はじめてのギャラは500円でした (1)
わたしが初めて副業でいただいたお金は
500円
でした。
しかも、図書券(笑)
仕事の内容は、ある機関誌の編集の人から頼まれて、短いエッセーを書きました。何を書いてもいいって言われたから、たまたまそのとき思っていたことを。
B6の冊子1ページ分だから、2段組みではあったけど、文字数が少なくて、けっこう苦労した気がします。
編集者だから、文章を書いて、それが印刷されるっていう経験は既に何度もあったけど、自分の書きたいことを自由に書いたものが活字になって載ってるって、初めてだったからね。
掲載誌を受け取った時は、もう、もう、嬉しくて。
自分が書いた文章なのに、じっくり読み直しちゃったりなんかして(笑)
だから
表紙の下に挟み込んである封筒なんか目に入らなくて、家に帰ってから図書券をいただいたことに気づいたのでした。
(担当者さま、その節はたいへん失礼しました)
ただ、そのときは対価をいただくっていうことに関心が薄かったので、
感動すべき初ギャランティである図書券で何を買ったか、ぜんぜん覚えてない・・・
もしかしたら、夫にあげちゃったかも?
でももちろん、封筒に図書券が入ってるの見て、ほよよ?! と思ったことは覚えてる!
そして、相変わらずまた冊子を開いて。
前後に掲載されてる文章と自分の見比べて
(ここに並んじゃってワタシ大丈夫かな・・)とドキドキしたり
(でも頑張って書いてることは伝わるよねきっと)とニヤニヤしたり
しばらくそんなことばっかやって、気分を良くしていました。
↑今思い出すと、カワイイ……気がする
なんだけど、
しばらくしたら
どういうツテでか、その機関紙を見てくれた人から
「ウチの仕事、ちょっと手伝ってくれない?」
というご連絡をいただいたから、
はーい。って、それやって。
また、しばらくしたら、
今度は別のの編集部から
「○○の編集されたって紹介されて」
と、ご連絡いただいたりして。
ご依頼くださる方たちも、わたしが版元の編集者だって知ってるから
ここちょっと手が足りないから、って気軽に使えるネコの手みたいな感じ。
ギャランティも、あったりなかったりでした。
豪勢なところで高いお酒ごちそうしてもらって、おしまい。なんてのも多かったのです。
でも・・・・
なんだかそうしているうちにね。
ぽつ、ぽつ、ぽつ・・・と、降り始めた雨が次第に地面を濡らし始めるようにして。
自分でも気がつかないうちに、わたしの副業ビジネスはスタートしていたのでした。
つい、うっかりと。
(続く)