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「キュンパス」で訪れる新潟一周の旅
https://www.jreast.co.jp/heijitsutabi/kyunpass/
2024年の春に実施された「キュンパス」、好評だったのか今年2025年も実施されました。私もキュンパス経験者で昨年は八戸まで訪れましたが、お得さと、新幹線内の尋常でない混雑を私も肌身で感じました。
JR東日本管轄の路線乗り放題ということで、金額的なお得さを追求しようとすると新青森・秋田をはじめとした東北地方へ「はやぶさ」や「こまち」で訪れることになり、皆さんの関心もこちらに向いているように思います。指定席の予約も非常に取りづらい状況でした。
ただ私はごく最近「どこかにビューーン」を使って岩手(水沢江刺)に訪問済みです。
なので今回は他の方面に向かうのが良いだろうということで、競争が激しくない新潟方面への旅を計画しました。
しかし、旅行予定日は折からの大雪により日本海側の各種交通機関が麻痺しており、行ったはいいものの足止めを食らって立ち往生をするリスクも現実的なものとしてありました。
最終的に、「日本の新幹線は雪にも強い」ということを信じ、大雪の新潟地方に突っ込んでいくことにしました。
もちろん無鉄砲に出かけるようなことはせず、連日天気予報とJRの運行状況を細かくチェックし、少なくとも新幹線は動き続けるだろうという確証を得てから旅にでました。
東京~浦佐(07:48~09:16)
初手はいきなり浦佐駅に訪れました。前回の旅で訪問した水沢江刺駅のことを「何もない」と揶揄をしてしまいましたが、正直浦佐駅の方がずっと過疎な状態で、降りる人も数人程度しかいませんでした。
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なぜ浦佐駅に訪れたかというと、キュンパスではJR東日本以外に各地の私鉄や第三セクターの鉄道にも乗り放題なので、私が未乗車だった「ほくほく線」に乗るため、そのための乗り換えとして浦佐に立ち寄りました。
みんな「新潟」と一言でいいますが、県庁所在地のある新潟市のあたりと浦佐駅のある魚沼市は気候条件も文化も含め全然違いますし、西側の上杉謙信で有名な上越市もまた然り。新潟は広いのです。
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新幹線だと上越新幹線で長岡や新潟、北陸新幹線で西の端の上越妙高には訪れることができますが、その間を結ぶ路線は在来線しかありません。ということで、「ほくほく線」など新潟の東西を横断するような手段で移動をして、ある程度くまなく新潟を巡る事を目的としたのが、今回の旅です。
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大雪のため在来線運転見合わせ。初手で旅終了。
浦佐駅からほくほく線に乗るには六日町駅まで上越線で移動する必要がありますが、その鉄道が運休のため計画はいきなり頓挫しました。
なおこの旅をしたのは2月21日ですが、記事を書いている今の時点(2月24日)でも上越線は復旧はしていません。関係者の皆様ご苦労様です。
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ということで、いきなり計画の見直しが必要になりました。ひとまず越後湯沢方面行きの新幹線が一番早いので、いったん湯沢に戻ります。
次の新幹線の時間まで浦佐駅周辺を戯れました。
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浦佐駅がある魚沼市は新潟でも有数の豪雪地帯。この降りしきる雪に冬場は一面埋め尽くされますが、春には雪解け水となって山の栄養を麓に運び、その御蔭で美味しいお米(コシヒカリ)が作り出される訳です。
ちなみに私の両親が魚沼出身で、浦佐駅が新幹線では最寄り駅(在来線では小出駅)。人がほとんど降りないと半ば馬鹿にして書いてますが、新潟の新幹線駅の中で私が一番多く訪れた事がある場所でもあります。
昔から人間の背よりも高く雪が積もるというのが魚沼の冬の風物詩でしたが、最近は雪が少ないというニュースをよく聞いてました。今年は久しぶりに本気の雪を目の当たりにしたように思います。
浦佐~越後湯沢(10:04~10:14)
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東京方面に一度戻ります。浦佐駅は通過する新幹線も多く、越後湯沢に戻った方が選択肢が増えるというのも理由です。あと駅ナカの「ぽんしゅ館」が開いている時間なので気付け薬として液体を注入するために訪問。
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午前も早い時間からぽんしゅ館は賑わっていました。日本人はお酒が大好きですね。
