5%だけ日本語が話せる友人①(欧州旅その2)
8月7日正午過ぎ。
成田を離れた私は、約9時間のフライトの後
インド・ムンバイの空港に着いた。
ここで約9時間のトランジット
しかし次のオランダ行きの飛行機はなんと深夜の2時40分...
空港で時間潰すか...と思い
空港内をぐるぐるするも9時間は長い。
やっと次の飛行機に乗れる!となっても
ムンバイからオランダ・アムステルダムの空港までは、さらに9時間...
9時間、9時間、9時間の連続wwwww
そもそも前日までは札幌を旅してたので
既になんだか疲労困憊だった。
せめてムンバイからアムステルダムまでのフライトは少し寝て休もう...とウトウトしていると
隣から聞こえてくるのは日本語...?
席は3人1組で私が廊下側、真ん中がイスラムのヒジャブを纏った女性で
窓際には、白人の男性が座っていて聞こえてきたのはこの2人の会話だった。
明らかに日本人じゃないのに何故?と気になったが2人の会話は、ベースが流暢な英語で
そこに日本の単語が時々混ざる程度だったので、何を話してるかどうかまではよく分からなかった。
それにしてもこの2人...喋る。
よく喋る。結構喋る。
少し仮眠をして、夜が明けて、機内が明るくなると2人は再び話を始めた。
彼女がトイレで一度席を立つと、白人の男性と目があった。
「ああ...どうも私は日本人です笑」
白人の彼も、後から戻ってきたイスラムの彼女も「ああ、だろうね笑」って反応だった。
話を聞くと2人とも、それぞれ偶然成田から同じ飛行機で来ているらしい。
彼女のほうは、日本での仕事を終えビザが切れたので母国オランダへ帰る途中で
白人の彼は、日本で医学の研究をしていて夏休みを利用し家族に会いに一時的にオランダへ向かう途中だった。
彼女は、かなり日本語も話ができたが
白人の彼は、普段研究室では英語しか使わないらしく、
「私日本語上手じゃないです。」
「日本語は5%だけです。」
って日本語で話してくれたけど
なんかそれだけ話せれば全然5%以上話せるような気がした笑
っていうか彼と比較したら
私の英語なんてきっと5%以下だ。
彼の名前は難しい発音だった。
知人からは"アブさん"と呼ばれているらしい。
アムステルダムの空港に着くと
アブさんと私は旅客用の出口へ。
彼女、エスマはオランダが母国なので違う出口だった。
じゃあここでお別れだ、ってなって
もしよかったら月末にまたオランダで再会しよう!って話になった。
それは良い!再会を約束してエスマとはここで別れた。
アブさんと2人で入国手続きの列に並ぶ。
私はこの時、旅の計画が全く決まってなかったから、これからどうしたもんかと考えを巡らせていた。
当然、アブさんとも「どこを旅行するの?」って話になった。
「ノープランなんだ」
って伝えてもアブさんは
何にも訝しむことなく、笑顔だったけど
流石に何しに来たんだコイツだと思うので
率直に『一人旅は急遽決まったことなんだ、失恋しちゃってね...』って話を軽く打ち明ける。
これに対してもアブさんは柔らかい表情で
うんうんと頷いて
「じゃあこの旅は君にとって凄く重要な旅になるね!」
って笑顔で返してくれた。
あとから思い返してもその一言は、
この旅を乗り切るのに勇気が湧く言葉だった。
オランダの到着ゲートをくぐると
アブさんの弟さんが出迎えくれた。
考えてみれば殆ど見切り発車でここまで来てしまったので
私は海外でスマホを利用するためのSIMやユーロ通貨も用意してなかった。
なんとかなるだろうとは思ってたけど
現地に詳しい彼の弟さんが丁寧に教えてくれて
英語じゃ伝わらない部分はアブさんが何とか日本語で解説してくれた。
そう言えば
『アブさんはいつ日本に帰国予定なの?』
「9月1日だよ」
そうなんだ。え?あれ?
『私も。私も9月1日だよ!』
あれ、嘘?と思って
彼の航空券の予約を確認をすると飛行機の便は違ったが
確かに同じ9月1日のほぼ同時刻の飛行機そして同じ航空会社だった。
また会えるのは必然なわけね笑
空港で別れてその日の宿に到着すると
「今夜か明日、観光しようよ!」とメッセージが入る。
アブさんからだった。
『明日にしよう!』
ごめん今日は流石に疲れた。
ヘトヘトです...。