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通信小説 ビートルズとともに始まる 第3話予告編「Here Today」 by Terry Holiday

ポール・マッカートニーはジョージ・マーティンをプロデューサーに迎え、ロンドンのAIRスタジオにて、自己のバンドであるウイングスのアルバムをレコーディングしていたが、メンバーのデニー・レインが脱退し、ウイングスは解散した。そんな中でのジョン生還と新作ミルク・アンド・ハニー発表は、ポールに安堵と、対抗心と、そして計り知れない衝撃を与えた。

「僕はビートルズ解散後に何を成し遂げただろうか? ジョンはビートルズ級のソロ活動をしているのに、僕のウイングス活動はビートルズ級ではなかった。ビートルズ級の音楽を作るには、ビートルズ以外あり得ないんだ。僕自身がビートルズにならないといけないんだ」

レコーディングにゲスト参加しているリンゴにも、ポールは説得するかのように話す。
「ジョンは遂にビートルズと同等のアルバムを作った。これからのジョンと会うためにも、僕たちはビートルズになるんだよ」

ビートルズ時代からメンバーの聞き手になっていたリンゴは、ここでも一応の理解を示す。

「それがポールからの、ジョンへのメッセージなんだね」

ポールはレコーディングを完了させ、新アルバムはタイトルがタッグ・オブ・ウォー、そして名義はウイングス名でも個人名でもなく、ザ・ビートルズ・フィーチャリング・ポール・マッカートニーに決定し、1982年4月に発売した。先行発売のスティーヴィー・ワンダー参加のシングル曲Ebony and Ivoryがヒットしていたこともあり、アルバム内容の評価は高く、80年代版ビートルズと呼ばれて認知された一方で、ポールのソロアルバムに過ぎないという批判もある中、ポールはこれがベストだと確信して活動を続けた。

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