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奇奇怪怪の天元妖術師ボクネン登場!

ジン、ルト、ヒルヒルの三人はとある任務の最中カムイ軍と交戦し苦戦を強いられていた
追撃を振り切り難を逃れた三人だが未だ予断を許さない状況だ

「くそっ、まさかカムイ軍とかち合うことになるとはなぁ」

「おいジン!またいつ来るか分からないぞ!」

「この間に何とか体力を回復しておかないと・・・」

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一方・・・

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「いや~迷子迷子じゃ~」

真っ赤な和服に額の刻印が目立つ少女?は訳もわからず辺鄙な場所に辿り着いており困り果てている・・・という訳でも無さそうだ

「まぁとりあえずその辺をうろついてみるとするかの~・・・」

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しばらくして・・・

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「ん~なんも無いのう~
歩けど歩けど森ばっかりじゃ~

ん・・・
あやつらは何をしておるのじゃ~?」

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「ジン、ヒルヒル、あの子迷子かなー?
おーい!」

「ん?お主らは何者じゃ?」

「僕はヴァサラ軍11番隊隊長のルトだよ!この二人はジンにヒルヒルだよ」

「ばさらぐん~?」

「おい、ヴァサラ軍知らないのか?
それに女の子一人でこんな所にいちゃ危ないだろ?迷子なら俺達が送ってやるからよ
どこから来たんだ?」

「どこから~?はて・・・
どこじゃったかのう?」

「「「え?」」」

「オイオイ~!どこから来たのか分からないのかー!?」

「どこに行こうとしてたの?」

「どこに~?はて・・・
どこじゃったかのう?」

「「「えぇっ!?」」」

(オイオイ、アイツ大丈夫か~!?)
(迷子どころか色々迷ってるよ~?)
(でもこのまま放って置けないしよ・・・)

「ところでお主ら・・・
とうふは持っておらんかのう?」

「「「・・・」」」

(((どこから突っ込めばいいのかわからん)))

「おい!いたぞ!」

「ゲッ・・・
こんな時にカムイ軍まで・・・」

「とにかくこの子を連れて逃げよう!」

「とうふがほしいのう・・・」

「わーかったから今は逃げるぞ!」

ジンが少女を背負う形で三人は退却しようとするが・・・

「くそっどこまでも追いついてきやがる!」

「オイ、このままだとやられるぞ!?」

「何かいい方法無いのかよ!
って、あれは・・・」

三人の視線の先には・・・

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「はぁ~・・・
今日も全然売れなかったな~
人気無いのかな~」

とある一人の男性は意気消沈しながら屋台をズルズルと引きずり帰路に着く

「朝早くから一生懸命仕込みしてるのにちーっとも売れやしねぇ・・・」

休憩がてら道端の石に腰掛け大量に売れ残った商品を口にする

「うん、美味ぇ!
・・・こんなに美味ぇのに何で誰も買ってくれないんだ・・・
商売あがったりだし、もう辞めようかなー」

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「おいジン!あの屋台・・・」

「とうふ・・・
とうふじゃ~~!!!」

「なあおじさん!その豆腐を少し分けてくれないか!?」

「えっ・・・
まあ大量に余ってるし必要なら持ってってくれよ・・・」

「いや~感謝感謝じゃ~!
恩に着るぞ店主!」

「あ、あぁ・・・」

少女は分けてもらった豆腐を喜び勇んで口に運ぶ

「お、゚+。:.゚おぉ(*゚O゚ *)ぉぉ゚.:。+゚
いや~美味じゃ美味じゃ~!
柔らかい食感に大豆の風味が口に広がる!
店主、素晴らしい仕事じゃ~!!」

「お、おめぇ・・・
この味が分かるのか!?」

「いや~勿論勿論じゃ~!
かれこれ1000年はとうふを食べておるが
ここまでの絶品はなかなかお目にかかれん!
実に見事じゃ~!」

(((今さらっと凄いこと言わなかった?)))

「おお・・・
ありがとよお嬢ちゃん!!」

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「もう逃がさねえぞ!」

「またカムイ軍!しつけぇな!」

「今度こそお前ら三人纏めてぶっ倒してやる!」

「ジン、俺様もう体力残ってねえぞ・・・」

「このままだとやられる・・・」

「じん、ると、ひるひる、それにとうふ屋の店主
お主らは実に命の恩人じゃ~
なら妾も礼をせねばならんのう
下がっておれ」

「おいガキ、おめぇに用はねえ
とっとと失せ

「さあさ皆さんお立ち会い!
妾は奇奇怪怪の天元妖術師ボクネンと申す!
これからお目にかかるは抜山蓋世ど迫力の龍の舞、とくとご覧あれ~!!」

ボクネンが両手を振り上げた瞬間、雷鳴轟き暴風唸り
空から数多の龍が現れカムイ軍に向かって喰らい尽くさんと迫る

「うわ~!!何だこれは!」
「く、来るなー!」
「助けてくれー!」

カムイ軍は瞬く間に阿鼻叫喚となり一目散に逃げ出した

「「「・・・すげぇ」」」

「いや~痛快痛快じゃ~!」

「ぼ、ボクネンちゃんありがとう!」

「なあに先程の礼をしたまでじゃ」

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ヴァサラ邸

「そうか・・・
事の顛末は分かった
しかし三人ともまだまだヒヨッ子じゃな?
今後もタップリ稽古をつけてやるから精進しろ!」

「「「はーい・・・」」」

「それはそうとボクネンとやら・・・
三人が世話になったようだな」

「いやいや、三人がおらなんだら妾もどうなっとったか分からんでの
感謝しておる」

「それは何よりじゃ
して、ボクネンは道に迷って困っていると聞いたが・・・」

「ああ・・・
暇潰しに妖術で遊んでたらの~
こっちの世界に迷い込んだのじゃ~」

「「「「・・・」」」」

「色々試したは良いがけーっきょく帰り方がわからんでな
まあ元の世界にも大分空いてたからの~
良い経験じゃ~ホッホ」

「「「「・・・」」」」

「まあとにかく帰り方が分かるまでは軍の隊舎を用意するからゆるりとされるが良い」

「いや~感謝感謝じゃ~
・・・と腹が空いたの~
とうふを頂きにいくとするかの」

「「「「・・・」」」」

「まあ、三人ともボクネンと仲良くしてやっくれ・・・」

こうして奇奇怪怪の天元妖術師ボクネンはヴァサラ軍に居着く事となった

今後も様々な妖術を披露しながら元とは違う世界ととうふを堪能したまには遊軍として手助けをしながらゆるりと過ごしていくことだろう

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