越後湯沢駅も個人的にはよく訪れる場所なので、またすぐに新幹線に乗り換えます。ここでは謎に以前清津峡に訪れた時の写真を貼っておきます。
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越後湯沢~新潟(10:48~11:29)
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浦佐のあたりはひどい雪だったのに、比較的開けた長岡や、新潟の周辺になると雪がほとんどなくなります。同じ「新潟県」でもこんなに気象条件が異なるのか、と改めて驚かされます。
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こういう気象条件なので、新潟あたりまで抜けてしまえば、大動脈の上越新幹線さえ動いていたら後はなんとかなるだろう、という信頼感から今回の旅を進めています。
時間的に昼時でもあるので、まず腹ごしらえに出かけました。定番の観光名所、万代バスセンターに移動。
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万代バスセンターのカレー、味は甘口、米は多め。周りからも「米多すぎ」という声が聞こえてきました。量に自信が無い方は普通ではなくミニにしたほうが良いと思います。
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万代バスセンターでカレーを食べたなら、2Fにも訪れて「みかづき」のソフトクリームを食べるまでが遠足です。230円でこのボリューム。味もミルクが濃厚で美味しいです。
この後は古町の方に出かけて「ケツバット職人」の山田太郎さんに挨拶しに行っても良かったのですが、すでに訪問済みなので、今まで訪れた事がない場所ということで新潟空港に向かいました。
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新潟空港は東京に住んでいる人にはまず縁がない場所で、そういう空港に機会を見つけて訪れようというのがマイブームです。そのためだけに旅行するのはさすがに無理なので、キュンパスのような乗り放題チケットが手元にある時に実践してみました。万代バスセンターからはバスで30分かからない程度。
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新潟空港は国内線では札幌や福岡便が中心。新潟は新幹線があるのでかなり交通に恵まれた場所と思いますが、それでも不便な場所への就航が多いようです。昔はウラジオストクやハバロフスクなどへの直行便がありロシアへの玄関口になっていましたが、今となっては国情から再開は難しそうです。
空港内をひとしきり探訪し、こちらも私にはまず縁がなさそうな「TOKI AIR」のグッズを手土産に空港を後にしました。
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新潟~長岡(13:23~13:44)
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新潟空港へのバスの移動中に、「そういえば信越本線は動いていそうだから、特急しらゆきには乗れるんじゃね?」という事に気づきました。しらゆきは1日に3往復で、次の長岡発・直江津方面行が13:57発。絶妙な乗り継ぎができるということで急ぎ長岡駅に向かいました。
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キュンパス購入者は駅で色々特典が得られるのですが、上越新幹線だと新潟・長岡・越後湯沢駅併設のCoCoLoで割引措置が受けられます(1000円以上購入で300円引き。事前にサービスカウンターでクーポンの取得が必要)。長岡では10分程度の乗り換え時間を使ってこの旅のお土産を一通り購入しました。
長岡~直江津(13:57~14:51)
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しらゆきは初乗車。新幹線に比べると流石に揺れます。柏崎をすぎると日本海のすぐ側を走るので、海の風景を車窓で楽しむことができるようになります。当日は冬だったので、荒々しい冬の日本海の波の高さを眺めていました。
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直江津駅は私は初訪問。貨物列車の拠点もあるし、駅の周りにはD51レールパークという施設もあったりと、鉄道の大事な拠点であることを感じさせる場所です。色々と駅周辺を探訪してみようと思ったのですが、新潟市とは違って上越市は海沿いでも雪がかなり降っており、行動に制限があるので駅周辺を散策するに留めました。
