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5%だけ日本語が話せる友人② (欧州旅その3)

8月9日朝10時、アムステルダム中央駅
この駅の改札フロアには大きなピアノがあり、時たま誰かがこれで演奏をしている。
聞き馴染みのない音楽でもそれは、この場を和ませるものだった。
アブさんはそのピアノの前で待っていた。

昨日の今日だからかアブさんもちょっと緊張した面持ちだった。
とりあえずアムステルダムの街を歩こう!ということで、駅を後にする。

だがじつはここアムステルダムは、
前回、6月にスコットランドに来た際、ちょうど乗り継ぎだったので合間を利用して
この付近はなんとなく散策済みだった。

ただ事前の調べによるとここは、
一部の薬物が合法で売春もオープンな国と聞いていたので
前回その辺は、警戒しながらの観光で、
あくまで知っているのは、アムステルダムの綺麗な部分だけだった

アブさんにその事を説明すると
じゃあ今回はそのディープな所もちょっと覗いてみようか、となった。
日本の観光ガイドには決して載らないであろうアムステルダムの裏側。

まぁ、まだ午前中だしね笑!

ここは「飾り窓」と言って
赤いランプが点灯する窓際に下着姿の綺麗な女性が立ち、道行く男性たちを魅了する。
オランダは16歳から売春がOKな国だった。
「ここでは、男女のセクシャルに関することもオープンだね」
とオランダ在住経験のあるアブさんはそう説明をする。

一方、日本はどうかって?

海外の人からすると日本人は、みんなシャイだからね笑!』
と私が笑うと
「そうそう!職場で恋愛してたとしても
表向きはみんなシークレットだよね!」
とアブさんも笑う。

さすが日本在住はもう2年程だったか
アブさんも我々の国の恋愛事情はお察しのようだった☺️

女性の写真はNGなので載せられないが
この狭い通路は、セクシーな女性の出現ルート

両側とも建物になっていて通路に面して部屋が設置されており
オープンな窓から間近で女性の姿を確認することができる。

続いては、日本人にとっては禁句区域
コーヒーショップ

ん?コーヒーショップって?
え?コーヒーでしょ?何が禁句なの
って思われる方もいるかもしれませんが
ここで言うコーヒーショップとは、マリファナなど薬物が販売されているお店

普通の喫茶店と似ていたりするので
間違ったりしないよう注意が必要だ。
『いやいやアブさん、日本では薬物禁止なの知ってるよね?』

「もちろん。だから私たちは、このお店を覗くだけ」
彼が先にお店のスタッフに撮影はOKか聞いてくれて、
人の顔を写さないならいいよ!って許可をもらったので店内に入ってみる。

店の入り口一歩先で
うわああああああってなって立ち止まってしまった。
ああ、頭がツーンとして
脳内のノズルが詰まったように思考が停止する。

ああ、前回アムステルダムに来たときにも気付いてたけど
この独特の匂いってマリファナの匂いだったのね
冷静になるとそんなことを考えていた。

周りを見渡すと若者だけでなく老夫婦までもがタバコと同じようにマリファナを吸っている。
後にアブさんに副流煙の影響はどうかと聞いてみたが
タバコほどの影響はないらしい
とは言え、私の体感上ではまぁまぁ影響は感じたわけだが。

店の外に出るとああ、なんだこんなもんか、って感じだった。
私のイメージだと薬物と言えば
こう、みんな白目を剥いてヨダレだらだらで狂ったゾンビみたいな...そんなイメージだったから
このお店にそんな異常性は全くと言って感じられなかった。

オランダ人から言わせれば
私のイメージは、アッパー系と言う薬物の中でも強烈な覚醒剤のことで
オランダでも厳格に禁止されている。
マリファナは、覚醒してハイになると言うよりも、心が落ち着いてリラックスするので非常に穏やかなんだそうだ。

まぁ、そう説明されても怖いもんは怖いわけだが、確かにあのお店の人たちは非常に落ち着いていて
よっぽど新橋のオジサン...いや酒癖の悪かった時の私のほうがタチが悪いように感じた笑

オランダの街をぶらぶらと歩く。
途中、アブさんがこんなことを呟いた。

「日本人となかなか仲良くなれない」

彼のことをよく知るわけではないが
彼は、会話をする上で単純な言葉のやり取りをすると言うよりも
翻訳機を使ってでも、もっと具体的に多くのことを私と話したがっているようだった

うーん...じゃあここは一つ、日本特有の、
海外の人からしたら奇妙なある考え方について教えようと考えた私は、彼に

『本音と建前って知ってる?』

と聞いてみた。

いや...」と首を傾げる彼に私は
『これ、なかなか理解し難いことかもしれないんだけど...』
と切り出し、こう続けた。

日本人は、"建前"を大事にしている。
それはつまり集団や社会の期待に
表向きは"同調すること"なんだけど
本当の胸の内(つまり本音の部分)は晒さずに我慢することがあるんだ。
他人に遠慮しがちというか...

なんてことを翻訳機を利用しながら彼に伝えてみる。

「なるほど」

"本音と建前"
この文化がもたらす影響って決して悪いことではないけれど、本当、極端な話...

ストレートな物言いができない故にそれが染み付いてくると
恋愛に奥手がちだったり、ディスカッションで上手く主張ができなかったり、仕事での我慢も絶えない。

でも、でもね。日本ってほら、島国だから。
みんながみんな同じ
私たちは食い違う意見によって摩擦が生じ、
平和が失われることを嫌う。

なんて話をすると彼は
それは美しい考えだよね。」
としたうえで

「でも、確かに僕らはお互いの意見をストレートにぶつけ合うけど
必ずしもそれで摩擦が生じるわけじゃないよ。」

「お互いの意見が違ったとしても
"ああ君はそういう考えなんだね"で終わりさ」

日本の場合だとうーん...
他人の意見に表向きは同調できても、
あくまでそれは自分に我慢を強いるだけで
他人の意見に本当に寛容になれているのかって

うん...色々意見はあるだろうけど
確かにそれは少し、違う気がする。

そうか。と妙に納得した話だった。

私だって自分が共感できない事柄に対しては、頭を抱えるし、時には反発しそうになる
SNSを覗けば、誰かが対象の相手を見つけてネチネチ干渉しては攻撃をしているのをしばしば目にする。

はたから見ていてたまに、何でこんな納得できないことに執拗に攻撃的で
エネルギーを消費しているんだろう
って違和感を感じることがある。

他人に寛容になるって意外と難しいことなのよね。これは私にとっての課題でもあった。

さて、これから私はアムステルダムから飛行機に乗って
シェリー酒の都、スペイン・ヘレスデラフロンテラに渡る
前日予約した飛行機が経つ時間は、もうすぐだった。

なのでアブさんとは暫しのお別れ

最後に彼は、私宛にメッセージでこう呼びかける。
「I think traveling alone is hard, but it is very important to have time alone and think about life in the future, and relax」

ありがとう。アブさん。

#海外 #ヨーロッパ #オランダ #アムステルダム #旅行 #旅

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