バックキャスト思考をコーチングやワークショップに活用する
未来は今の延長線上に存在するのではなくて、現在と別のものであるということは良く耳にします。コーチングにおいても、今の価値観を捨てて、新しい事業や、新しい目標を定める時には、バックキャスト思考が役に立ちます。
バックキャスト思考とは、現在から未来を考えるのではなく、「未来のあるべき姿」から「未来を起点」に解決策を見つける思考法です。「未来から現在に逆算」していく方法。10年、20年といった長期的な目標実現や、現在の延長線上にはない未来の実現に使われる思考法で、根本的な課題解決に有効だと言われています。
バックキャスト思考のメリット
・具体策や正解がすぐにはわからないもの検討に向いている
・飛躍的なアイディア。新しいアイデアを検討できる
・選択肢に制限がない
・目先の利害関係を超えたパートナーシップも築くことができる
・正解不正解が無いため、複数の人数で議論すると盛り上がる
クライアントに10年後、20年後の事業、自分やキャリアを想像してと問いかけても今の自分から離れることはできません。そのため、自身と切り離してて未来を想像することで、新しい視点を手に入れることが出来ます。いわゆるビックピクチャーを考えるイメージです。
未来を描くのに役立つネタ
バックキャスト思考を実践するためには、未来をどう描くかがポイントになります。この未来を想像するためには、予備知識(インプット)が必要になります。お手軽に情報収集できるものについていくつかご紹介します。
SDGs
これは、皆さんご存じのSDGsです。SDGs自体がすでにバックキャスト思考です。SDGsワークショップなどもありますから、今は最もとりつきやすいテーマかもしれません。
総務省 未来をつかむTECH戦略
2030年に視点をおいて、以下3つのテーマでレポートをまとめています。
漫画で紹介されている部分もあり、分かりやすいです。
・インクルーシブの社会(人づくり)
・コネクティッドの社会(地域づくり)
・トランスフォーム(変容)」の社会(産業づくり)
文部科学省 科学技術調査資料作成委託事業
2040年、2050年を対象にした将来予測の調査があります。研究開発領域のみでなく、これから顕在化してくる社会問題についても、詳細にレポートされています。どのレポートもボリュームがあるので、読むのは大変です。政策に紐づく調査内容を理解することで、ビジネスチャンスを見つけることができるかも知れません。
書籍
最近は、こういった類の書籍が沢山あります。書籍を読むのはお手軽でお薦めです。著者の思考に偏る部分もあるとは思いますが、それも含めて楽しめます。書籍になっている時点で、最新の情報では無いのでは?とツッコミもありそうですが、あくまで思考するためのネタですから問題ないと考えています。
まとめ
今回は、バックキャスト思考のメリットや役立つ情報収集方法について紹介しました。Google scholarなどで最新の学術論文などを検索することも良いと思います。
バックキャスト思考の最大の効用は、大きい視野で見るきっかけを与えてくれることです。俯瞰的な視点を養ったあと、自分の関連する領域の課題にフォーカスしていくことで、自身に紐づいていきます。
「未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ」アラン・ケイ
最後までお読みくださりありがとうございました!