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2万円のトリートメントとリンシャン

年末の話。
わたしは馴染みの美容院にいた。

美容院とは、髪型や髪色を変えることが前向きなスイッチになるわたしにとって、その後1ヶ月の生き方を決める場所でもある。(オーバーな)

ピンクもいい、でもブリーチ抜きっぱなしもいい、ブルーもいいな、どうしようか!? 今に一番フィットするイメージを決めるのが、一番の大仕事だ。

それがだ。

なんと人生初の体験、髪色も髪色も決められなかった。

もう完全に頭が違うことでいっぱいになっていて、色はおろか、ダークトーンにしたいのかハイトーンのままがいいのかすら、まったく考えられなかった。

さすがに美容師さんも困る。
しかし私も困る。だめだ、たぶん頭の中に答えがない。ていうか、選択肢すら浮かばない。

頭がいっぱいの時に何か選ぶって、負担なのだね。

「強いて言うなら...あんまりカラーは入れずに抜きっぱなしな感じとかせめてちょろっとベージュ系のニュアンス的な…」

ボソボソとどれも本心じゃない気がする要望を言ったところ、「今やん」となった。(色の抜け方最高すぎていい色だった)

え、今日帰る?ってなったけど、せっかく表参道まで来たからとトリートメントだけして帰ることにした。

年末だし、一番いいトリートメントにした。

せめてちょっとでもと思って、前髪を切ってもらった。あと、毛先も整えてもらった。

しめて、にまんろくせんえんなり。

私よりも私の髪の毛に優しく接してもらい、ハイトーンのくせに地毛よりサラサラちゃうんかな髪の毛を手に入れ、施術の間にいろんな話をして、ああやっぱり美容院はいいな、前向きになるな!

なんて、思って帰った。

自分にしかわからない、自分へのご褒美。
いいじゃない、いいじゃない。そんな年末もいい。

悩みすぎても仕方がないし、もう明日から年末休みだし!いえーい!楽しんじゃお〜!頭空っぽ作戦だ〜!なんて意気揚々とサウナにイン。

ふと、気がついた。

「あ、リンスインシャンプー使っちゃった」

頭がいっぱいの時に何か選ぶって、本当に負担なのだよね。

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