訳わかんない!ブルガリアのおじさんと攻防戦
みなさんこんにちは...🥃
現在、私は2ヶ月前に訪れたスコットランドのウイスキー蒸溜所での旅について
少しずつ書きおこしているところなのですが
私自身は、1人旅をするためヨーロッパに来ております。
本当は、ここでの旅のことは後でゆっくり話したかったのですが
日本を離れて16日...決して良い事だけではありません。
女子1人旅って...まぁ女子なりのリスクってあちこちに潜んでるよね。
そんな甘いもんじゃないことくらい分かっちゃいるんだけどさ。
今回オランダ→スペイン→フランス...
そしてドイツ・フランクフルトに来て、ブルガリアのおじさんと攻防戦を繰り広げたことが
やっぱり堪えてしまった。
長文だが、ここで愚痴を吐かせて欲しい。
まずこれは、これから1人旅を考えている人に対しての教訓だが
内容はざっくりこの2つ
①体調管理はしっかりしろ。
②宿探しには注意しろ。
・・・である。
正直、観光や語学力なんてスマホさえあれば
どうとでもなる。
ただこれはあくまで1人旅をする上で
もしもトラブルに陥った時、ましてや異国の地ともなると誰も助けてくれない。
その中で今回私が最も深刻だなと思ったのが上記の2つだった。
まず一つめの体調管理について
少し前に遡るが私は、オランダからスペインそしてフランス・パリに渡った後、
パリから数時間離れたブルターニュ地方というところに来ていた。
バスで8時間。ここでもウイスキーの蒸溜所を巡る旅をしていたのだが
異変はここからパリへの帰り道での事だった。
「血尿が出る」「おしっこが痛い...」
「トイレに行ったばかりなのに、トイレに行きたい。残尿感が治らない」
異変は、そのあとのドイツ・フランクフルトまでの移動の途中でも現れた。
この感覚には覚えがあった。
膀胱炎だ。
ヨーロッパは日本ほどトイレが充実していない。パリの地下鉄とか、当たり前にあると思っていたのにトイレが無かった。
それにやっと見つけた!と思っても1回=1€だったりお金がかかる。
だから私は、とことん我慢した。
水も殆ど飲まなかった。これが直接的な原因かどうかはわからないが
おそらく長旅でこれは、体調を脅かす原因にもなったと思う。
フランクフルトの駅に着く頃には、歩くだけでも脂汗をかく勢いだった。
トイレに1€もかけたくないが何度も何度も行きたくなる。
少し観光をしようとも思っていたが重いスーツケースをひいて、トイレがないかもしれない街を歩くことを考えるだけでも気が折れた。
ああこのままじゃあかん...
ゆっくり歩いて薬局を探し出し、お兄さんに「膀胱炎の薬をください」とドイツ語に翻訳されたスマホ画面を差し出す。
何日分かはわからないけど1箱20€。
出費が痛かったが、ひとまずこれを飲んだら少しだけ良くなった。
あとは今夜予約した宿に行くだけ...
だけど悲劇はここからだった。
宿はここに来るまでのバスの中で、AirBnBを通じて予約はしてあった。
アイコン画像は、小さい娘さんかな?と共に写るおじさんの写真。口コミも男女問わず共通して「すごく温かく歓迎してくれました」とあった。
今のところ家族暮らしのお家に泊まってトラブルが起こったことはない。値段はそれほど安くはなかったが、ここは問題ないだろうと思って予約を決めた。
実際、家に着くと中からおじさんが朗らかな笑顔で温かく出迎えてくれた。
「さぁ中に入って、疲れたでしょう」
おじさんも私と同様、あまり英語が得意ではなさそうで、言葉はシンプルだけどそんな風に声をかけてくれた。
ゆっくりくつろいで。何か飲む?
ウイスキーは好き?といって差し出してくれたのはスコッチウイスキーのボトルだった。
いや、お前、まさか体調も優れないのに
酒を飲む気か?・・・そう言われたらもう何にも言えない。
ただの言い訳だが、私はスコッチに関してブログにするほど大好きだったので
私のことを何も知らないはずのおじさんがスコッチを出してきたことに
テレパシーでも通じたのかっ......?
