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お酒とは仲良くしていたいだけなのに

敵か味方かわからなくなるものがある。

お酒だ。

酒は好きだし、どっちかといえば飲める方だ。

仕事から帰って料理をしながら飲むハイボールは旨いし、
青空の下でピクニックやBBQをしながら飲むビールも旨いし、
温泉で浮かばせながら飲む日本酒は天国みたいな味がするし、
良いお肉やお魚と嗜むワインも篦棒に旨い。
基本的に自分の人生において充実度を上げてくれる飲み物である。

それなのに、たまに敵になることがある。
言うまでもなく過剰摂取の際だ。
それも敵となる面は遅れてやってくる。
二日酔いと後悔だ。


悲鳴を上げる肝臓を横目に、
今こっちもいっぱいいっぱいだからと慌てふためく脳神経を一つの身体に抱えながら、
もう一生酒は飲まない。うそ、飲むけど飲みすぎない。と毎回誓うのだ。


そしてこの誓いをいとも簡単に定期的に破る自分の浅はかさや意志の弱さに落胆しては、自己嫌悪に陥る。


何故あんなに調子に乗ってしまったのか、
何故あんな事を言ってしまったのか、
誰も傷つけてないだろうか、
こんな人間だと思われてないだろうか。

こちらのベストオブてめえの自己管理の甘さの思考をうだうだうだうだ繰り返す。


こうなってくると、人生の充実度をあげる飲み物ではなく、我が輩は浅はかマザファカ人間である!と露呈する悪魔の飲み物となってくる。


幸か不幸か、私の周りのおもしろ人間達も酒はよく飲む方なので恐らく大多数が、
ある程度の同じ思いはしていることがある。


おもしろ人間達のおもしろ失敗は実際に私の目の前で繰り広げられる事もあれば、
後日談として、それノンフィクションですか?全米震えますね、と言わんばかりの超大作物を聞かされることもある。


酒を飲み家まで送り届けてくれた相手と解散した15分後、
なんでかな?俺いま屋根の上にいる…と電話がかかってきて、近所中の屋根を捜索し発見。
すぐに保護し、さすがに屋根はやめてくれ、次からは地上にしてくれと懇願したのは去年のおもしろ人間エピソード・酒部門のMVPだ。
なんでかな?はこっちの台詞である。
シラフに戻った本人に、なんでかな?と訊いてみたところ、星が綺麗だったからと言っていた。
許す。


そしてこの数ヶ月後、私も屋根先輩には大いにご迷惑をお掛けしてしまう事をした。


そんなこんなの暗黙の了解の持ちつ持たれつで我々は酒の場の失敗やちょっと調子に乗りすぎちゃったネという類いのものは許し合う。


この許し合いに甘さが出るとまた繰返す。
これを書いてる今も絶賛繰り返し後だ。


早く大人になりたい。

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