旅先で気持ちを切り替える方法 / 岡山桃巡り
先日、JALのどこかにマイルを使って岡山行のチケットをゲットしたので日帰りで行ってきました。
岡山駅の市電のりばに向かうため地下街の階段を登ったあたりで、中国人観光客と思わしき女性4~5人が地上への出口の道を塞いでいて、なにかと思ったら近くの道を鳩が数羽歩いていました。日本では見慣れた風景です。中国でも道端に鳥がいることは珍しいことではないと思いますが。
何を思ったか、その中国人の一人が、道にいる鳩数羽を蹴飛ばしました。突然のことにバランスを崩した鳩はほうほうの体で逃げようとしますが、そのジタバタした様が面白かったのか中国人の人たちはケタケタ笑い転げてていました。
中国人同士で「小心啊~(気をつけて)」って何度も話あっていましたが、それは突然襲撃を受けた鳩のセリフだろう、と陰ながら思いました。
僕はびっくりしすぎて何も言葉がでなかったのですが、中国語だとこういう時にどう言えばよいのでしょうか。「你怎么回事」とでも言えば良いのでしょうか。
もっとも、日本語でも何と言ってよいのかは今でも良くわかりません。
旅をしていると、大半は楽しい思い出ですが、色々なアクシデントや、良からぬ事に遭遇したりもします。やってるはずのお店が閉じていたり、鉄道や飛行機が遅延したり、いろんなトラブルに巻き込まれたり。
今回も中国人の所業を見てから気持ち的にだいぶ落ち込んでしまったのですが、それでも引きずりすぎるとその後の旅がすべて台無しになってしまいます。
そういう時に、自分なりで心がけている、気持ちを切り替える方法があります。この記事ではその内容を書いてみて、そして申し訳程度に岡山旅行記も記載します。
1.ステートレス
ステートレス(Stateless)は聞き慣れない言葉だと思いますが、「状態(State)」を持たない(less)という意味合いです。
端的に言うと以下のような心持ちを表しています。
例えば、拝観したかった寺社仏閣に訪れた時に、受付の人の態度が愛想がなかったり不遜に見えたりすることがあったりします。もしくは、どうしても訪れたかった店の店員の態度がよそよそしかったり。
その事で「嫌われているのでは」「さっさと退散した方がよいのでは」という気持ちになったりもしますが、しかしそれはこちらの受け取り方だけの問題の可能性もあるし、相手もたまたま機嫌がわるかった、もしくは応対をどうしてよいか戸惑っていただけの事もあります。
なので、ちょっとしたすれ違いや、気になること、不快に感じるようなことは「気にしない」。すっと忘れて、自分の興味や関心、好奇心のまま無邪気に振る舞うように心がけるのが大事かなと思います。
もちろん、他者に直接的に「◯◯するな」と指摘された場合は、基本的には素直に従うのが良いです。指摘されると気持ち的に防御モードになり、自己弁護モードになりがちで、その反動で相手への敵意や嫌悪感が生まれたりしますが、相手に悪意がないのであれば指摘された事は客観的に見て道理があることが多いです。
なので指摘されたことについても内容は受け取りつつ、それ以外の感情的な事は「気にしない」。ステートレスに振る舞うのが結果的に楽しくすごすためのコツだと思います。
2.マルコフ過程
確率論的な話になりますが、確率過程の中で有名な理論に「マルコフ過程」というのがあります。
Wikipedia の説明を引用すると「未来の挙動が現在の値だけで決定され、過去の挙動と無関係である」という状態を表す言葉です。
なにか旅先でアクシデントがあると、「今日はツキがない」「縁起が悪い」と、過去に起こった出来事に引きづられて「今後も引き続き良くないことが起こるのでは」という気持ちになりがちで、行動も後ろ向きで消極的になりがちです。そういう心理状況になると、旅行で達成したかったことが何もできなかった、みたいな感じで悲しく帰宅、みたいなこともあります。
しかし、悪いアクシデントが一定の確率で起こると仮定した場合、次にアクシデントが起こる可能性は、過去がどのような状況でも確率は同じです。
アクシデントに遭遇していても、していなくても、未来に問題が起こる可能性は変わらない、ということです。
例えば、上述のエピソードのように良からぬ振る舞いをする中国人観光客に遭遇したからといって、岡山でその後遭遇する人たちがそんな人達ばかりになるという訳ではない(変な人が集団の中に一定数いても、その遭遇確率は常に一定)、という感じです。
ただ、アクシデントで気持ちが落ち込んでしまい、その事を引きずりすぎると、本来楽しいことも楽しめなくなるし、他の人の気遣いや優しさに気付けなくなるし、元気な時なら正しく判断できることも投げやりになったりして、結果的に「今の自分の状況が変わることで、未来も引きずられてしまう」状況になってしまいます。
こちらも、「ステートレス」の話と同じで、「気にしない」というマインドセットが大事、という話しでした。
ちょっとしたことに影響を受けて行動を変える必要もないし、不幸なアクシデントがあってもそれがずっと立て続けに起こり続けるわけでもないので、常にフラットな気持ちで行動するというのが大事、ということです。
3.セレンディピティ
これもあまり一般的な言葉ではないかもしれません。言葉としては、フィルターバブル(スマホとかで、自分の好みの情報ばかりにアクセスすること)に対するカウンターとして用いられる事が多くなった言葉です。
Wikipedia に書かれている内容を引用すると
と書いてあり、自分が意図しないような出来事、計画から外れたような出来事が、自分に幸せをもたらしてくれる(かも)、という考え方です。
出かけて帰宅するまでが旅なので、旅に出る際は無事帰ってこれるような計画を立てますし、履行するためにある程度厳格なタイムスケジューリングを行う必要があります。計画どおりに物事を進める事が極めて大事なのは間違いないです。
ただし、すべてが事前に計画した通りいったからといって「良い旅」になるわけでもないですし、旅先でのトラブルも含めた「予想外」の出来事に遭遇することも旅の面白さであることは、あえてここで書かずとも皆が感じていることだと思います。
電車に乗り遅れた結果、空き時間で訪れたお店の料理が美味しかった。道を間違えた結果、絶景の景色にたどり着いた。ツアー会社のブッキングミスの結果、プランをアップグレードしてくれた。等々。
なので、トラブルも含め、想定外の出来事に遭遇することこそが旅の楽しみである、という姿勢でいることが大事なのかなと思います。
だからと言って、突然路上の鳩を蹴飛ばすような人に出会うことが「楽しい」とは微塵も思いませんが。
まとめると「細かいことは気にしない」「想定外を楽しむ」という姿勢が、旅を楽しむコツかな、と思います。という話でした。
岡山旅行
吉備線(桃太郎線)を使って、桃太郎伝説にゆかりのある吉備津神社、吉備津彦神社に訪れるのが目的の旅でした。
この記事では、写真を適当に貼ってお茶を濁したいと思います。
岡山で一番美味しかったのは、うどんでした。うどん県の対岸も侮りがたし。
この日は暑かったので、活動はほどほどにし、飛行機の時間までアリオ倉敷のサイゼリヤで時間を潰していました。岡山の地でサイゼリアのありがたさが身にしみた旅でした。