網走流氷陸海空
2022年初頭からのオミクロン株の大流行、2月末の段階ではピークを過ぎた兆しを見せてはいますが、さすがに私も一人旅をしばらく控えていました。
ただそろそろ落ち着きを見せつつあるということと、私自身が3回目のワクチン接種を終え中和抗体の理論値も十分な状態になったこともあり、また旅に出てみました。
今回は、流氷を見に行きました。
昔見たドラマ「北の国から 2002 遺言」で知床の押し寄せる大量の流氷、その上をトドを抱えて帰還するおっさん(誰だか忘れた)、出迎える大漁旗、そんな冬の北海道の風景が印象的で、昔から一度は流氷を間近で見てみたいと思っていました。
本当は知床の流氷ウォークを体験したいのですが、お金も時間もかかるし一人で行くのは勿体ないので、今回はフットワークを重視して東京からの交通の便が良い網走に出かけました。
網走では観光流氷船が定期的に運航されており、船から間近に流氷を眺めることができます。それだけでなく飛行機の航路的に流氷に覆われたオホーツク海を空から眺めることもできますし、週末には特別に運航されている列車の車窓から絶景を楽しむこともできます。
つまり、陸・海・空すべてにおいて手軽に流氷の風景を味わうことができる、それが網走への旅、ということです。
空 (羽田→女満別空港 NH4777)
ANAで羽田から女満別空港に向かいます。ANAと言いながらAir Doの機材。共同運航便。
羽田→女満別空港の航路では、釧路をかすめ、阿寒湖や屈斜路湖の上空を通り、オホーツク海と知床を眺めながら女満別空港まで向かいます。
進行方向右側の窓側座席に座るとそれらの景色を楽しみながらフライトすることができるのでおすすめです。
もちろん冬の季節には、一面の雪景色、そして流氷の姿が広がり、この世のものとは思えない絶景が楽しめます。
平地や山岳が雪で覆われるのはよく見かけますが、北海道では屈斜路湖やサロマ湖のような大きい湖であっても、そして海であっても、別け隔てなく一面氷で覆われ、尽きることない白銀の世界が広がっていることに驚きます。これが北海道、試される大地。
実際、先日網走近辺には爆弾低気圧が襲い、飛行機はもとより列車や道路もすべて運行停止・封鎖されたりしました。
この事により私も旅程の延期を余儀なくされました。その低気圧の猛威が、眺める景色の素晴らしさをもたらした部分があるのかもしれません。自然の景色の美しさと生活の過酷さは表裏一体です。
女満別空港は網走への最寄り空港。であると同時に、たまねぎやハッカ、そして最近話題のあのスポーツの聖地でもある北見への最寄りでもあります。ということもあって期待を裏切らない人たちが出迎えてくれました。
海 (網走流氷観光砕氷船おーろら)
網走駅から少し海側に向かったところ、網走川がオホーツク海に注ぐ河口付近に道の駅があり、流氷観光船の港は道の駅に併設する形で存在します。
女満別空港からは空港連絡バスで一本でアクセス可能で、空港から40分でたどり着くことができ、かなり便利です。
観光船は流氷のシーズンには1時間半ごとに運航され、1回あたり1時間のクルーズを楽しむことができます。
NH4777(13:00女満別空港着)だと車で飛ばせば14:00の観光船にも乗れるかもしれませんが、さすがにギリギリすぎるので私は15:30の回に乗船しました。このシーズンはなんだかんだいって人が多いので事前予約は必須です。
少し早めについて港周辺をウロウロしてたら、たまたま入港するおーろら号の姿を目にすることができました。
船の客室は2階建て。あったかく快適な船内から海を眺めることもできますが、広く作られたデッキから眼下にワイルドな海の風景を眺めることもできます。僕の印象だと大半の人はデッキに上がってきていた印象。私も無論デッキで待機。最大限の防寒対策をしてきたつもりですがそれでも寒いです。
この日は風が南から吹いていたようで、網走付近に接岸していた流氷がじょじょに沖に流されはじめていた日だったようです。それでも船が出航してから10分もすると、流氷が一面に広がる流氷帯に進入することができました。
網走の砕氷船は、船の重さを使って流氷帯を砕きながら進みます。モーゼのように船により切り開かれた流氷帯が、船の通過にあわせてまたその形を元に戻して行く様が面白く、いつまでも眺めていてられます。