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直江津は水族館が有名なようで、直江津駅にもその分身的にちょっとした水槽が展示されていました。展示されていたのは熱帯魚で、直江津近辺に生息する魚という感じではなさそうです。
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直江津駅に訪れた時は晴れ間が広がっていたのですが、時間が経つごとに雪が激しくなり、最終的に吹雪のような状態になっていました。
新幹線はともかく、在来線は運休のリスクがあるので、リスク回避のため早めに新幹線駅に移動し、雪が多い地域を脱出しよう、と直江津を後にしました。
直江津~上越妙高~高崎(15:30~17:04)
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直江津駅から上越妙高駅までは第三セクターの「トキ鉄」えちごトキめき鉄道に乗車。雪はかなりすごかったですが、無事動いてくれた助かりました。
上越妙高駅周辺は夏場はそこまで人が多くないですが、冬になると近くにアライリゾートもあるためスキー客が大挙して訪れるようです。新幹線乗車時も乗客がとても多く、指定席を抑えてなかったので座れるかかなり戦々恐々な感じでしたが無事着席できました。
軽井沢を過ぎたあたりから自由席は立客で溢れて身動きも取りづらい状態になりました。みんなちゃんと指定席を確保してから乗車したほうが良いですよ、と思いました。全く人のことは言えないですが。
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高崎までたどり着くと雪もほとんど無いですし、交通機関としても単一障害点が無くなるので何があっても帰ってこれるという安心感があります。
私の今回の旅も実質これで終了。あとは高崎駅周辺で高崎パスタを食べ、帰宅の途につきました。
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総括
当初計画していた旅行プランが早々に崩れ、その場で色々調べながら行動していたので、移動の時間ばかりが多くなってしまいました。それでも乗り放題切符だとこういう時にも柔軟に予定が変更できて臨機応変な対応ができるのが良いところですね。
個人的には、今回は荒天時の新幹線の強さ、安定した運行を守る底力について強く感じました。これだけの大雪でもびくともしない、その堅牢さを我々は当たり前のように受け止めていますが、どの国でもここまでの水準では達成できてない偉業だと思います。
新幹線はリニアも含め色々と反対や妨害活動も見受けられますが、我々の生活、我々の生命をどれだけ助けてくれているか、そこに思いを馳せることも無駄ではないなと感じます。
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旅行の話に戻ると、今回のGPSのログを見ると、さすがに佐渡には訪れられてませんが、概ね新潟の各地域を巡る旅になっており、「新潟一周」というタイトルは偽りではないぞ、というエビデンスも積み重ねることができました。
新潟県内の新幹線駅も、燕三条駅には下車できませんでしたが、一応県内のすべての駅を通過・下車しており、この辺からしても「一周したぞ」感が強く感じられます。
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キュンパスで大事な要素として、「どれくらいお得になったか」というのもあると思います。
今回の旅程についてGoogleマップ調べでの定価料金を集計したのが以下。
$$
\begin{array}{|l|l|l|} \hline
\text{from } & \text{to} & \text{price} \\ \hline
\text{東京} & \text{浦佐} & \text{8340} \\ \hline
\text{浦佐} & \text{越後湯沢} & \text{2910} \\ \hline
\text{越後湯沢} & \text{新潟} & \text{5480} \\ \hline
\text{新潟} & \text{長岡} & \text{3570} \\ \hline
\text{長岡} & \text{直江津} & \text{3072} \\ \hline
\text{直江津} & \text{上越妙高} & \text{340} \\ \hline
\text{上越妙高} & \text{高崎} & \text{6250} \\ \hline
\text{高崎} & \text{東京} & \text{5020} \\ \hline
\text{(合計)} & \text{} & \text{34982} \\ \hline
\end{array}
$$
キュンパスの1日券の料金が1万円なので、今回の旅でもざっくり2万5千円お得になった計算になります。やはりキュンパスは神ですね。来年以降もこの企画が続くことを祈ります。