脳との対話
大根を大量に手に入れたので大量に切り干し大根を仕込みました。
案外簡単にできるんですよ。
そしておいしい。
スーパーで買ってたのは何だったのよ…と思うくらい違います。
ぜひ作ってみてください♪
先月いっぱいで6年連続で働いた脳外科病棟を離れました。
それまでも脳外科を担当していましたが、こんなに長く同じフロアで働いたのは初めてでした。
振り返ると本当に色んな方を診てきました。
老若男女、軽い方、重い方、家に帰った方、施設へ行った方、意欲的な方、リハビリを嫌がる方…。
皆さんが想像される通り、脳の障害を負うということは本当に大変なことです。
脳外科病棟では身の回りのことが全くできなくなってしまう方が日常茶飯事に運ばれてきます。
ご飯が食べられない。トイレに行けずオムツ排泄になる。点滴などを抜かないように縛られる。呼吸ができずに人工呼吸器をつけられる…という方がかなりの数います。
それも高齢の方に限らず40代くらいの方でも重症な方はいます。
自分や家族がそうなったら…と想像できるでしょうか?
現場を見ないとなかなか実感がわかないと思いますが、誰しも他人事ではない現実がそこにはあります。
多くは脳卒中の方です(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)。
と言っても症状は千差万別。
全く症状の無い方から亡くなってしまう方まで多種多様です。
同じ部位の発症でも人によって症状も経過もかなり違いがあります。
だからこそ分かりづらい病気なのだと思います。
脳卒中では運動麻痺といって身体の自由が利かなくなる症状がよく出ます。
我々リハビリテーションセラピストは状態を把握した上で症状が改善するようアプローチしていくわけです。
医師と違って頭を開いてどうこうするわけにはいきません。
でもある時気が付きました。
手足に刺激を入力することは間接的に脳を触っていることと同じだと。
手足から入った刺激が脳に届き、その情報を基に運動が行われるわけです(正確には手足のみならず全身からなのですが)。
より適切な反応が起きるような刺激をどのように入力するのか。
それがセラピストとしての技量なのだということに気がついたのです。
目が開いたように感じました。
それだけのことがセラピストは可能であり、だからこそ責任が重いのだと。
そしてセラピストが諦めたらそこで終わりなのだと思います。
そこには葛藤があります。
急性期(病気になってすぐに治療する病院)では関われる期間がかなり限られます。短い期間で「この方はどこまで改善するのだろうか、どれだけリハビリをすることが妥当なのだろうか」ということを考えなければなりません。
最終判断は医師がしますが、その情報提供としてリハビリ職の存在は重要です。
正解の無い世界でもがいてきました。
うまくいかないことも多々ありましたが、全て自分の血肉となっていると感じます。
脳と対話する。
どうすれば良くなるのか、どこまで良くなるのか、どの道が最良なのか…。
一つ一つ、患者さんの脳と向き合った6年間でした。
この貴重な経験をこれからに活かして、もっと多くの方をサポートしていきたいと思います。