遠くには知床の姿も仰ぐことができます。知床まで一面の流氷が敷き詰められ、白銀の大地をなしています。まさに「北の国から」で描かれた風景そのもの。
観光船のクルーズは1時間。参加前はちょっと長く感じ間延びしてしまうかなと思いましたが、実際体験してみるとあっという間。夢中になって流氷の姿を眺め、飽きることなく大量の動画や写真を撮りまくってしまいました。
網走沿岸はある程度の距離であれば携帯電話の電波も通じるようで、ドコモは4Gが普通に3本立っていました。インスタライブとかもやろうと思えばできるかもしれませんね。私はLINEを使って動画で実況中継とかもしたりしました。
陸 (流氷物語号)
流氷観光船の体験までであれば、東京から日帰りでの参加が可能です。私より飛行機をもう一便早くしても良いし、たとえ今回のように往路をNH4777で向かっても女満別空港19:05発のNH4780でその日のうちに東京に帰還することも可能です。
ただ、今回は折角の機会なので、オホーツク海沿いを走る釧網本線の特別列車「流氷物語号」に乗車して、列車の車窓からも流氷を楽しんでみようと思います。
ということで、コロナ流行後はじめて、旅先のホテルで宿泊をしました。ホテルはもちろんドーミーイン。ビジネスホテルなのに天然温泉の大浴場がついてるのもすごいのに、風呂上がりにアイスキャンディーを振る舞ってくれたりと謎にレベルの高い極上のホスピタリティが魅力です。
食事は、北海道を代表するグルメ、「セイコーマート」のホットシェフをホテルでいただきました。
網走市街は、先日の爆弾低気圧の爪痕がそこかしこに目にすることができました。もしくはこの程度の雪はこちらでは通常モードなのかもしれません。
そして、翌朝。網走駅に向かい、9:45発の「流氷物語号 1号」に乗車をします。
私は9時頃には駅には向かい、駅周辺の写真を何枚か撮ったりしていましたが、その頃から流氷物語号の乗車待ちの人が改札に列をなしていて、人気の高さが伺えました。
理由はよく知らないのですが、今年の流氷物語号は「オホーツクに消ゆ」という昔のファミコンゲームとコラボをしているようで、列車のヘッドマークはもちろん、様々なコラボ展示、コラボグッズの販売を行っていたようです。僕はリアルタイム世代ではなくゲームもプレイしたことが無いので、正直このノリはよくわからず苦笑してしまいました。
流氷物語号は大変人気の列車のようで、指定席も販売されているのですが私が見た時にはすでに完売。自由席も並ばないと座れない、という状況でした。
私は客車内だとまだちょっとコロナのリスクが気になるので、もとよりデッキに立って風景を眺めようと心に決めていたこともあり、発車5分前くらいに乗車しました。この方が、気兼ねすることなく車窓を楽しめるので良いですね。トイレの前に立つことになる気まずさを我慢できれば。
列車は桂台の駅を通過したあたりから海と並走するかたちになります。流氷は昨日よりもさらに南風に流され沖へと行ってしまったようですが、それでも絶景な風景を楽しむことができます。
列車は網走駅を出ると、北浜、浜小清水、知床斜里、と停車をしていきます。最初の北浜駅はオホーツク海から一番近い駅、ということで有名。展望台もあるため10分ほど停車します。
ここぞとばかり皆は記念撮影タイム。
私は流氷物語号の終着駅である知床斜里までは乗らず、浜小清水駅で途中下車をしました。理由は駅近くにフレトイ展望台があり、こちらからの眺望を楽しむためです。道の駅が併設されていて色々お土産を調達できることも理由です。
そのため、私は浜小清水駅で流氷物語号をあとにし、皆さんを駅から見送りました。
フレトイ展望台はこの季節には完全にちょっとした雪山になっており、なかなか普通の装備では登るのは大変そうです。私は登山靴の装いで一応向かいましたが、それでも結構たいへんでした。
展望台には僕以外に先客が一人いて、その方はドローンを飛ばして風景を撮影していました。たしかにこの景色は、ドローンで撮りたくなりますね。
そんな感じで、陸海空から流氷を堪能し、満足したので、遅れてやってきた「しれとこ摩周号」に乗り帰路(釧路経由で飛行機)につきました。
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