見出し画像

長谷川町子美術館に行ってきました

最近のサザエさんは、カツオが若いベンチャー社長に影響を受けて「タワーマンションに住みたい」とか言い出し、目が離せません。

画像1

そんなサザエさんの生みの親である長谷川町子さん、縁のある桜新町に美術館があることは有名です。
なかなか今まで訪れる機会も無かったのですが、個人的なサザエさんブームの高まりが嵩じて訪れてみました。

画像2

桜新町駅で下車すると、早速サザエさん一家が出迎えてくれます。
地上に出ても、いたるところでサザエさん押し。街ぐるみでサザエさんを支えているのが伝わってきます。

画像5

画像6

画像3

画像4

画像7

標識に従いながら、駅から数分歩くと、長谷川町子美術館にたどり着きます。
今は、昔からある美術館と、最近できた記念館、の2つの施設が併設されています。美術館には長谷川町子の所蔵していた美術品や、サザエさん関連の原稿や絵コンテなどの展示がされており、記念館ではインスタレーション展示やグッズ販売、カフェスペースなどが存在します。

画像13

画像8

記念館前でも、おしゃべりするサザエさんがお出迎え。

コロナの影響もあり、今(2021年7月)は整理券を配布し入場制限を行っているようです。ただ私が訪れた時はとくに制限に引っかかることもなくスムーズに入場できました。

画像9

チケットは大人1枚900円。チケットを購入すると、写真のような謎の紙幣らしきものがいただけます。これは記念館内にあるカフェスペース(喫茶部)で使える割引チケットのようです。実質800円で入場できるので、お得に感じますね。

美術館スペースは基本的に写真撮影NG。所蔵の美術品や、サザエさんの家の復元模型、絵コンテの数々、そして過去のアニメ作品の上映スペースなどがありました。

漫画も何冊か置かれており、自由に閲覧することもできます。
私が読んで面白かったのが「サザエさん旅あるき」という作品。サザエさんというより、作者の長谷川町子さん自身の、諸国漫遊の旅日記漫画です。

この作品は1980年代に書かれたようですが、バブル真っ盛りの世情を反映してか、長谷川町子さんが日本国内のみならずアメリカやヨーロッパ、アフリカなど、世界中のあらゆるところに豪華な旅行をし、行く先々で洋服や宝石等を爆買いしている、というのが印象的です。免税店で「金(ゴールド)」がTax Freeで買えると聞いてから、旅の道中ずっと「金」のことしか考えられなくなったというエピソードもありました。
我々の知る(もしくは誤解している)サザエさんの庶民的な世界観とは、真逆の逸脱した世界観になってます。

他にも、独特の、その時代ならではの言葉遣いも面白いです。Gentlemenのことを「ゼンツルメン」と言っているのは個人的にツボでした。

画像14

サザエさんは、庶民の生活をコミカルに描写した作品・世界観と表現されることが多いですが、東京都心に平屋で何部屋もある家に住む家族というのも非現実的で、かなり浮世離れしている作品です。
何か、その理由も、少しわかった気がします。長谷川町子さん自体が、サザエさんのヒットもあってか大金持ちで、庶民ではなく、浮世離れしている人、だということなのかなと思います。

浮世離れした世界観だからこそ、時代錯誤にしか一見思えないサザエさんの舞台設定でも、一種のファンタジーとしてなんとか今の時代にも受け入れられている、ということもあるのかもしれません。

画像10

画像11

記念館スペースは撮影OK。タッチパネルで操作したり、チョークのようなもので壁に落書きできる場所があったりと、インスタレーションに注力した展示が数多くあり、なかなか楽しい場所でした。

画像12

カフェスペースでは、長谷川町子さんにちなんだ飲み物などを楽しむ事ができます。「パパイアを毎日食べていた」というエピソードもあり、やっぱこの人は浮世離れした人だったんだな、と改めて思わされたりもしました。

展示のバリエーションが少なく、そんなに頻繁に何度も訪れるような場所ではないかなと思いますが、一度は行くと楽しい場所だと思います。人もそこまで多くないので過ごしやすい空間でした。


画像15

画像16

桜新町には美味しいパン屋さんやスイーツのお店も数多くあり、今回は帰りしな有名なおはぎのお店「タケノとおはぎ」でおはぎの詰め合わせを購入しました。白い見た目のココナッツ風味のおはぎが美味しかったです。

 アクセス

東急田園都市線「桜新町駅」下車徒歩6分
桜新町駅へは品川からおよそ30分(JR渋谷駅で東急田園都市線に乗り換え)


いいなと思ったら応援しよう!