知らない、知ろうとしない人はやはり驚くほど多い。そして「国葬」によってこの件は歴史の闇に葬られようとしている。暗殺された人物の大葬儀というのは、秀吉による信長の葬儀が思い起こされる。それを成功させた秀吉は独裁者の道を駆け上っていった。「殿、幸運がやって来ましたぞ」とささやく黒田官兵衛は今の時代、誰なのか。

▲安倍氏は亡くなったことによってタブーになるのか、亡くなっているがゆえに自由に検証できるのか。こういう場合日本社会は、昔から前者になることが多い。信長がなぜ殺されたのかは今もわからないのだし。こうなるとタガの外れた岸田氏が暴走しないとも限らない。となると重要なのは必死に隠されようとしてる暗部が表に出ることだが、昔ならムリと断言できた。しかしSNSなどがある昨今ならもしかして、と甘い期待をしたりするが…、やっぱムリだな、バカ製造機では。

いいなと思ったら応援しよう!