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レノファなスタジアムの話(33)やっぱり立地は大事だよね、という話

えー、前回更新から3か月も間が空いてしまいました。

といいますのも、この春、生活環境が激変してしまい、スタジアム(みらスタ)まで路線バス1本or自転車で通えていたのが、車で1時間ほどかかる場所に引っ越しまして。
当然引っ越し作業やらネット環境の構築やら何やらかにやらでバタバタとしていたら、あっという間にゴールデンウィークも過ぎ、こんな時期になってしまったというわけで。

とはいえ、しっかりアウェイ鹿児島には出向いたのですが😅

鹿児島・白波スタジアム名物の「のんかたゾーン」
芋焼酎(さつま島美人)がロックでも水割りでも100円!(水より安い)

閑話休題。

今年のJリーグが始まりまして、スタジアムに関する話題がいろいろある中で、対照的な話題が2つありました。

エディオンピースウイング広島の開場

1つは、サンフレッチェ広島の新ホームスタジアム・エディオンピースウイング広島の開場。
2003年の「スタジアム推進プロジェクト」から数えても、広島のサッカー関係者20年越しの悲願が達成されたということで、かなり盛り上がっています。
(この辺の話をきちんとすると、それだけで映画が1本完成してしまいそうな話ですので、詳しくはWikipediaのこの記事をお読みいただければ、と。)

広島の新スタジアム「エディオンピースウイング広島」

サッカー専用スタジアムであることもさることながら、ここのスタジアムの特筆すべき点はなんと言っても『街中スタジアム』であること。
JR新白島駅横川駅のみならず、広島駅からも(その気になれば)徒歩圏内。路面電車の電停やアストラムラインの駅も近く、自家用車で行こうとしない限りアクセスに悩む必要がありません。(自家用車で行ったとしても、もとまちパーキングアクセスなど、それなりに公共駐車スペースはあります)

そして、その利便性が最大限に発揮されるのが、試合終了後の観客の行動
退路(最寄り駅)が分散されているので、動線が一方向に固まることなく、ストレスフリーでお客さんが帰路につくことが出来ます。
また、紙屋町・本通りなどの繁華街にも近接しているので「観戦後の反省会」も試合後すぐに出来るわけで、これもまた試合後の観客の速やかな行動分散に寄与しているところです。

昨年までのビッグアーチ(エディオンスタジアム広島、現在はホットスタッフフィールド広島)でナイトゲームをやると、最後のシャトルバスが出発するのが試合終了後1時間半後の22時30分だったことを考えると、まさに隔世の感があるといったところでしょうか。

町田GIONスタジアムの混乱

一方、これと対照的だったのが、FC町田ゼルビアのホームスタジアム・町田GIONスタジアムでの混乱話。

町田GIONスタジアム(町田市立陸上競技場)は町田市街地の北方の丘陵地(というか山)の上にあるスタジアムで、最も近い駅の小田急線鶴川駅からでも約5km(通常のバスで20分、徒歩1時間)と離れており、ゼルビア自らが『天空の城野津田』などと自虐気味に語るほどの辺鄙な場所にあります。

シャトルバスの行き先は多いのですが、それぞれの行き先別の本数があまり多くありません
なので、私が行ったときは、町田駅から通常の路線バスで野津田車庫まで行き、そこからスタジアムまで「山登り」をしました。

バス停からちょっと歩いてこの看板。
注:バス停からスタジアムへの徒歩ルートです。

そんなゼルビアも、今シーズンから晴れてJ1に上がったわけで、ホームのサポーターのみならずアウェーのサポーターも大挙して押し寄せることになったわけですが、開幕節のガンバ大阪戦で早速一悶着あったようです。

試合終了後、ガンバサポーターがシャトルバスに乗ろうとしたところ、(新横浜駅まで電車で1本の町田駅行きに集中したという事情もあったようですが)シャトルバスに乗るまでに相当の待ち時間を要し、最大で2時間待ちが発生したのだとか。

シャトルバスが遅れるのは「そもそも道路が渋滞している」という要因が非常に大きく、それも実際の経路(スタジアム→駅)だけではなく、回送ルートも混雑していると『次のバスを出したくても、バスが来ていない』という状況が発生して、シャトルバスが遅れる原因になるわけです。

クラブ側も改善策をいろいろ考えているようですが、そもそも「最寄り駅から離れすぎている」という立地なので、道路事情に左右される要素も大きく、抜本的な対策にはならないだろうなぁ…というのが当方の見立てだったりもします。
(その後、町田に関して「帰宅難民」的な話題は影を潜めてはいますが)

国立競技場が人気なわけ

そうやって考えると、スタジアム(というか、大規模集客施設)を作るにあたっては「立地と交通手段」ってかなり重要よね、なんてことを思ったりするわけです。
例えば、国立競技場は典型的な「大規模陸上競技場兼球技場」なわけですけど、あそこでJリーグの試合などを開催すると、普段の本拠地以上の観客を集めている状況だったりします。
(2022年以降のJリーグ公式戦20試合の平均観客動員が50,694人)
その最大の要因って、やっぱり都心部に位置するという「立地」なんですよね。
スタジアムの周囲に複数の最寄り駅があって、アクセスが容易。
6万人を集めても皆がストレスなく退場できるというのはかなりの売りになっていますし、実際それがあるからJリーグも各クラブも積極的に国立で試合を仕掛けるんだろうな、と。

国立競技場(手前左)。Wikipediaより。
奥に見えるのは神宮球場と秩父宮ラグビー場。
国立競技場のアクセス案内(日本スポーツ協会公式サイトより)
最寄り駅はJR千駄ヶ谷駅・信濃町駅、都営地下鉄国立競技場駅、東京メトロ外苑前駅。

もちろん、観戦環境(専用スタジアムであること)はむちゃくちゃ大事だと思うのですが、興業の面を考えるとそれ以上にスタジアムへのアクセス(特に復路)は重視しなきゃ行けないんだろうねぇ、と思う次第です。

山口の場合は…

で、翻って山口の場合。
現在レノファ山口FCが使っている維新みらいふスタジアムは、それなりに街中にあって、一応は複数の交通経路は確保されては要るものの、「大半が車で来場する」というニーズを満たせていないというそもそもの問題を抱えているのは、過去の「レノファなスタジアムの話」でも触れたとおりです。

で、仮に他の場所にスタジアムを作るにしても、その最有力の一つなどと言われているきらら浜は公共交通機関のアクセスが極めて貧弱で、イベントごとに主催者が新山口駅からのシャトルバスを走らせている状況。

そんなものですから、先日もKing & Princeのイベントがきらら浜(山口きらら博記念公園)であった際、終了後のシャトルバスが大渋滞を引き起こしてしまって終電に間に合わなくなり、1000人前後の「帰宅難民」が発生するという不名誉なニュースが流れてしまう始末で。

そういうことを考えると、仮にスタジアムを作るにしても、駅に近い場所とか、アクセスのきちんとした場所に作らないと、いろんな面で痛い目に遭うよなぁということを改めて思う次第であります。
だから本当は新山口駅のすぐそばにスタジアムが作れれば万事解決すると思っているんですけど、土地がねぇ…

そんなわけで、今回はここまで。

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