
ごみステーションについて考える2
ごみステーション問題をさらに深掘りする
前回の記事でごみステーションの管理について触れましたが、今回はもう少し詳しく掘り下げて考えてみたいと思います。
最近、SNSなどで「自治会は任意団体だから加入しなくても問題ない」という意見をよく目にします。しかし、実際にはごみステーションの設置・管理は自治会が行っており、日々の掃除や違反ごみの処理も地域住民によって担われています。そのため、自治会に加入しない住民が当然のようにごみステーションを利用することには課題があると感じています。
ごみステーション利用をめぐる裁判
この問題に関連して、神戸市では**「自治会に加入していない住民がごみステーションを利用できるか」**をめぐる訴訟がありました。現在は最高裁の判断待ちですが、大阪高裁では次のような判断が下されています。
「自治会員以外の利用を一切認めないのは正当化できない」
つまり、金銭負担などの代替案を提示せずに、利用を禁止するのは違法と判断されたのです。
この判決を踏まえると、自治会としても「加入していない人は使えない」と単純に制限することは難しくなりそうです。
自治会の現状と下関市の対応
この問題について下関市に問い合わせたところ、市では「ステーション方式」を採用しており、個別収集の仕組みはないとのことでした。したがって、自治会のごみステーションが利用できない場合は、特別な理由がない限り市の焼却場まで個人でごみを持ち込む必要があるとのことです。
しかし、これは現実的ではありません。そうなると、自治会としては
金銭負担の導入
掃除当番への協力
といった形で、非会員と話し合いの場を設け、着地点を探るしかないのが現状です。
違反ごみの主な原因
これまでの経験から見ると、違反ごみが特に多いのは以下のケースです:
掃除当番を回していないアパートの住民
通りがかりの人
特に、一人暮らし向けのアパートでは、自治会の活動に関わることが少なく、管理には関与せずに利用するケースが目立ちます。さらに、違反ごみの放置もこうした住民によるものが少なくありません。
また、春の引越しシーズンには、不要な家具や家電を無断でごみステーションに放置し、そのまま引っ越してしまうケースが後を絶ちません。自治会としては毎年、この時期に対応に追われています。
自治会による管理の限界と今後の方向性
こうした状況の中で、自治会によるごみステーション管理は限界に近づいていると感じます。特に、高齢化が進む地域では掃除当番を免除する世帯も増え、負担が限られた住民に集中しているのが現状です。
この問題は、国会でも取り上げられています。浜田聡参議院議員が2023年にこの問題について質問を行い、国の対応を問いました。
詳細はこちらの質問主意書をご覧ください。
👉 浜田聡議員の質問主意書
浜田議員は、ごみ収集の責任は自治会ではなく市町村にあることを指摘し、自治会に依存したごみステーションの管理は見直すべきではないかという問題提起をしています。
私も、ごみ捨てというライフラインの管理を自治会に委ねる行政の仕組みは、もはや限界に達していると感じています。
理想的には、市が主体となり、自治会は協力する形へと移行するべきです。自治会が単独でこの問題を抱え続けるのではなく、行政と住民が協力して取り組む仕組みが必要です。
この問題について、皆さんの地域ではどのような対応が取られていますか?何か良い解決策やアイデアがあれば、ぜひ教えていただけると嬉しいです。
まとめ
ごみステーションの管理は自治会が担っているが、非会員の利用をどうするかが課題
神戸市の裁判では、利用禁止は違法との判断が出ている
下関市では個別収集を行っておらず、自治会が管理を続けるしかない現状
浜田聡参議院議員もこの問題を国会で取り上げ、行政が主体的に関与すべきと提起
今後、自治会単独ではなく、市が主体となる仕組みづくりが必要