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多摩川ギャンブルウォーク

多摩川は東京23区と川崎市の境目を流れている河川で、都会の地域を流れることで知名度が高く、多く市民の憩いの場でもあり、暴れ川として流域市民の脅威であり続けた河川でもあります。
そして多摩川沿いには公営ギャンブル施設が多数立ち並ぶことも有名です。調布市以北には数kmの範囲内に「競輪・競艇・競馬」と立ち並び、どんだけ競うんだと言わんばかりに施設が密集しています。

ギャンブル好きの方はこれら3つの施設を1日で「はしご」したいと思う人もいると思いますが、意外と公共交通機関で便利なものがなく、電車やバスで行こうとすると結構な遠回りをしながら巡る事が強いられます。

公共交通機関で京王閣競輪場から多摩川競艇に行こうとした例

多摩川は、ウォーキングやサイクリングの聖地、としても知られている場所です。河川敷沿いには遊歩道が充実しており、川沿いを北上もしくは南下することですべてのギャンブル施設に訪れる事ができます。
ということで、3つ巡ろうとした場合、歩いて巡る、というのが最も時間効率が良いめぐり方です。もちろん自転車でもOKです。

ということで、今回は競輪・競艇・競馬の施設を歩いて巡ってみました。
ギャンブルというと若干社会的に後ろめたく不健康な印象のある娯楽ですが、ウォーキングで巡ることによりあたかも自分が健康的で良いことをしてると勘違いでき、妙にポジティブな気持ちになれるためライフハックとしておすすめです。

京王閣競輪場

今回は川下から巡ってみました。京王閣競輪場は京王相模原線の京王多摩川駅が最寄りです。ウォーキングの起点ということでここまでは電車で訪れました。

入り口。質屋の看板が目立つ

私が訪れた日は京王閣でのレース開催はなく、場外馬券売り場としてのみ営業していました。ちなみにこの日は府中競馬と多摩川競艇においてはレース開催日でした。
京王閣も土日に開催することも多く、開催サイクルとしては競馬・競艇・競輪の3場同時開催もありえたりするのかなと思ったりするのですが、直近の5・6月についてはそのような機会はなさそうでした。

購入した車券。ハズレ

京王閣競輪の中の食堂は、いわゆるギャンブル場でよく見かける食事も多いのですが、普通の定食屋みたいなメニューが多かったのが印象的です。値段も安くて結構お得に見えます。場外発売時は入場料は無料なので、この近くに住んでたら定期的に訪れても良いかもと思わせる内容でした。

くるみの木
まくりや

そういえばなぜ「京王閣」という名前なのだろう、と思ったのですが、調べてみると昔この地に同名の遊園地があり、その跡地に建てられたのが京王閣競輪場ということのようでした。

多摩川沿いには、かつては二子玉川園(東急二子玉川駅近く)や多摩川園(東急多摩川駅近く)など遊園地施設が多く存在していました。河川敷近くは土地の確保が行いやすかったのかもしれません。娯楽の多角化もあってか今ではいずれも閉園し、施設の名前などにその名残をかすかに残すのみです。

「東京の宝塚」の現在の姿

多摩川競艇場

京王閣競輪場から多摩川競艇場まではおおよそ4km。ウォーキングで歩くには程よい距離です。多摩川河川敷を北上すればたどり着けます。
河川敷には開放的な景観が広がっていて、歩いていて気持ちが良いです。飛ばして走るロードレーサーには注意が必要です。

遠くによみうりランドの観覧車が見える
自転車が飛ばして走っているので、脇の轍を歩くのが安全

稲城大橋を越え、右手に広がる広大な水道施設を通り過ぎたあたりで住宅街をの中を縫って歩いていくと、競艇場の最寄り駅、西武多摩川線競艇場前駅にたどり着きます。

南口は写真のような地味な作りですが、反対側に競艇場に直接つながるペデストリアンデッキが整備されています。ここを歩いていくと多摩川競艇場です。

若者に媚びた感じのキャラクターたち
その筋の人には媚びない姿勢を感じる圧の強い看板

この日は開催日でもありレースが目の前で開催されていました。ボートレースは小さい船にびっくりするくらいの推進力のモーターが搭載されていて、水面を跳ねながら疾走していくその姿は圧巻です。舟券を買わなくてもレースを見ているだけでも迫力があり楽しめます。

とか言いながら購入した舟券。ハズレ

多摩川競艇場はもともと多摩川の砂利を運ぶための採石場だったようですが、戦後に娯楽施設として建設され、今に至るようです。
競艇場の近くを走る西武多摩川線も元々は砂利運搬の目的のため敷設された鉄道だったようですが、今は競艇場のためのアクセス路線のような位置づけになっています。

西武多摩川線は本当に不思議な路線で、沿線に多数鉄道が走っているのに起点駅(武蔵境駅)以外で他路線との乗り換えができない、そもそも西武の他の路線とも全く繋がってない、という西武鉄道らしい意味不明な運行系統になっています。
実際のところすごい不便な路線で、多摩川競艇の入場者数の少なさ、賑わいの無さの根源をなしてます。

そんな境遇の競艇場なのでいずれ荒廃して潰れる、と私は思っていました。実際に入場者数は急減しているのですが、電子投票システムがしっかりしていた事が功を奏し、家でも楽しめる娯楽ということでコロナ禍においても売上が急上昇中。ほんと世の中は何がどうつながるか予測ができなくて面白いですね。

入場者数と完全に反比例している右肩上がりの売上(PDF

これだけ売上が増えると地元府中も潤うのだろうな、と思ってたのですが、多摩川競艇の主催者は青梅市および東京都四市競艇事業組合(小平市、日野市、東村山市、国分寺市)なのだそうです。なお府中市は平和島競艇の主催者です。世の中は複雑にできています。

府中競馬場

府中競馬場は南側に是政口という入り口があり、多摩川競艇場からも比較的近い場所に位置しています。
普段ならこちらから訪れると近いのですが、今はコロナに伴う入場方式の変更も影響してか閉鎖されています。なので多摩川競艇場から府中競馬場まではいつもより少し遠回りが必要です。

多摩川競艇場からの道中、是政通りの辺りを通ると、右手に滞在用の厩舎を見ることができます。普段正門から訪れたら目にしないような施設を眺めながら訪れられるのも面白いですね。
意外とこの裏側からのルートも歩いている人が多く、皆競馬場に向かう人達のようでした。この辺に住んでいるのか、是政駅からの裏街道経由で通っている人なのか、この辺の駐車場に車を停めてる人なのか。

競馬場公園からの眺め。木の後ろにある建物が厩舎
4コーナーあたり

中央競馬はやはり動くお金の桁が違うのか、敷地の広さ、施設の豪華さ、雰囲気の洗練さ、いずれも他の公営ギャンブルとは一線を画している感じがします。他の競技はおいそれと他人を誘うことはし辛いですが、中央競馬は一般人を誘ってもそれほどの抵抗もないように思います。地方競馬は中央と全く別物なので注意。

まあ、ギャンブルとしてお金を投じる立場からすると、賭けられれば何でも良いのかもしれませんけれどね。

競輪、競艇の10倍の資金を投入。当たり。この後の11レースも当たり

今回のルート、Google Map 的にはおおよそ6.4km、実測で7.5km程度をおおよそ1時間40分くらいかけて歩きました。いい運動になり、交通費も節約でき、あまつさえお金も微々たる額ですが手元に増えて戻ってきたので、そういう意味では費用対効果の良い活動だったのではと思います。

帰りは素直に電車で帰路につきました。

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