くらいにしか思っていなかった。
むしろ、まさに私はこのウイスキーが好きで今、旅をしてるんです。と自己紹介をしたくらいだった。
言葉も分からないのに気遣ってくれているんだからこちらも愛想よく振る舞わなくちゃ
と考えていた。
ただ一つここである違和感に気づいた。
"家族と住んでるふうじゃない。"
私が寝る部屋は別の個室が確保されていたが
それ以外で複数住んでる感じが見当たらない。
当然、家族の姿も見当たらないどころか
女性のポスターが壁に複数貼りつけてあった。
でもおじさんは、にこにこしながら
「日本人はブルガリアヨーグルト、好き?」
と聞かれた。
『ええ、まぁ、たまに煮込み料理にも使うくらいです。』と答えた。
どうやらおじさんは、ドイツ人ではなくてブルガリア出身の人だったらしい。
そこから日本とブルガリアのそれぞれの文化って何?みたいな話をしていると
「ドイツ人の女性はガードが固くてね...」
とおじさんが話を切り替え始めた。
「日本だったら結婚相手見つかると思う?」
始め、どういう意味か、よくわからなかったが
どうやらおじさんは今結婚相手募集中らしい。
うーんもう50過ぎてそうな人だしなぁ。
どうだろう。
『ヨーロッパの人に憧れてる人もいるし...』
と適当に濁した。
「私は日本を尊敬しているよ。」
「日本が好きなんだ。」
とおじさんが話し始めたところでようやく
あれ、待てよ...と思い始めた。
話が急にセクシャルな話題へと移っていく。
ん、ちょっと待て。もう、切り上げよう。
と思って『私はこれからオンラインで日本の人と連絡取らなきゃいけない。仕事なんです。』
と嘘をついた。
『もう個室に行かないと』
「ちょっと待って!」
「もうちょっとここに座って話をしよう?」
「日本の時間は何時だ?まだ寝てる時間だろう?」
おいおい私を引き止める気か。
『いいえ、もう朝の7時になろうとしています。
私は、彼が起きるのを待っていたんです。』
そう説明してもおじさんは
「あともうちょっとだけ!」とお願いしてくる。
『トイレに行かせてください』
と部屋を出て逃げようとしたがおじさんが前に出てきて通路を塞がれた。
はぁ?!ってなった、同時に馬鹿だな私...と頭を抱えた。
『あの、お願いです。私、膀胱炎で酷くなる前に本当にトイレに行きたいんです』と訴えた。
ところがおじさんはその場を退いてくれるどころか何か言いながら、触れようとしてくる。
『NO!!!』『PLEASE STOP!』
そう伝えても、おじさんは「5minutes!」とかわけわからんこと言い始めた。
『I SAY NO !!!』
と語尾強めに訴えるとおじさんも一歩体を退いた。良かった.....と思ったら違った。
パチッと消える電気。
こいつ!!!
即座に手元のスマホでライトをつけた。
男の人怖いとか言ってられなかった。
1人で旅をしているのだって、今こうしておじさんの家でおじさんと対峙してるのだって
自業自得だ。
だから咄嗟に考えた。おじさんは強引には、こちらに寄ってこない。
「Please!」をずっと繰り返している。
スマホでツイキャスのアプリを立ち上げて、
誰だか知らない男の人のチャンネルに繋いだ。
スマホから漏れる声。
私はその声と対話してるふうに見せた。
日本人がその場にいたら、なんだその噛み合わない会話は?と妙な顔を浮かべるだろうが
日本語のわからないおじさんは
リアルタイムでこの状況を第三者が聞いていると考えたらしい。
「Oh.....」と両手を広げ、肩をすくめませ、
あっさり電気をつけてくれた。
『Sorry. Good night.』
と部屋を出て、自分の寝室に篭った。
部屋に入ったら、とたんに自己嫌悪に陥った。
ああ、こんなつもりは毛頭ないのに
悪いのは私か?
女の子は、1人旅なんてしないで誰かと行くか
1人だとしてもセキュリティの強い高級宿を予約すべきだったのか?
目を瞑って、朝になると薬の効果が切れたのか
膀胱炎の痛みが再発していた。
おじさんは仕事で朝早くから出てしまっているらしい。1人だった。
おじさんがいない間にこの家を後にすれば、もう彼と会うこともなかろう。
でも外に出ても...
この下腹部の痛みとはどう戦う?
そう言えば...と思ってスマホをつけた。
この旅の始めに飛行機の中で知り合ったオランダの彼は、確か今頃ドイツにいて、普段は、医学関係に携わっている。
その彼とはオランダ滞在中に彼の兄弟も交えて一緒に観光した仲だった。
彼は、英語の拙い私の文書を理解して親身に相談に乗ってくれた。
彼には、ドイツで泌尿器科の友達がいるらしい。話を繋いでくれて今後どうしたらいいかも教えてくれた。
大丈夫!君は1人じゃない!
オランダに戻ったらみんなで再会しよう!と約束してくれた。
本当に感謝だった。
彼だけじゃなくて、助けてくれる人は、これまでヨーロッパで会ってきた人の中で複数いた。
たしかに1人旅は、本当にリスクもたくさん潜んではいるけど
もし誰かと一緒の旅だったら?
私は、連れの人との間で「ああ楽しいね!」と共感し合うばかりで
こんなにも行った先で、誰かと知り合えるなんてなかったに違いない。
それは、前回ウフジ君とスコットランドに行った時点で証明されている。
あの時は、ほとんど誰かと知り合えなかった。
今回は、オランダ、トルコ、メキシコ、ペルー、そしてインドの人たちと知り合えた。
あれ?ヨーロッパの人とはそんなに知り合えてない笑って感じだけど
私の世界は、充分いろんな文化が入り混じっている。
「私、ないし僕の友達、家族は、あの都市に住んでるよ」「もし君が旅をしにそこを訪れるなら泊められるよ。歓迎する!」
そんな話をして、旅をする場所、世界がどんどん広がって行った。
それは、私の中で確実に自信になった気がする。決して良いことばかりじゃないけど。
1人旅って、どうしたらよりうまく旅できるだろうね。
もう少し旅を続けながらそんなことを考えることにする。
旅の続きはまた今度。
長くなってしまった。