書物の帝国(購書日記2020.11.20)
アマゾンから届いた本。
購入
・上田正仁『「考える力」の鍛え方』(PHP文庫)
・松本千秋『38歳バツイチ独身女がマッチングアプリやってみた結果日記』(幻冬舎)
読了
・松本千秋『38歳バツイチ独身女がマッチングアプリやってみた結果日記』(幻冬舎)
刹那感が半端ない
松本千秋氏の本は、容姿が優れていて美人じゃないと難しい体験談を漫画で綴った本。絵柄は淡々としていてよい。婚活をするためにマッチングアプリを使った著者(30代後半)。そのスマホマッチングアプリには、若くて容姿端麗な男性たちが掲載され、彼らからのアプローチが満載だった。そんなわけで、著者はこの不思議な世界を体験すべく、出会いを求めて婚活を開始するのだが…。
若いイケメン男性とデートしつつ、肉体関係になる手軽さ。即時的に、そして刹那的になったなと感じた。世の中は便利になったとはいえ、人間関係は希釈化されてしまうのかも。なんだろ、暗黒版花田菜々子本(『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』)、というとわかりやすいのかな。人の出会いの本質は「定期的に人に話を聞いてほしい。ご飯かお茶付きで。あわよくばそのときのノリや気分で肉体関係まで」というところにあるのかもしれない。小生が海外在住の際に、デート→体の相性→付き合うというカップルを結構見てきたので、実にその意味で西洋的な感覚なのかもしれない。ただし出会い→恋愛から先になると、関係性が変化してくる。著者は複数の男性とのデートを使い分けることで、ある種の究極の関係性を得たのかもしれない。独身女性、男性であれば可能な方策だ。考えてみれば一人の個人だから破綻することは多々あるので、独身であれば色々と変えてお付き合いをして関係性をキープするのはありだろう。
ただしTinderというアプリは容姿で振り分けるので、結構キッツいと言えばキッツいな。その意味でも格差社会を感じるわけで、若くて容姿が良くてスタイルが良い人ほど出会いは出来る場が増えているという感。ますます恋愛弱者のデイバイドが進行していくのだろうと思うと憂鬱になる。
なおご本人のインタビューは文春オンラインに掲載されているので、一読あれ。